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公開 2015年10月29日  

妊婦健診で「風疹にかかっているかも」と言われた私の体験談

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2008年、出産する産院で、妊娠中に風疹にかかっているかもしれない、と伝えられました。妊娠中に風疹にかかったお母さんから生まれた赤ちゃんには、先天性風疹症候群である可能性が生じます。嬉しい妊娠の最中に、不安になる気持ちと、その時があったからこそ今伝えたいこと。すべての20歳以上の男性、女性に知ってほしい内容です。


産婦人科医のドラマ、「コウノドリ」

10月16日からTBS系列で始まったドラマ、コウノドリ。綾野剛さんが主演されていますが、原作は鈴ノ木ユウさんという男性が描くマンガです。私は職業柄、また医療系のドラマやマンガが好きということもあり、このコウノドリも、マンガ、ドラマともに拝見しています。ドラマは、夫と一緒に見ているのですが、子どもや母体の命に関わる話が多いので、夫は辛くて見ていられない…と言っていますが。

このドラマの第三話は、先天性風疹症候群のお話です。

妊娠4週で、息子の先天性風疹症候群の可能性を指摘される

実は、我が家の息子は、先天性風疹症候群(CRS)の可能性がありました。息子を妊娠したことがわかったのは、2008年4月30日。妊娠4週という超初期にわかったのは、当時そろそろ不妊治療をしようと、専門の病院に話を聞きに行った時だったからです。

もちろんこの時期にはまだ胎児の運命は定まっておらず、このままお腹に居続けてくれたらいいな、くらいな感じで気楽に構えていました。実際、2度目の妊娠は、同時期に出血が始まり、妊娠5週目に化学流産をしてしまいましたので、妊娠とは本当に奇跡で神秘だなと思っています。

当時は普通に外出のある営業の仕事をしていましたし、引っ越しをして、通勤に片道2時間かかっていました。そんな中でも、息子は頑張ってお腹に居続け、すくすくと成長してくれたのです。

風疹の可能性?!検診で再検査をすすめられる

仕事も体調もそれほどつらいということはなく、定期健診で胎児の成長を確認する日々でした。つわりはありましたが、それほどひどくもなく、いたって普通に生活をしていました。

そんな中、何度目かの定期検診で、先生から風疹の抗体が高いということを指摘されました。抗体値が高いということは、わかりやすく言うと、最近風疹にかかった可能性があるということなのだそうです。

当時の検査表を引っ張りだして調べてみましたが、HIという数値で256倍、IgMという数値で1.32の陽性判定となっています。この数値に対する考え方は、様々だと思います。私は医療関係者ではありませんし、血液検査に関する専門知識も持ちあわせていませんので、ここからは、当時、可能性があるという中で起こった気持ちの変化などを書きたいと思います。

先生は「今一度再検査をしたい」とおっしゃいました。また、過去に風疹を罹患したことはあるか、妊娠前後で風邪を引いたり、高熱が出たり、発疹が出た覚えはないか?と質問されました。おぼろげな記憶を引っ張りだして、たしか子どもの時に風疹をやったことがあること、3月10日に風邪で熱を出したが、それ以外は至って健康だったことを伝えました。また、年齢的には中学生の時に風疹の予防接種を受けている世代ではありました。

先天性風疹症候群(CRS)って?

お恥ずかしながら、それまで私は、先天性風疹症候群のことを、全く知りませんでした。風疹は昔、三日ばしかと呼ばれ、かかってもそれほどひどい症状が出るものではないくらいの知識しかなかったのです。

再検査の血液を取ってもらい、精密検査ができる機関に送ってもらう手はずをとりながら、自宅で先天性風疹症候群について、たくさん検索をしました。病気の詳細については、素人の私が説明するよりも、厚生労働省のサイトに説明がありますので、そちらをご覧いただければと思います。産婦人科の先生からは、目や耳、心臓への影響を説明していただきました。

あまり子どもが生まれてくる実感はなかった

生まれてくる子どもの状況については、実際生まれてみないとわからないということもあり、まだその時に実感はありませんでした。何かこの子にとって不便なことがあれば、それをできる範囲で改善しサポートできるように、心構えと知識を備えようと思いました。

実際に障がいをお持ちになって生まれてこられたお子さん、そしてその親御さんからすると、とても生ぬるい考え方に映るかもしれませんし、結果的には息子は先天性風疹症候群ではありませんでしたので、ここに書いている言葉や文章は、当事者の方にとっては、とても軽く不快なものであるかもしれません。もしも、ご気分を害された方がいらっしゃった場合は、心よりお詫びを申し上げます。

ただ、私が当時感じていたことは、「なぜ、正しい知識をもって備えられなかったのだろう」ということでした。

妊娠前に先天性風疹症候群について知っていたら

今となっては「たら、れば」ではあるのですが、もしも妊娠を考える前に、先天性風疹症候群について知っていたら、私も夫も、検査や注射、医療機関の受診には抵抗がないタイプですので、おそらくすぐに抗体検査をしていたでしょう。そして、一緒に予防接種を受けていたかもしれません。

夫が予防接種を受けることは、自分の未来の子どもに対しての備えということもありますが、職場での感染を広げない、という意味でも有効だと思います。知っていたら簡単に行動できることでも、知らないというだけでその選択肢は選べないのです。

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息子を出産して、今できること

お腹の中の子どもが大きくなるにつれ、通っていた病院では、4Dエコーを通して、胎児の状況を先生が念入りに見て下さいました。「心臓への奇形はなさそう、眼と耳は、生まれてみないことにはちゃんとわからないので、生まれたらすぐ、検査しましょう」と言われて、産まれた息子は、出産こそ難儀しましたが(笑)、視力聴力、そして心臓ともに問題はなく、私達の心配は杞憂に終わりました。

結果論としては、過去にかかった風疹の抗体が、どういうわけかずっと高いまま保たれたということのようです。とはいえ、最終的になんでもなかったから良かったねーということではないと思っています。

お母さんになる女性や赤ちゃんの病気は、妊娠、出産後にしかわからないものもたくさんあると思います。また、たまたま妊娠中にかかってしまう病気や、事故などのリスクももちろんあり、すべてを防ぐことは難しいと思います。けれど、この先天性風疹症候群については、妊娠する前に調べて予防接種を受ける、という方法で防げるケースがかなりあると思うのです。だからこそ、妊娠や出産を知っている、母であり父である私達が、伝えていかなければいけないことだと思うのです。

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この記事をお読みになられている方は、おそらくすでに妊娠されているか、お子さんがいらっしゃる方が多いと思いますが、少しでも多くの「これから妊娠するであろう女性」や、「パートナーの男性」に届けばうれしく思います。

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