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15年前に出生前診断を受けた私がいま、思うこと(2ページ目)

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私は15年前、出生前診断を受けました。羊水検査をして胎児にはダウン症などの染色体異常はないことがわかりました。でも、検査を受けた2年後“自閉症”と診断されました。ここで「この子はいりません」と言っても拒否は出来ませんでした。

出典:http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=28197000407

さて、検査結果を聞きに行きました。結果は“お腹の子どもは染色体異常ではない”でした。病院に向かう車の中から見た空は灰色でしたが、帰り道はピンク色に輝いて見えました。

嬉しくて一人で回転寿司屋に入りお祝いに何皿も食べました。それからは、ウキウキな幸せな妊娠期間を過ごした後、出産しました。

でも、どうも子どもの様子がおかしいのです。

2歳になっても人に関心を示さず、声もほとんど出さないのです。

そこで小児神経科を受診しました。医師から「お子さんは知的障害を伴う自閉症です。」と言われました。

目の前が真っ白になり、病院の待合室で子どもをバギーに乗せたまま、泣いていました。優しい看護婦さんがやって来て背中をさすってくれました。2年前に羊水検査を受けたときと同じ状況です。

私は看護師に向かって「この子をちっとも可愛いとは思えない!育てられない!こんな子じゃあなかったらよかった!」と言い、泣きつきました。

でも、2年前の私には中絶という選択肢が許されていましたが、もう子どもは胎児ではありません。

目の前にいる2歳の生きている子どもを病院に置き去りにしては帰ることは許されませんでした。
(※息子は食物アレルギーも発症していて体中がアトピーで汚く、“食物アレルギー+自閉症”のダブルパンチで神経が参っていました)

すべての障害が判明しない検査

出生前診断でわかるのは“13トリソミー・18トリソミー・21トリソミー(ダウン症候群)・二分脊椎・特定の遺伝性疾患”などの一部の障害です。

これは星の数ほどある障害の中の一部です。

ですから、この検査で”お腹の子どもには100%障害がありません“ということを証明されたわけではないのです。

視覚障害や聴覚障害、人口の6%を占めるといわれている自閉症などの発達障害はわかりません。これらがないとしても、出産時のトラブルで脳性麻痺、また、生まれてから高熱を出し脳にダメージを受けたり、交通事故にあって重い後遺症が残ることもあります。

ということは…出生前診断を受けるということは “染色体異常など出生前診断でわからない障害児であれば受け入れて育てる決心”も同時にしなくてはなりません。

子どもが生まれた後“自閉症”であると知って、子育てを放棄できません。もし放棄したら虐待していると言われ、殺してしまったら殺人者となるのです。出生前診断のように中絶して命を絶つことは許されないからです。

母親になるってなんだろう

たとえ健康な子どもが生まれたとしても、不登校になったり、非行に走ったり、引き籠ったり予期せぬ出来事が起こります。また自分自身も今後、事故にあったり病気になったり、統合失調症や鬱病などの精神疾患を患うかもしれません。


出産前はまだ正確には親にはなっていなかった自分が、育てているうちに「こういう子は受け入れない。こういう子だったら受け入れる」という“条件付きの愛”にはならなくなりました。育てているうちに自分なりの母性が出てきたからかもしれません。

妊娠中、たとえ検査を受けて選ばれた命であっても、出産後はどんな状況になっても受け入れ育てていく、これが“親になる”ということではないでしょうか。

今の私には、息子の存在が生き甲斐です。

子どもは、母として生きるためのエネルギーになると同時に、私を悩まし、ストレスや疲労の元凶でもありますが、一日でも自分が長生きして子どもを支えてやりたいと今は思っています。

まとめ

「障がい児を育てる勇気や自信がどうしても持てない」
「将来、下の子に障害があることで、上の子の将来、結婚できなくなるかもしれない」
「親亡き後、他の兄弟に大きな負担がかかると思う、障がい児とわかっているお腹の子を産むわけにいかない」

このように悩み苦しみ、産まない選択ができるようになりました。この検査が認められていることはそれ自体を国が容認していることなのですから、産まない選択をした人に事情を知らない他人が非難をしてはならないと思います。

ただ、「簡単にできるから便利」とすぐに検査を受けるのではなく、よく情報を集めて決断をしてほしいと思います。


私自身が出生前診断を受けながらこんなことを言うのはおかしいのですが、当時は障がい児を産み育てるなんて自分の人生設計図の中には全くありませんでした。でも、苦労もあり喜びもありプラスマイナスしたら“プラス”のように思います。

そして、15年前に戻って過去の私に「その検査受けなくてもいいんじゃないの」と言ってやりたい気がします。

皆さんはこのテーマ、どう思われますか?

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この記事を書いた人
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立石 美津子

子育て本著者、講演家、自閉症児を育てる母親

著書は『一人でできる子が育つ テキトーかあさんのすすめ』
『はずれ先生にあたったとき読む本』『子どもも親も幸...

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