ある日、友だちに用事があって電話をかけました。
すると電話口に突然、2歳くらいの子が出てきて「ア~ウ~、ア~ウ~」と叫んでいます。
きちんと応対ができない子どもに電話をらせるのは、電話をかけている相手に対するマナーとしてどうなんでしょうか?
そこで、今日は『1人でできる子が育つ テキトー母さんのすすめ』の著者の立石美津子がお話したいと思います。
電話は子どもにとっては最高の玩具です。
電話が鳴って自分が何か声を出すと受話器の向こうから反応があるので、最高に面白いんです。
たとえ「電話を玩具にされるのが嫌だから」と玩具の偽物の電話を渡しても、使えなくなった古い携帯電話を渡しても、本物をやたら取りたがります。
子どもが電話に出るのは、相手へのマナーとしてどうなのでしょうか?
電話をかけてくる人は、何か用事かあってかけてきます。目的があります。
田舎のお祖父ちゃん、お祖母ちゃんだったら孫が電話口に出てきてくれて喜ぶとは思いますが、それ以外の大概の人は「あら可愛い、嬉しいわ」とはならない人がほとんどではないでしょうか。
ですから、電話応対のしつけもしないまま、子どもにおもちゃのように取らせるのは止めたほうがよさそうです。
私は仕事柄、教室の保護者宅に電話をかけることがありますが、電話すると「うう・・・あああ・・・」だけ・・・
電話は意外にも、集音性が高い機器なので周りの音をかなり拾います。遠くから「誰?誰?誰から電話?」とキッチンでガチャガチャお皿を洗っているお母さんの声が聞こえてきたりします。
「お母さんに代わってください!」と何度も言って、1分くらい経過してやっと代わってくれることもあります。
子どもが電話を取るのであれば、「どちら様でしょうか。お母さんに代わります」と、電話のマナーを教えるしつけをしてからにしたほうがいいのではないでしょうか。
今や個人がそれぞれ携帯電話を持つ時代になりました。でも、家族にかかってくる連絡先として固定電話を置いてある家庭は多いです。
すると友だち、家族だけでなく様々な人から連絡が入ります。
おしゃべりができない幼児だけでなく、反抗期中の上の子が無愛想な声で出てきたり、旦那さんに怖い声で「もしもし!なんですか!」なんて言われてしまい、かけた私が怒られてしまったような気持ちになったこともありました。
電話口の一言で、"その家族の印象"が決まってしまうことも。
みなさんも、そんな経験をしたことはないでしょうか?
電話は社会との接点です。園長先生や学校の担任、会社の上司からかかってくることもあります。
せっかくママが外で一生懸命丁寧な挨拶をし、言葉遣いに気をつけているのに、他の家族が面倒くさそうに「もしもし」と出たり、ぶっきらぼうな応対をしてしまうと「マナーができていない家族だなあ」と一瞬にして思われてしまうかもしれません。