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安全に産める国=育てやすい国ではない。産後家族をサポートする「3・3・産後プロジェクト」とは?

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「産後」という言葉から、皆さんはどんなイメージを持つでしょうか。男性の中には「無事に出産を終えたらそれでもう大丈夫」と思っている人も多いようです。「産後の女性の心身を大切にすること」は、産後うつや虐待を減らすことにもつながります。家族で、企業で、そして社会全体で産後家族をサポートするために始動した「3・3・産後プロジェクト」を詳しくご紹介します。

「産後」のイメージと現実とのギャップ

皆さんは、「産後」という言葉から何をイメージしますか?

赤ちゃんを抱っこしてママが笑っているところ? 家族でおしゃべりしているところ?それとも、ベッドで出産で疲れた身体を休めているところでしょうか。

少子化で赤ちゃんと接する機会が減り、兄弟姉妹や親戚の赤ちゃんと生活を共にする機会も減りました。妊娠中にイメージする「産後」は「赤ちゃんが生まれて、いつも笑っていて幸せいっぱい」なイメージを持っている方が多いようです。

しかし現実の産後のママは、腰痛・手首の痛み・会陰切開あとの痛み・尿漏れ・乳首の痛み・おっぱいの張り・肩こり・背中の痛みなど症状を感じる方が多いです。

そして、産後には体の症状だけではなく、心にも変化があらわれます。

安全に産める国=育てやすい国ではない。産後家族をサポートする「3・3・産後プロジェクト」とは?の画像1

上のグラフをご覧ください。産後はこれほどのホルモンの大変動が起きるので、精神的に不安定になるのも無理はありません。産後ブルーで気持ちの沈みを感じているママは、約80%もいます。涙が出てばかりいる、母としての自信が持てない…と、不安定になるのが産後の心の特徴なのです。

このように、産後とは心と体が不安定な時期。このような時期に、慣れない赤ちゃんの育児が始まるのです。

幼児虐待や産後うつの増加にある側面とは?

「出産」は女性にとってかけがえのない体験であるとともに、大変な体験だということは多くの人が認識しています。しかし、「無事に産んだらそれで大丈夫」と思われがちで、産後ママへのサポートが十分ではないことがあります。そして、そのことに関係していると思われる事態も増えてきています。

それは、毎日のように報道される「乳幼児虐待事件」、そして「産後うつ」の急増です。

日本は、世界一周産期の死亡が少なく安全に産める国ですが、「安全に産める国=育てやすい国ではない」のが現状なのです。悲しい「乳幼児虐待」や「産後うつ」が増加している原因は、「ママの個人的な問題」だけでは決してありません。

ママが産後も大切にされ、家族からも社会からも育児の支援を受け、いつも笑顔で過ごしていたら、虐待は減らすことができるのではないでしょうか?逆に、産後に充分なサポートを受けられず、ママ自身に余裕がなく、疲弊し、孤立している状態であれば、子どもに優しくすることは難しいですよね。乳幼児虐待被害で亡くなっている子どもは、0歳児が43%。つまり、ママにとって「産後」の時期に多く起こっているのです。

そして「産後うつ」が急増する背景として、核家族のため赤ちゃんとママが2人きりで過ごす時間が増えていること、出産年齢の高齢化で両親からの支援を得にくくなっていること、また地域関係の希薄化などが関連しています。

つまりママが、産後大切にサポートされず、孤独で、支援を得にくくなり、社会的に孤立していることが、「産後うつ」の急増につながってしまっているのではないでしょうか?

産後のママに優しい社会を目指し「3・3・産後プロジェクト」始動!

そんな産後ママの現状を知り、家族や企業で何ができるかを考えて、社会全体が産後に優しくなるように…と、「産後3ヵ月まで、ママをしっかりサポート!3・3産後プロジェクト」が立ち上がりました。

安全に産める国=育てやすい国ではない。産後家族をサポートする「3・3・産後プロジェクト」とは?の画像2

「3・3産後プロジェクト」のキックオフミーティングには、専門職や関係者が多く集まり、産後ママの現状や産後家族のサポートについての話し合いがなされました。そして「赤ちゃんに優しい家族5か条」「赤ちゃんに優しい企業5か条」が決定しました。

「赤ちゃんに優しい家族5か条」

「赤ちゃんに優しい家族5か条」とは、どんなものでしょうか。

1.産後の女性のカラダについて知識を深めます
2.赤ちゃんがいる生活をイメージし、父親の育休取得を含め、産後3カ月のサポート計画を、祖父母を含めた家族で立てます
3.妊娠中に産後ケアや子育て支援情報の収集・見学をし、産後、家族の手では足りない場合は、外部サービスを利用します
4.妊娠中から早起きを心がけ、朝ご飯を家族で食べます
5.妊娠中から夫婦・家族で近所を散歩し、産後1カ月健診でOKがでたら赤ちゃんも一緒に再開します


産後の女性の体はボロボロで、ホルモンバランスも大きく変化します。「妊娠・出産は病気じゃない」とはいうものの、産後は胎盤がはがれた場所からの出血が続いているので、重症患者と同じ状態になっています。

さらには授乳による睡眠不足が続き、悩み・不安・ストレスがたまると、「産後うつ」「産後クライシス」「離婚」「乳幼児虐待」…と、負のサイクルに陥ってしまうことも。まずは「産後の女性の体について、家族みんなに正しく知ってもらう」ことが大切、ということから決定したのが、この5か条です。

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出産・産後 産後の生活

この記事を書いた人

momotaro

埼玉県内の助産院院長。

助産師・看護師として、幸せな母乳育児をアドバイス。
母乳育児支援では「ママにとってのラクチン授乳」と「赤ちゃんの気持ち通訳」を...

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