関東の薄刃包丁は先が四角、関西は片方の角が丸みを帯びた円弧になっています。
また菜切り包丁の形も少し違っているようですよ。
詳しくは、以下をどうぞ!
食文化の違いがそれぞれ形の違う包丁を生み出した!
最近では外食やコンビニの弁当、スーパーの総菜があるから家で料理はつくらないという人が増えている。
ただ、それでもキッチンに包丁くらいは置いてあるだろう。
包丁は、どの家庭にもあるおなじみの調理器具なだけに、当然のように日本全国で同じものが使われているだろうと思いきや、意外にも関東と関西では形が違う。
例えば、野菜の調理に使われる薄刃は、関東では先が四角、関西では片方の角が丸みを帯びた円弧になっており、逆の角が鋭い切っ先になっている。
同じく野菜を切る菜切り包丁は、関東ではあご(刃元)や刃道が丸みを帯びており、関西ではあごが角張りで刃道は直線である。
このように、同じ名前の包丁でも、形は東西で微妙に異なっている。
その理由は東西の食文化の違いにある。
関西型の薄切り包丁は、刻む、剝くといった基本的な調理に加え、切っ先で飾り切りができる。
京都では野菜を多く使った繊細な京料理がつくられていたため、細かい細工にも使えるこの形が好まれた。
一方、関東では、繊細な細工に適した「むき包丁」という関東独特の包丁が使われる。
フグ刺しをつくるときに使うフグ引き包丁にも違いが見られる。
関東では「蛸引」と呼ばれ、刃が四角く薄いのが特徴。
関東ではフグ刺しは透けるほど薄い身が粋とされたため、切れ味が鋭く、薄く切れる刀身の薄い包丁になった。
これに対し、関西のフグ引き包丁は、先が日本刀のように鋭くとがり、刃が厚めである。
これは関西、特に食い倒れの街・大阪では、フグ刺しを薄く切るのは「せこい」と考えられたからとされる。
高級でおいしいフグだからこそ豪快に食べようと、厚く切った身が好まれたため、幅広で刀身も厚めの包丁がつくられた。
このように東西で異なる食文化が、形の違う包丁を生み出したのである。
出典:『関東と関西 ここまで違う! おもしろ雑学』(三笠書房/2019年刊行)
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