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わが家に並んだ3つのランドセル。それはまるで、3きょうだいの顔が並んでいるようで

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この夏、末っ子がランドセルを購入して3人分のランドセルが揃いました。
どのランドセルもとてもかわいいです。



長女のランドセルを買ったのはもう4年前。

飽きるほど背負ったランドセルだけれど、買うのはもちろん人生で初めて。

何をどのようにして買ったらいいのか皆目見当がつかなかった。


わが家に並んだ3つのランドセル。それはまるで、3きょうだいの顔が並んでいるようでの画像1
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保護者の中にはどういうわけか情報収集にたけた方というのがいらっしゃるもので、そういう方はたいてい行動力も抜群にあるらしい。

長女が年長さんの春ごろ、すでにいくらかの目星をつけていて、展示会へ行く予定をしているのだと話してくれた。

ランドセルを背負うのは次の桜が咲いてからだというのに、ようやく桜が散ったころからそんなことを考えていることに驚いた。

「サエさん、早くしないといいやつはすぐに売り切れちゃいますよ」

そうは言われても、その「いいやつ」が何を指すのか、まずそこからわからないのだ。

ランドセル界における「いいやつ」ってどんなやつ。


彼女が購入を考えているというランドセルメーカーの名前を帰宅してから調べて驚いた。

老舗カバンメーカーのこだわりと技術がぎゅっと詰め込まれた商品説明。

裏地ひとつ、留め具ひとつ、すべてに妥協を許さない職人の英知の集結がホームページに記されていた。

30年前、私が背負っていたランドセルは、てらてらと光るエナメルのような素材だった。

小さな田舎の町の、小さな商店で買った小さなランドセル。

6年間大切に使ったし、愛着もあったけれど、なんていうかそれは、ほんとうに普通の「ただのランドセル」だった。

ホームページで見たそれらは確かに「ただのランドセル」ではなく、まるでひとつの作品。

今やランドセルはこのように「見事なランドセル」になったのだな、と30年近い時を経てくらくらするような心地になった。


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なるほど「ラン活」なんて言うわけだよね、と合点がいった。

インターネットでなんだって買えてしまう時代だし、調べようと思えば情報はいくらでも入ってくる。

そして、現代のランドセルっていうのは神々しいような眩しさを放っている。

この中からこれというひとつを選ぶのだ、と使命感のようなものが襲ってきた。

もはや一大任務。


さて、あれこれHPを眺めてはカタログを請求する、を繰り返すこと数日。

カタログはどんどん増えていくのに、いったいどこの何を買えばいいのか相変わらず分からなかった。

それに色。

私が背負った赤色以外の眩しい色と色がカタログの中でひしめき合っていた。

どこのランドセルを買えばいいのかということに加えて、色もまた選択肢がこんなにあるとかもう。

情報過多の現代においてはランドセルの購入は山が高い。

ああ、ピカピカの一年生が途方もなく遠く思えてしまう。


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長女もまだ実感が湧かないのか、カタログを一緒に見ていても「早くランドセル買って!」と言うでもなければ「絶対にこの色!」と言うこともなかった。

彼女だって人生でランドセルを背負ったことがないし、そんなことより今目の前のダンゴムシやらきれいな石のほうが断然重要というふうだった。

親の私ですら、まだ幼稚園児の長女が来年にはランドセルを背負って小学校へ行くなんて想像できないのだし、仕方ないよね。

と思うと同時に、この小さな体がほんとうにランドセルを背負うんだろうか、とぼんやりした気持ちからなかなか抜け出せずにいた。


カタログをいくら眺めても訳が分からないし、長女にも今一つ実感らしきものがないし、意を決して現物を見に行くことにしたのが夏頃のこと。

こちらは田舎の地方都市なので、ほんの少し都会のほうへ足を延ばして、いくつかのお店を目当てに町へ繰り出した。

けれど、「これが現代のランドセルか」と見入る私をよそに、長女は面倒くさそうにちょこっとランドセルを背負ったら「もういい」と言ってキッズスペースへ引っ込んでいった。

6年間使う、そこそこ大きなお買い物だから、こちらとしては慎重にいきたいところ。

だって、こんな高額なお買い物は長らく私だってしていない。

質素に暮らす我が家ではほとんど財宝みたいなお値段だ。


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ハネ サエ.

成分のほとんどは3児のおかあさん。
おかあさん以外のときは取材をしたりエッセイを書いたりしています。

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