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公開 2015年03月30日  

小さく産まれた赤ちゃんのための「未熟児養育医療制度」

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成長が未熟な状態で生まれ、医師が入院治療が必要だと判断した場合に、医療費が助成される制度。対象となるケースや手続きについて見ていきます。


未熟児とは?

未熟児とは、誕生して生きていく上での体の機能が十分に成熟していない状態を言いますが、最近では、早産や体重の少ない赤ちゃんをまとめて未熟児という呼び方はしません。



具体的には

・妊娠37週未満で生まれた赤ちゃん:早産児

・2500g未満の体重で生まれた赤ちゃん:低出生体重児

・1500g未満の体重で生まれた赤ちゃん:極低出生体重児

・1000g未満の体重で生まれた赤ちゃん:超低出生体重児

と呼びます。



体重が2500gに満たず低出生体重児の範囲に入っても、正期産(妊娠37週以降の出産)に入っていたり、その時期から大きく早まらない時期に生まれた赤ちゃんは、体の機能もほぼできあがっており、あまり心配は大きくないといわれます。

色々な合併症(ある病気にかかっているとき、それが原因となって発症する別の病気)が起きやすくなるのが、2000gに満たない状態で生まれた赤ちゃん。近年は医療の発達により1000gに満たない赤ちゃんの救命率も上がっていますが、生まれた時に小さければ小さいほど体の機能は未熟なため、元気に成長するための医療や地域のきめ細かい支援が必要になります。

「未熟児養育医療制度」の助成対象となるケース

①「2000g未満で生まれた」

または

②「運動異常や低体温、強いチアノーゼなどの呼吸器、循環器系の異常、消化器系の異常、強い黄疸などが認められる」

赤ちゃんで、医師の判断で指定の医療機関で入院治療を受けることになったケースです。



②については、東京都の場合は、対象となる症状について

・けいれん、運動異常

・体温が摂氏34度以下

・強いチアノーゼなど呼吸器、循環器の異常

・くり返す嘔吐(おうと)など消化器の異常

・強い黄疸(おうだん)



と記していますが、各自治体によって具体的な内容の表記は異なります。



医療保険を適用して治療した場合の自己負担額が助成されますが、全額助成対象となる場合や一部自己負担が発生する場合、所得制限の規定なども自治体によって異なります。

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手続きに必要なものは

東京都の場合、必要な書類は

・養育医療給付申請書

・養育医療意見書

・世帯調書

・所得税額証明書等



該当するケースになった場合には、まずは役所の保健福祉担の課や保健センターに問い合わせ、書類の揃え方、申請の仕方についてアドバイスをもらいましょう。



流れとしては、

・役所への出生届の際に未熟児養育医療制度の利用申請希望を伝える。



・必要な書類をもらい、医療機関に記入してもらうものは医療機関に提出する。

というところからスタートしていきます。



小さな赤ちゃんが生まれた場合には、母親の入院も長引いたり、母親が先に退院して赤ちゃんのお見舞いや授乳に通うなど、手続き関連で役所に出向くことが難しいケースも多くなります。夫をはじめ身内が申請について理解し、問い合わせや申請作業をできるといいですね。手続きが遅れた場合は医療給付が受けられないことがありますので、注意しましょう。

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