私は子どもが大好きです。どのような年齢でも子どもはかわいいと思っていたし、すべての子どもがかわいく見えていました。先輩ママたちから「自分の子は格別だよ」とよく言われていたのですが、「そんなことはないだろう。みんな一緒くらいだよ」と思っていたのです。
だから、まさか自分が親バカになるなんて思ってもみませんでした。
息子を産んでからしばらくは、私も母親になったんだという何とも言い尽せない幸せな感覚と同時に、夜間の授乳で眠れないという子育ての大変さに向き合っていました。まさか自分が親バカになっているなんて、気づく余裕もありませんでした。
しかし、子育てのリズムにも慣れてきた頃、ちょうど息子の笑顔が「生理的微笑」から「社会的微笑」に変わってくる時期と重なりました。そこで私はだんだんと、息子のことを格別に可愛いと思っている自分に気づきはじめたのです。
そもそも息子は、生理的微笑の時は私があやさなくても笑っているし、その笑顔が面白くて夫婦で笑いあうくらいだったのです。それがだんだん社会的微笑をするようになってくると、私が笑うと息子が笑い返してくれたり、私があやすことで息子も笑ってくれるのです。そして、そんな息子の姿がとてもかわいく思えたのです。
私は、どんどんいろいろなことを試したくなりました。「息子はどんなモノを好むのか?」「バウンサーに乗せると機嫌が悪いな。」「おお!これを渡したら興味を示したぞ!」などと、子どもの行動に対して面白いと感じ始めました。
息子が成長していく度に、反応のバリエーションが増えていくのがたまらなく面白いのです。そして、何かができるようになるたびに、この子すごい!!天才だ!!と思っていました。何かができるようになると、他の子よりも早い!と思ったり、この子は成長が早いんじゃないの?と思ったり…。今思うと、完全に親バカ度満点な考え方をしていました。
親バカ度にさらに拍車をかけたのが、旦那がFacebookなどに投稿する我が子の記事でした。そこにお友だちから様々なコメントをもらい、それを見てニヤニヤしている自分に気づきます。別に褒められているわけではないのに、自分が褒められているような、とてもうれしい気持ちになったのです。
ここで私はやっと気づきます。自分が本当に親バカだということに。