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揉めたらチャンス!育児や家事を“誰が担うべき問題”と向き合おう

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こんにちは、マドレボニータの吉田紫磨子です。前回の記事「「保育料」と「自分の給料」を天秤にかけるのはナンセンス!保育園は、何のためにある?」への反響がとても大きかったので、引き続き「お金」についての問題をとりあげます。今回はずばり「夫婦のパートナーシップとお金」についてです。

事例:パートタイマーのAさんの場合

「この家の家計を支えているのは俺。そもそも家事や育児に支障を来さない範囲で働くから、って言って働き始めたはず。どこまでこっちの領域を浸食するつもり?」


出産までは夫と同じ会社で正社員総合職で働いていたAさん。

結婚直後に夫が転勤、その後妊娠が発覚。悩んだ挙げ句、夫と一緒に暮らすために退職して専業主婦になりました。

「子どもが小さいうちは家にいて、家事や育児をきちんとやりたい」、当初はそう思っていたそうです。しかし子どもが1歳を迎える前に、家で子どもと2人きりで過ごすことが多い毎日に閉塞感を覚えます。

「このままでは私もこの子もダメになる」

Aさんは夫に相談し、子どもを保育所に預けてパートタイムで働き始めます。最初は週3、1日5時間程度だった勤務時間は、仕事を任されるにつれ徐々に長くなりました。

すると当然、家事や育児にしわ寄せがいきます。夫のワイシャツにアイロンをかけられない、掃除ができない、料理が手抜きになる…。そして夫に家事を頼んだ時に返って来たのが、冒頭の台詞です。

確かにAさんの収入は年間100万円に満たないほど。主に家計を支えているのは夫です。Aさんは、「もっと夫と一緒に家事や育児をしたい」と願う一方で「私の方が稼ぎが少ないのだから、家事や育児は私がやらなきゃいけないのに、全然できていない」と悩んでもいました。

さて、ここで質問です。

「稼ぎが少ない(ない)方が、家事育児を(より多く)担うべき」なのでしょうか。

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家のことは女性の仕事、という刷り込み

言うまでもなく、この「家事や育児は誰がやるべきなのか問題」の根底には、「外で働くのは男性、家事や育児は女性のもの」という刷り込みがあります。

女性の社会進出が進んだ現代でさえ、協力的な夫もどこかで「働いている上に、なんで育児や家事までこんなにやんなきゃいけないの?」と思っているのでは、と不安になったり、夫と同じくらい忙しく働いていても「私が働いていることで家事や子どもの世話までさせてしまい申し訳ない」と引け目を感じたりする女性は多いのではないかと思います。

冒頭で紹介したAさんは夫から、「外での仕事と家での仕事の役割分担をしたはずだ。自分の役割をしっかり果たしてほしい」とも言われたそうです。

「役割分担」と言われると納得しそうになってしまいますが、ちょっと待ってください。

育児や家事のコスト、考えてみたことありますか?

育児や家事は、有料サービスで賄おうとすると相当な対価を求められます。
参考までに、妻が行っている育児・家事をアウトソーシングするとしたらどれくらいのコストがかかるのか、一度試算してみてはどうでしょうか。合計すると夫のかせぎをはみ出る可能性もあります。その現実を知ると、少し仕事を分け合うくらいでちょうどいいということが分かるはず。

もう一つ、金額だけ見ていると見落としがちなことがあります。幼い子を常に気にかけて過ごす緊張感、責任の大きさは計り知れません。それも計上したら…もうキリがないですよね。

ここでは一旦、稼ぎの多い少ないうんぬんは横に置いて「自分たちはどういう生活を送りたいか」を軸に夫婦で話し合ってみることをご提案したいです。

どちらかの負担が増えるとか、お金がかかるとか、マイナス面だけで捉えるのではなく、ぜひ、夫婦2人で力を出し合って家庭を運営していく、その結果得られるものの大きさ、豊かさで考えてみてください。家庭に貢献する充実感、満足感、ここが自分のホームであるという安心感、お互いへの思いやりや感謝の気持ち、愛情、お金で買えないこれらのものを、2人で協力し合うことで分かち合っていくのです。

働き方を見直して、平日の帰宅をもう少し早めることはできないか、工夫してみる。
多少コストがかかっても、家事の手間を他人に委ねる方法を考えてみる。

できない、無理、と最初から決めつけないで、それで家族の笑顔が増えることを想像してみてください。どうすればもっと家族が仲良く快適に暮らせるか、という視点で考えてみたら、よい解決策が見つかりそうだと思いませんか?

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また子どもが1人の時は、どちらかの我慢と努力で何とかなったとしても、子どもが2人になると育児と家事の量は圧倒的に増えます。それまでと同じやり方で仕事も育児も家事もこなすは至難の業です。これは決して妻が楽をしたくて夫に押し付けようとしているわけではなく、もう限界、アップアップしているので、夫に助けてほしい、もっと関わってほしいという、悲痛なSOSなのです。

産後に直面する、こういった夫婦のパートナーシップにおける永遠のテーマには、残念ながら特効薬はありません。とにかく地道に、夫婦2人で思いを言葉にして、お互いの納得感を確認しながら、すり合わせていくしかないのです。

2人で望んで授かった新しい命。家族が増えた今こそ、この先どうやって生きていきたいのか、改めて子育て、家事、仕事、人生について思いをすり合わせていくための絶好の機会です。

どういう答えを出すかはそれぞれ家庭によって違うはず。どれが正解ということもありません。

2人でアイデアを出しながら、2人の正解を創造していくのです。この生活レベルや収入をキープすること、あるいはキャリアアップしていくことだけが最も優先されるべきことなのか。いまいちど自分たちの人生の優先順位を見直すことも有効です。

子どもが小さい間の10年、少しペースダウンしてでも、家族に関わる時間を増やす、夕食を家族揃って一緒に食べるという選択はないだろうか。その経験が、長い目でみたらキャリアにもプラスになることもあるかもしれない。ぜひとも夫婦で腹を割って話してみてください。

家族の収入口が1本というリスク

そうはいっても、「会社では毎日頭を下げ、足を棒にして仕事しているのに、家にいるときぐらいのんびりさせてくれ。」男性側がそう言いたくなる気持ちもよく分かります。

妻が働いているがために家事や育児を手伝わねばならない(!)なら、夫である自分がガムシャラに働いてたくさん稼いで出世した方が効率が良いという意見もあるかもしれませんね。

しかし、その妻が突然倒れて入院してしまったらどうなるのでしょうか。そのリスクヘッジはできていますか。

また、終身雇用があやうい昨今。仮に生涯働けるところに就職したとしても、心身ともに健康でいられるかどうかは分かりません。男性が体を壊すことだって、メンタルをやられることだって、決して他人事ではありません。日本は年間3万人が自殺する国。しかもその7割は男性です。夫が転職を考える時に、妻が働いていたらどれだけ心強いか…と思いませんか?

ちなみに、妻が働いていない期間が長くなるほど再就職が困難になることは、前回の記事で述べた通りです。

今は2015年!そろそろ仕事や家事や育児の前に男女の差はない、という考えにシフトしていってもいいのではないでしょうか。

Aさん夫妻のその後

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この記事を書いた人

NPO法人マドレボニータ

マドレボニータとはスペイン語で「美しい母」の意。「美しい母がふえれば、世界はもっとよくなる」をキャッチフレーズに「子育ての導入期」という最も不安定な時期にある女...

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