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公開 2015年09月01日  

【読み聞かせ】弟のいるお兄ちゃんにおすすめ♪お兄ちゃんの苦悩を描いたおすすめ絵本2冊

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お兄ちゃんにとって弟の存在はうれしくもあり、うとましくもあり。可愛い、けれど憎らしい。瞬間で切り替わる複雑な気持ちにどう折り合いをつけましょうか…?親子で読みたい絵本を2冊ご案内します。


弟に翻弄されるお兄ちゃんの気持ちは…

下の子が生まれる上の子の気持ちに寄り添う絵本を、これまでいくつかご案内してきました。

今回は生まれた弟が少し成長し、その傍若無人ぶりに翻弄される兄の気持ちを表現した絵本をご紹介します。弟の存在はうれしい、けれどちょっとうとましい。いずれはいちばん近くにいる遊び相手になるわけですが、成長するまでしばらく待たねばなりません。それまでが大変なんです…男の子兄弟のママもきっと参考になりますよ。

兄の叫びに込められた心情は…『おとうとなんかイヌならな!』

なかなか刺激的なタイトルです。このひとことにお兄ちゃんのどんな心情が込められているのでしょうか…?



弟のアンディはハイハイをして何にでも興味津々なお年頃。お兄ちゃんはおもちゃを積み上げてもうすこしで完成!というところでバラバラにされてしまい、思わず叫びます。「おまえなんかイヌならよかったんだ!」ここからお兄ちゃんの妄想がスタート。



イヌならもっともっとかわいがってやる。番犬として家を守っているあいだ、ぼくはママと出かけちゃう。いろんなこと教えてやる。イヌ小屋を作ってやる。家族で旅行するときは、イヌのホテルにいられる。イヌのコンテストにも出してやる。きっと一等だぞ。そしたら誰かが欲しがって連れて行ってくれる。連れて行ってくれたあとは静かになって… 



お兄ちゃんの考えは残酷なようで可愛がっているようで、気持ちは揺れ動いています。最後にお兄ちゃんの言うことがなんともおもしろい。「おまえを よそに やるのは よそうかな。ほら、おまえは ぼくの イヌなんだから、ぼくがかわいがってやるよ、まるで…」



…このつづきはぜひ本でご覧ください。

怪獣のような弟をどうしよう。お母さんからの提案は…『おとうと』

(現在品切れ中です。図書館などで探してみてください。)



この絵本に登場する弟は2歳くらいでしょうか。赤ちゃんの頃はベビーベッドに寝てお兄ちゃんからミルクを飲ませてもらっていたのに、成長したらまるで小さな怪獣みたい!



障子には穴、お兄ちゃんに馬乗りになって意気揚々と遊んでいる弟が手にしているのは、あれ?こわれたおもちゃの一部分?べそをかいているお兄ちゃんに、お母さんはやさしく話しかけます。「たいせつな おもちゃを こわしてしまうような おとうとは、おしいれに とじこめちゃおうか?」



お兄ちゃんは答えます。「だめだめ、おしいれなんてとびだして、かけていっちゃうよ」

おかあさんは別の提案をします。ひもでぐるぐるまきにしちゃう、おいけにほうりこんじゃう、リボンをつけて、妹にしちゃう…



お兄ちゃんは、きっと弟はこうしちゃうと先を見越して想像し「だめだめ」というんです。これってお兄ちゃんにしかできない想像ですね。話しているうちに、弱っていたお兄ちゃんの表情が明るくなっていきます。「じゃあ、どうすればいいのかな?」というお母さんの問いかけに答えるお兄ちゃんが、とっても素敵です。

お兄ちゃんの気持ちに変化が起きる時は…

自分のやりたいことを邪魔されたり、台無しにされたら、怒るし悲しくもなる。それは子どもに限らずおとなだって同じですよね。お兄ちゃんに向かってくる小さな弟に悪気はない。一緒に遊びたい、自分もやってみたい。そんな無邪気さしかありません。だからなおさら厄介なのですが…。



怒りや悲しみがおさまらないお兄ちゃんの気持ちを、ママはどうしたらいいのでしょう?まずは受け止めてあげられるといいですよね。わが家は男の子3人兄弟で、小さい頃からけんかが絶えず、わたしはその仲裁に飽き飽きしていますが、そんな中でひとつだけ、決めていることがあります。



それは「お兄ちゃんなんだから」は禁句、ということ。弟に何かを譲ってあげたほうがいい場合も、その理由が「お兄ちゃんだから」というのでは、上の子にとってはあまりに理不尽です。同じ譲るにしても「○○(弟の名前)が欲しがっているから」というほうが、なんとか納得できるように思うのです。



絵本『おとうと』でわかるように、お兄ちゃんの気持ちはお母さんとの会話でずいぶん変わるもの。

けんかばかりしていると「もういいかげんにして!」と叫びたくなるところですが、うまく折り合いがつくよう働きかけられたらいいですよね。そんなとき、絵本を参考にしてみてはいかがでしょうか?

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