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公開 2015年08月07日  

パニックを起こした子どもに!我が家のおまじないの言葉「うまくいかなかったら○○すればいいの♪」

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子どもってパニックを起こしてしまう時がありますよね。みなさんは、自分の心を落ち着かせる言葉、拠り所となるような言葉ってありますか?大人だけでなく、まだ言葉を話せない子どもに対しても、安心を与える言葉の力って、あると思うんです。我が家の自閉症の長男とイヤイヤ期の次男にぴったりだったおまじないの言葉をご紹介します。


目次
失敗を怖いと感じる子ども達
食事のたびに、大パニック!!
つい言ってしまっていた、「あっ!」という言葉
旦那の声かけ、我が家のおまじない誕生の瞬間
次男にも波及!おまじない効果

みなさんのお子さんは、どんなときにパニックを起こしますか?私の長男4歳(自閉症スペクトラム)は、少し前まで、食事の時間が本当にたいへんでした。



長男は手のひらに敏感さがあったのか、手づかみ食べをほとんどしませんでした。長男が1歳半くらいのとき、保健センターの育児講座に参加しました。そこで、「いくら汚してもいいので、手づかみ食べを思う存分やらせることが、発達に良い」と聞きました。



それで、食卓の下に「さあ、どうぞ!いくらでもやって!」と言わんばかりに、敷物を敷き、手づかみ食べしやすい形態の食べ物を用意しました。けれど、長男が自分から手づかみで食べたものは、食パンとかホットケーキとか、手がベタベタしないような限られたものだけでした。

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長男が2歳になって、ようやくぽつぽつと単語が出て来たかな?という頃。たいして手づかみ食べはしないまま、スプーンやフォークを使うようになりました。



でも、まだまだ使い始めたばかり。手先、指先の発達も、定型発達のお子さんに比べると、やや遅れがあったように感じます。(発達障害の子どもは、手先に不器用さがある場合も多いのです)当然、そんなに上手に食具を使いこなせるはずもなく。スプーンですくった物がこぼれたり、床に落ちてしまったりすることも多かったのです。

失敗を怖いと感じる子ども達

発達障害の子どもは、失敗が苦手なことが多いです。



「『いつもと同じ』が安心する」という特性を持つお子さんも多く、「失敗=予想外のハプニング」という認識なのかもしれません。また、「上手くやりたい」という思いに反して、「失敗してしまった」というショックが大きいということもあるでしょう。



これは、程度の差はあっても、定型発達のお子さんにも同じ部分があるのかな、と思います。

食事のたびに、大パニック!!

さて、「食具を上手く使えず、食べこぼす」という失敗をしてしまった時、長男はどのような行動をとったでしょうか。それはこの2つです。

①食具を床にたたきつける。

②パニックを起こし、床に頭を打ち付ける。



①くらいなら、まだしも、②になると、ちょっと尋常じゃない感じですよね。これは「自傷行為」と言われる行動です。定型発達のお子さんでも、見られる場合もあると思います。



この頃の長男は、まだまだ、自分の思いを他者に上手く伝えることもできず、「上手くできなかった」というストレスを表現する手段も、他に持っていなかったんですね。

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つい言ってしまっていた、「あっ!」という言葉

長男が食べ物をこぼしたとき。初めの頃、私はついつい、「あっ!(こぼれた!)」と言ってしまっていました。非難の気持ちがあったわけではないのですが、ついくせで、「あっ」と言ってしまったんですね。そうすると、敏感な長男は、それを聞きつけてますます頭をガンガンやるわけです。



「なんでそんなことぐらいで、そんな風になっちゃうんだろう。」と思って、悲しいような、腹立たしいような気持ちでした。そして、長男に「やめて!」「別におこってないのに…。」といった言葉をかけていました。けれど、そういった言葉がけは、長男にはかえって逆効果だったのです。

旦那の声かけ、我が家のおまじない誕生の瞬間

ところが、旦那の対応は違っていました。長男が大パニックになっている横で、「こぼしちゃったら、拭けばいいの♪」と言って、食べこぼしを拭いてあげていました。投げつけた食具は、「落としちゃったら、拾えばいいの♪」と言って、拾ってあげていました。それも淡々と。



それを見て私も、「そうか。そうやって安心させてあげればいいのか。」と気がついたのです。

少しずつ、変化してきた長男。

長男は食事以外のときでも、何かを不意に落としたり、思った結果にならなかったりしたときに、同様のパニックを起こしていました。



その時にも、「落としちゃったら、拾えばいいの。」「うまくいかなかったら、◯◯すればいいの。」と、その都度同じように、淡々と、声がけするようにしました。そういう言葉がけをしたからといって、すぐに長男がパニックを起こさなくなった訳ではありません。でも、少しずつ、少しずつ、その頻度は減って行きました。



そして、長男が3歳半を過ぎた頃。ある日、ふと「あれ、今食べこぼした物、普通に拾ってたな。」と長男が自分でこぼしたものを拾っていることに気が付きました。おまじないのようにかけて来た、言葉とともに。



本当に少しずつですが、長男は、自分の中で折り合いをつけること、失敗してしまったときの対処法を、身につけてきたんだな、と思いました。長男の成長をうれしく思いました。

次男にも波及!おまじない効果

現在、次男は2歳を前にして、イヤイヤ期まっただ中。当時の長男と同じように、飲み物や食べ物をこぼしまくっています。(長男は失敗を恐れて慎重だった分、次男の方が頻度は断然多いです・・・)



最初のうちは、「しまった!」という顔で、半泣きになることもあった次男。そんな次男にも、我が家の「おまじない」効果が現れてきました。長男のときと同じように、次男にも自然とおまじないの声かけをしていた我が家。すると次男も、いつの間にか「こぼしちゃったら、拭けばいいの!」とつぶやくようになりました。おまじないで自分の気持ちを立て直し、自分でふきんを取って来て拭くこともあるくらいです。

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おまじないの言葉を見つけよう!

私達から見ると、そんなこと!って思うくらいのことでも、子どもは小さい胸いっぱいに、悩み、悲しみ、どうしていいのかわからなくなっているのかもしれません。



そんなお子さんにぴったり来る、おまじないの言葉、みなさんもぜひ見つけてみてくださいね。ちなみに、しょっちゅうお皿を割ったり、忘れ物したりと、失敗だらけの私。私のおまじないの言葉は、「大丈夫大丈夫!死ぬわけじゃないし!」です(笑)

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