佐藤、鈴木は関東に多い名字。では関西に多い名字代表は?のタイトル画像
公開 2023年03月02日  

佐藤、鈴木は関東に多い名字。では関西に多い名字代表は?(2ページ目)

68,959 View


田中です!

比較的温暖な関西では、稲作が盛んに行われていたことが関係しているようです。

そのほかの名字や由来など、詳しくは以下をご覧ください。


佐藤さんや田中さん、よくある名字も関東関西では異なっている!


佐藤、鈴木、高橋、田中、伊藤、渡辺、山本……。

29万以上あるといわれる日本人の名字ランキングの上位には、おなじみの名字がずらりと並ぶ。

そして、そうした名字の分布を調べると意外な事実が明らかになる。

関東に多い名字、関西に多い名字があるのだ。

例えば、佐藤は関東に多く、関西ではあまり多くない。

その理由は、佐藤は奥州藤原氏を代表とする東国の藤原氏に由来する名字だからだ。

東国の藤原氏は下野国(栃木県)佐野庄の領主だったため、地名から「佐」の1字を取り、それに藤原の「藤」をつけて「佐藤」と名乗った。

その流れをくんだ人々が佐藤を名乗ったため、関東および東北地方に佐藤を名字にする人が多いと考えられている。

鈴木も関東に多い。

紀伊半島にある熊野地域の神官の穂積氏が、稲穂を積んだ穂積の中心に立てる1本の棒を意味する「すすき」を名乗った。

これが鈴木という名字の始まりで、中世以降、熊野神社の分社を祀るようになった人たちが鈴木を名乗ったため、東海や関東に広がっていったのである。

一方、関西に多い名字の代表が田中だ。

田中とは、文字通り「田んぼの真ん中」という意味。

新たな村ができたとき、その真ん中に住んだ有力者が名乗り始め、やがて周辺の農民にも広がった。

関西は比較的温暖なこともあり、稲作が盛んに行われていた。

それが、田中姓が多い理由だといわれている。

ほかに関西に多い名字としては、上田や吉田が挙げられる。

上田の由来は「よい田」。

最初は質のよい田を持つことのできた豪農が使っていたが、時代が下ると周辺の農民も名乗るようになった。

吉田は、田中や上田と違って田には関係がない。

京都の吉田神社の信者が名乗り始めた名字だといわれている。

こうして見ると、関東では武士の流れをくむ名字が、関西では農民の流れをくむ名字が多いといえそうだ。


出典:『関東と関西 ここまで違う! おもしろ雑学』(三笠書房/2019年刊行)

Share!

関連情報