「今でこそ長男は8歳、次男は7歳になってずいぶん子育ても手が離れてきましたが、最初はやはり大変でした。次男が生まれてすぐに離婚をしたので、もう子どもたちが1歳~2歳のころは、私の両親なしに育てるのは厳しかったです」
そう続けるのは、普段は会社員として働きながら、シングルマザーとして二人の男の子を育てるタカヘイモトコさん。
「1年前から、両親と離れて東京で息子と三人で暮らしているものの、それまではずっと両親と一緒に暮らしていました。子どもたちにとっても、両親は親同然の存在です」
[第3回]人生、楽しんだもの勝ち!シングルマザーだからこそ、周囲を巻き込んだ子育てを
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様々な家族のあり方をお伝えする連載企画「家族のなか、みせちゃいます!」今回は、会社員でありファッションブロガー、アクセサリークリエイターとしても活躍されているタカヘイモトコさんにお話を伺いました。小学生の男の子二人を持つシングルマザーとしての子育てと仕事との両立・・・その壮絶さもさることながら、吹き飛ばすほどのバイタリティ。タカヘイさんの生き方に迫ります。
次男が生まれてすぐに離婚をした
周囲の人を巻き込みながら”持ちつ持たれつ”な子育て
「ここまで子どもたちが大きくなれたのは、両親だけでなく、いろんな人と助け合いながら生活をすることができたからです。友人や職場の同僚がめちゃくちゃ助けてくれるんです。
私が出張の時には、子どもたちをお願いするため自分の家に泊まっていってもらうなどしています。基本的に自分の家を開放して、関わりある人たちを積極的に家に呼んでいますね」
そこまで距離の近い関係性を友人だけでなく同僚とも築くことができているのは、なぜなのでしょうか。
「次男出産後の育休中に離婚をしたので、会社に復職した時にはすでにシングルマザーでした。周囲からは『大丈夫か、この人』って思われていましたね。でもその分、同僚たちからは理解と応援があって、最近では『婚活しろ』と言われ、合コンに誘ってくれたりします(笑)私が合コンに参加している時は、同僚が子どもたちを見てくれるんです。すごい関係ですよね(笑)
また、ご近所にも働いているお母さんが多いので、その子どもたちをよく家に呼んで、夕飯を食べて行ってもらったりしています。逆に私が仕事で早く帰れない時は、学童で私の子どもと一緒に帰ってきてもらったり。本当に”持ちつ持たれつ”の関係ですね。」
同僚やママ友たちと一緒に、助け合いながら子育てをされているというタカヘイさん。素晴らしいですね。しかし、最初からそうできていたわけではなかったそうです。
「もちろん、はじめからそんな関係性を築けていたわけではありません。
自分一人だけでは子育ても仕事の両立も難しいと感じてから、まずは自分から家を開放して、いろんな子たちを一緒に面倒見てあげるようにしてみたんです。そして今度は自分が忙しい時に、『預かって』と頼んでみると、『全然いいよ!』という流れになって・・・・それからは自然と、近所の家族と助け合いの関係を築くことができています」
なるほど、まずは自分から、という精神が大切なんですね。自分が困っている人を助けるから、自分が困ったときに頼れる相手ができる、そういった良い循環ができているのでしょう。
とはいっても、都会ど真ん中でそういった関係性を築くことが難しいと感じる方の方が多い気がしますよね。
「都会で、しかも見ず知らずの土地に引っ越してみて、初めはとても不安でした。でもやっぱり子育ては一人でするものではないので、みんなで一緒にやっていく方が楽しいじゃないですか。そういう思いでご近所の方とも接していると、自然と良い信頼関係が生まれていったんです。都心だけれど、子育てをしにくいと思ったことは一度もありません。
子どもを産んでから社会との関わり方も変わったけれど、特に、離婚してからの方がもっと変わりました。
例えばバスを待っている時に知らないおばさんと話している中で、パパの会話になり、『シングルなんです』と言うと、とりあえずこのパンを持って帰りなさい!って言われてパンをもらったり(笑)
ある時は、子どもが駅に着くやいなや『トイレに行きたい』と言い出したけれど、土地勘のある駅じゃなかったのでどうしようとなっていたら、近くにいたおじさんがトイレを案内してくれたり。
そういう世界があるなんて、子どもができるまで知らなかったんですよね。
だからこそ、社会との関わり方を自分から変えていかなきゃならないと思ったんです。他の人が困っていたら助けるし、逆に自分が困っていたらお願いしてみる。まずは自分が裸になってみて、さらけ出して、常に自分から、というマインドを持って生活しています」
仕事と子育ての両立―やりがいを求めて、ママでも評価される職種に
一家の大黒柱として、仕事との両立はどうされているのでしょうか。仕事に対する考え方を伺いました。
「現在はゲーム会社に勤務し、事業開発部でコンサルタントとして働いています。もともとは美大を出てデザイナーとして入社しました。
子どもを出産後、デザイナーとして復職したのですが、デザインは物量で評価される仕事で、時間の制約のある自分には成果が出せなくなってしまったんです。1時間辺りの効率が高かったとしても、残業ができる他の社員に比べたら勝てないんです。当たり前ですよね。
自分がシングルなのもあって、お給料は絶対に上げないといけないので、いかにして短時間でも成果の出せる仕事につくかを考えました。そこで事業開発の部署に自ら手を挙げて、入れてもらったんです」
長時間働けない社員が、時間に左右されず成果を出しやすい仕事につけるかどうか、というのは大きなポイントですよね。この辺りは企業の評価制度も変わっていって欲しいところですが、タカヘイさんは現在の仕事のスタンスについてこう語ります。
「コンサルタントの今の仕事は評価されていると感じています。ただ、成果の出せる仕事につく、というここまでの道のりは長かったなと感じますね。今の部署に異動したのは復職してから4年、そこから現在まで更に4年働いていますから。
職場の人間関係はとても良好で、同僚を招いて家で打ち合わせをしたりしますよ。私はみんなの分のご飯を作って、食べて帰ってもらったり。取引先との打ち上げも私の家でやったことがあります(笑)。私自身があまり夜の外出ができないので、行けないなら呼んでしまおう、というスタンスです」
さらにプライベートでも積極的に活動
仕事もされながら、さらにプライベートではファッションブロガーとしても活躍されているタカヘイさん。きっかけは何だったのでしょうか。
「離婚した直後に、”稼ぐ”という点で危機感を覚えたんです。突出した何かを持っていないと長期的に子どもを食べさせていけないなと。
そこで美大を出た経験を活かし、絵を描いて売ろう!と思い出版社に持ち込んでみたりもしましたが、門前払い。今思えば当然ですが、世の中そんなに甘くはないですよね(笑)
そのため、まずは自分の力でできること、と考えて、Facebookで発信をしてみたんです。
自分で描いた絵を上げたり、ファッションスナップを上げてみたり。当時ファッションブロガーはたくさんいたのですが、ソーシャルメディアを使っている人が少なかったので、ソーシャルメディアを使ってみようと思いました。多い時は14サービスを同時で使いわけながら発信していました」
14サービス・・・!すごい数ですね。こういった地道な努力が実を結び、今の活動につながっているとのことです。
「通勤時間が長かったので、その時間にコツコツやっていたら、Googleさんに見つけてもらったんです。そしてGoogle+のオフィシャルユーザーになってから、雑誌社から声がかかるなどして活動の幅が一気に広がりました」
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