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「跳び箱、逆上がり、三点倒立ができたら卒園だよ」に込められた、バディスポーツ幼児園の思いとは

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市民マラソンランナーの川内優輝選手や、プロサッカー選手の武藤嘉紀選手などを輩出したことでも有名なバディスポーツ幼児園。スポーツを通した教育を行う幼児園の教育方針を取材しました。

(取材・文 たかなしまき)

自我が育つ2歳頃から6歳ころまでは、将来に必要な基礎能力をつくる大切な時期。理想は、周りの大人や子どもたちと関わりながら、その子の発達にあった得意や個性がのびのび育つこと。



そんな幼少期の発育において、スポーツ面からアプローチするのがバディスポーツ幼児園。



市民マラソンランナーの川内優輝選手、プロサッカー選手の武藤嘉紀選手などのアスリートを始め、各界で活躍する人材を輩出しています。



代表の鈴木威先生に、独自のスポーツ教育とその効果について伺いました。

なぜ、スポーツ教育なのか?

「跳び箱、逆上がり、三点倒立ができたら卒園だよ」に込められた、バディスポーツ幼児園の思いとはの画像1

創設から約35年のバディスポーツ幼児園ですが、なぜこれまで幼少期のスポーツ教育にこだわってきたのでしょうか。



「大きな理由は、スポーツは目標設定や結果などがとても分かりやすいから。自分は上手にできているか、もっと頑張らなければならないのかを視覚的に認識することができます。



自分はどこまでベストを尽くせるか、限界はどこか、子どもたち自身が考えながら挑戦し、あきらめずに一つひとつの壁を乗り越えようとする。同園では、そうした経験を多く積むことが大切だと思っています」



その経験を豊かな成長につなげるために、肝心なのは、成長ポイントを見逃さず、大人がマンツーマンで教えることだそう。



「例えば、子どものころ、初めて自転車に乗れた時、大人が側で乗り方のポイントを教えてくれませんでしたか? 



同様に、最初のきっかけとなるところで、大人がマンツーマンで寄り添い、教えてあげれば、たいていのことはできるようになります。



その達成感から、『自分はやればできる』という自信を子どもたちは身に付けていくんです」

「逆上がり、跳び箱、三点倒立ができたら卒園だよ」の意味

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同園で最も特徴的なのは、スポーツの良さを活かした独自のプログラム。子どもたちは毎朝、園内にある120mのフットサル場を約30周走るほか、年齢に応じたマット運動、サッカー、走り幅飛びなど本格的なメニューをこなします。



「毎朝のランニングでは、走ることを習慣化することで、体力、精神力、それに足腰が鍛えられます。ここで培われたものは、将来、スポーツ界を目指す子どもたちだけでなく、すべての子どもたちにとって、大人になってから強い自信になると実感しています」



特に力を入れているのが、「逆上がり」「跳び箱」「三点倒立」の3種目。毎春、入園してきたばかりの年少児たちに、「この3つができないと卒園できないよ」と、鈴木先生が激励をするのが恒例の光景です。



一見、3歳の子どもたちに無理を言っているように聞こえるかもしれません。



でも、そこから練習を積むことで、これまで卒園児の100%が、この3種目を達成してから卒園できているとのこと。それを伝えると3歳児でも、「みんなができるなら、自分も頑張ればできるようになるかも」と一人ひとりの意識が高まるそうです。



「集団生活において、一人だけが何かをできるようになっても意味はないと考えています。子どもたちが全員、共通の目標を達成して卒園できることを大事にしたい。



逆上がりや三点倒立、跳び箱ができるまでの過程では、できる子はできない子を応援し、やり方を教える姿が見られるようになってきます。その際、できる子には友だちへの思いやりが生まれ、できなかった子は、できるようになることで自信と感謝の気持ちが大きく育つ。



大人になって通じる社会性や能力を、子どもたちは自然と吸収しています」

スポーツの真髄は仲間との結束

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跳び箱飛びについて、鈴木先生には思い出深いシーンがあるそうです。年長クラスの児童が卒園する時に、最後の跳び箱をした時のこと。一人の園児だけが、最後までどうしても飛べずにいました。20回チャレンジしても飛ぶことができない。



「私はその子に近寄って、『おまじないをかけてあげる。もし飛べなかったら、おまじないが効かなかっただけだから』と話しました。



その後、その子に背を向けて体育館の後ろの方へ下がろうと歩いていた時、背中越しに歓声が聞こえたんです。



『できたー!』と。



その子が飛んでいたんです。



肝心の飛ぶ姿を私は見ることができませんでしたが(笑)、その子のあきらめない気持ちとその達成を心から喜ぶ友だちの姿がとても印象に残っています」



こうした日々のスポーツ教育の他にも、キャンプやスケート、水泳などの野外活動も充実。遠足は、山中湖一周、または富士山の登山では子どもの足で7合目まで登るなど、そのハードさは大人顔負け。



「富士山の登山では、たいてい保護者は早い段階でギブアップします。でも子どもたちはちゃんと登りきる。友だちと一緒に登るから頑張れるのだそうです」



みんながいるからできる。この安心感、さらに達成感から得た自信は、大人になってからも、子どもたちの心身を支える糧となります。



さらに、仲間や周りの人たちとの関係性を築く土台ともなる社会的マナーに関しては、「特に丁寧に指導をします」と、鈴木先生。



「『おはようございます』や『さようなら』の挨拶、廊下を走らない、相手の話を静かに聴くなどは、能力ではなく習慣ですよね。こういったことについては丁寧に教えることで、誰でもできるようになること。将来、社会的マナーが自然と守れる大人になってほしいと考えています」

正解は一つではない

「スポーツを通して身につけられる力として、体力や忍耐力、仲間を思いやる力などの他、考える力、ひらめく力、選択する力、集中力など様々なな効果が期待されています」



「サッカーで言えば、ゴールが最終目標ですよね。でもそこに至るためには、ドリブルがあり、パスがあり、そのタイミングも自分で考える必要があります。



そして何より、それを誰かに教えられるだけでなく、失敗や成功を通して自ら学べるような環境を徹底してつくってきました。



失敗の中に成功体験があり、その中にその子ならではの正解がある。それは個性や得意なことなど、将来の生きる力を伸ばすためのしっかりとした基盤をつくることにつながります」

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[Conobie編集部]

Conobie編集部連載では、「個性がのびる、子どもがのびる」をテーマに、スタッフが厳選したコラム・情報をお伝えいたします。それぞれの家族が、「我が家はどうする...

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