5歳の息子はとにかくママが大好き!
私がしゃがんだ時など、顔が近づいたチャンスを狙ってほっぺにチュー。
自転車の後部座席で、私の背中をつんつんとつつきながら、「あのねー、ぼくが好きなのはこの子!」(親を“この子”呼ばわりかい!)
寝る時には、私の手を握って「ママのおててが大好物~」と上機嫌。
今までは、男の子ママの醍醐味とばかりに、思う存分このようなラブラブモードを楽しんでいました。
しかし、来年はもう1年生。
そろそろ、親離れに向けて準備を始めたほうがいいのかな、という気がしてきました。
そこで私は、2つの作戦を実行することにしたのです。
将来の自立のために、やはり“家事力”は欠かせません!
ママと仲良しなのは嬉しいけれど、ぜ~んぶママにやってもらいたい!となってしまっては困ります。
そこで、洗濯物干しで、靴下やハンカチなどの小物を干すのは息子の係に。
ご飯の前にはテーブルを拭いてもらう。
…などなど。
時間のある時には、夕飯後のお皿洗いもお願いしました。
着替えなど、自分のことはかなりできるようになってきたので、お手伝いがレベルアップしていくことで、ママがいなくてもできる!という自信をつけてほしかったのです。
もう一つの作戦が、「いずれ自立するんだよ」「親元を離れるんだよ」というのを、やんわりと伝えていくこと。
ずっと親元にいるのが悪いとは思いませんが、「一度は親元を離れて生活してみなさい」というのが、私と夫の考えです。
また、地方在住のため、家を出ることに抵抗感がないほうが、進学や就職の選択肢が広がるだろうという事情もありました。
たとえば、テレビで海外の場面が流れると、「こんな国に留学するのもいいね!」と言ってみたり、絵本に素敵な家が出てきたら、「将来は、どんな家に住むのかなぁ」と話してみたり。
息子にはまだピンときていないようですが、「ふーん」という顔をして聞いていました。
そして、2つの作戦を実行していると、こんな出来事がありました。
寝かしつけをしながら、息子と家の間取りについて話していた時のことです。
「この和室は、今はママと一緒に寝てるけど、そのうち、子ども部屋にしようか。息子くんがおうちから出て行ったら、その後は~」
私としては、ただの会話のつもりでした。
しかし、これを聞いた息子、一瞬で顔色が変わります。
「ぼく、おうちから出て行くの!?」
目をまん丸にしてこっちを見ている!
じわじわと涙が浮かんできている!!
この反応に、私は大慌て!!
「もっとずっと先の話だよ」
「いつでも帰ってきていいんだよ」
「パパも、ばぁばと離れて暮らしているけど仲良しでしょう」
慌ててフォローしたけど、ぐすぐすと泣き出す息子…。
どうやら、「おうちから出て行く」という言葉がキツすぎて、ショックを受けてしまったようです。
自分の言葉に大反省…。
その日は、ギュッと抱きしめて眠りました。
大人からすれば5年や10年なんてあっという間だけど、子どもは、今日や明日のことで頭がいっぱい。
焦らず、もっと“今”を大事に過ごしてもよかったのかもしれません。
よく考えてみれば、将来家を出て行くのは、やりたいことをするためのプロセスであって、それ自体が目的ではないのだと気づきました。
「将来何になる?」
「どんな大人になりたい?」
「どこに行ってみたい?」
将来のことを話すにしても、こういうポジティブな声かけをしよう、と反省したのでした。
そんなわけで、作戦2は一旦中止。
もうしばらく、息子とのラブラブモードを楽しもうと思います。