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公開 2016年08月30日  

タイプを知るともっと楽になる!授乳にまつわる赤ちゃん5つのタイプ

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授乳にまつわる赤ちゃんの5つのタイプと、それぞれタイプに応じたよくあるトラブルとその対策についてお伝えします。
(イラスト:かよポンさん)


目次 赤ちゃんにも「個性」がある
授乳にまつわる赤ちゃん5つのタイプ
タイプ①すっぽんさん
タイプ②せっかちさん
タイプ③省エネさん
タイプ④こだわりやさん
タイプ⑤のんびりやさん
困った時に相談できる専門家を見つけよう!

赤ちゃんにも「個性」がある

「なかなかおっぱいが飲めなくて」と悩んでいるママや、「おっぱいうまくあげられるかな」と不安に思う妊婦さんの声はたくさん聞きます。そんな風に悩んだ時期もあったなあと思うママも、たくさんいることと思います。

これまでたくさんのママに看護師として授乳のアドバイスをしてきましたが、授乳は十人十色で、何年やっても難しい援助の一つでした。

授乳に関して悩まれるママたちは、だいたいご自分のことを責めているのですが、実は赤ちゃんにもタイプや個性があります。

ママ側の要因ではなく、赤ちゃん側の要因を知っておくことも、スムーズに授乳を行うヒントになりますよ。

授乳にまつわる赤ちゃん5つのタイプ

あなたの赤ちゃんはどのタイプでしょう?

早速、見ていきましょう。

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なかには2つのタイプの中間の子もいるので、2つ以上当てはまるということもあると思います。

次に、赤ちゃんのタイプごとによくあるトラブル・対応をご紹介していきます!

タイプ①すっぽんさん

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▼すっぽんさんタイプに起こりやすいトラブル

・ママが乳頭を痛めることがある。

すっぽんタイプというだけあって、おっぱいにしっかり吸い付けて、なかなか離さないので、乳首が切れちゃった!なんてこともよく耳にします。

▼すっぽんタイプへの対応

・しっかり深く痛くないところまで乳頭を含ませる。(乳輪が全部赤ちゃんの口の中に入るくらい)

・張りが強くて滑って浅くなってしまうときは、前搾乳をして、乳頭の張りを軽減させてから含ませる。

・ある程度飲み終わり、おしゃぶり代わりにしているときは、赤ちゃんの口の中に指を入れてしっかり圧抜きしてからおっぱいを離す。

この3つに気をつけながら試してみてくださいね!

タイプ②せっかちさん

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▼せっかちさんタイプのトラブル

・火がついたように結構激しく泣くので、飲ませられない。

・なかなか飲めないので、ますます怒ってしまう

泣き声でママも焦ってしまったり、ごめんねって気持ちになったりすることもあるのではないでしょうか。

▼せっかちさんタイプへの対応

せっかちさんタイプの攻略法は「泣きだす一歩手前で始める先手必勝!」「泣いたらとにかく一旦落ち着かせてから」です。

ある程度授乳間隔を予想して、泣く前に飲ませるのが一番効果的です。
『目覚めているけれど泣いていない』というのが授乳の本来ベストなタイミングのため、そろそろ起きそうというタイミングでオムツを替えてあげると、泣きだす前にスムーズにあげられます。

泣いてしまっている場合は、ゆらゆらしたりトントンしたりして、まずは泣き止ませることが大切です。

ぶんぶん首を振るのはイヤイヤしてるのではなく、マイポジションを探しているだけなので、ママはおっぱいを支えて赤ちゃん自身にくわえてもらうとうまくいくことが多いですよ。

タイプ③省エネさん

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▼省エネさんタイプのトラブル

・脱水にならないか、栄養が足りているのか心配になる。

・飲みとる量が少ないことで乳腺炎になる可能性が出てきたり、母乳の分泌にも影響するのでは?と不安になりやすい。

時が来ればきちんと飲めるようになることがほとんどなのですが、おっぱいを飲まないのでとにかく心配が強くなりがちです。

▼省エネさんタイプへの対応

省エネさん攻略法は、「赤ちゃんの飲みたい欲求を肌の触れ合いで刺激する!」「おっぱいのケアをして準備OKにしておく」ということです。

すぐに吸い付けなかったり、すぐに眠ってしまった時も、焦らずにそのまま肌と肌の触れあう時間をとるとよいでしょう。

ただし、新生児期は長くとも4時間を目安に、起きない場合は、おむつ交換などをして起こして授乳をしましょう。
生後数日経つと、突然目覚めたように飲めることも多々あります。

1回の授乳時間が長すぎると疲れが残っておきられないということもありますので、なかなか起きない、飲めない場合は専門家に相談するとよいと思います。

タイプ④こだわりやさん

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▼こだわりやさんタイプのトラブル

・こだわりやさんタイプとわかるまで、飲める時、飲めない時の差も激しいので、ママは戸惑うことも多い。

・決まった方向や角度でしか飲まないことも多いので、特定の場所だけ母乳が残りしこりができやすい。

こだわりやさんタイプは、こだわりやさんタイプだと気付くまで、ママはあの手この手とやり方を模索して悩まれる方も多いです。

▼こだわりやさんタイプへの対応

こだわりやさん攻略法は「赤ちゃんのこだわりポイントを楽しみながら探っていく!」ことです。

無理におっぱいを飲ませようとすると怒ってしまうこともあるので、赤ちゃんが遊んでいる時は、遊ばせてあげることが大切です。
ポジションや角度に、こだわりのある場合は、入院中サポートが受けられるうちにいろんな抱き方を教わっておくとよいでしょう

タイプ⑤のんびりやさん

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▼のんびりやさんタイプのトラブル

・ほとんど飲まないうちに眠ってしまうので、足りているのか心配になる。

・なかなか体重が増えない

・飲ませるとすぐ眠るが、起きるのも早く、授乳間隔がないのでママがなかなか休めない。

のんびりやさんは省エネさんとも似ていたり、こだわりさんの要素もあったりすることもあります。

▼のんびりやさんタイプへの対応

のんびりやさん攻略法は「ママものんびりゆったり気長に行こう!」「ママの休息とおっぱいのケアをしておこう!」です。

授乳している間は、家事などお手伝いしてもらえるようにしたり、別室で赤ちゃんと二人で授乳できる場所を用意するなど授乳に集中できる環境づくりも効果的です。

少量頻回のタイプの赤ちゃん場合は、飲み終わった後に、後絞りして次のタイミングに飲ませたり、前搾乳をして射入しやすい状況を作っておくことで、飲みやすく体重増加も期待できるようになります。

頻回授乳でママが休めないときは、後絞りした搾乳を次のタイミングで他の人に飲ませてもらうなど、ママの休息をとることもとても重要です。

困った時に相談できる専門家を見つけよう!

いかがでしたでしょうか?

ご紹介した対策はほんの一部です。
なぜかというと、冒頭でもお話ししましたが授乳を成立させる要素は他にもたくさんあるからです。

うまく授乳ができないことは、決して珍しいことでもなければ、恥ずべきことでもありません。

困ったときは出産した産院、母乳外来のある病院や、訪問でケアしてくださる方など、ママが信頼できる専門家に相談してみてくださいね。

※今回ご紹介した赤ちゃんのタイプについての調査は、もともとは1953年にアメリカで調査されたものですが、日本でも1500人近くの赤ちゃんに調査し約95%の赤ちゃんが5つのパターンに該当しています。
 記事中のタイプ名は、より分かりやすいよう直訳ではなく、アレンジをしています。

今回の記事は、コノビーでも連載中のかよポンさんにイラスト提供をいただきました!

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