2人目を妊娠したママの悩み!妊娠中に上の子に授乳を続けてもいいの?のタイトル画像
公開 2015年07月21日  

2人目を妊娠したママの悩み!妊娠中に上の子に授乳を続けてもいいの?

3,560 View

妊娠したら断乳を!と言われていた時代から、妊娠中も授乳、産まれてからは兄弟でおっぱいの取り合いをする、という時代に変わってきています。今回は、助産師である私が、おっぱいの分泌に欠かせないオキシトシンと、子宮にあるオキシトシン受容体についてお話します。

出典:https://www.flickr.com/photo.gne?id=5651004189

なぜ、妊娠したら断乳と言われていたのでしょうか

妊娠中の授乳について気になっている方は、すでにご出産の経験がある方でしょう。ということは、出産後の授乳の時に、子宮が縮んでいく「後陣痛」を経験されていることと思います。おっぱいを吸うと、子宮が縮む、おっぱいと子宮はつながっている、ということを経験としてご存知なのだと思います。



ですから、妊娠中に授乳を続けるということは、切迫早産になりやすい、ということにつながりますし、もしかしたら産婦人科の医師にも、授乳をやめましょうねと言われているかもしれませんね。他にも、妊娠中に乳首のお手入れをすることで、おなかが張る場合はやめてくださいと言われることもあるでしょう。

突然の断乳、母にとって、子にとっての影響は?

次子の妊娠を望んでいて、準備をされたご妊娠の場合、少しずつ授乳についてもどうしようかと準備をされていたかもしれませんね。また、上のお子さんの年齢にもよることでしょう。頻回の授乳からの断乳は、母の乳房にとっても負担になります。お子さんによっては、妊娠に気付いて甘えてくる子もいます。その時に安心できるおっぱいがないと、不安が募ることでしょう。



妊娠したからといって、大きく生活が変わるわけではありません。また、変えなければならないわけでもありません。いつもの生活の延長上に妊娠があり、妊娠もまた生活の一部なのです。

妊娠中も授乳を

ということで、妊娠に気付いた時に授乳をされていた場合、そのまま継続していただいて構いません。最初に切迫早産のお話をしたのに…ですか?そうなんです。一番の心配は切迫早産です。ここで大切なこと。おっぱいと子宮がつながっているのは、出産が近づいた臨月頃から、子宮が元のサイズに戻るくらいまでの時期に限られたものなのです。



その時期には、オキシトシンというホルモンに反応するように、子宮にあるオキシトシン受容体のスイッチが入ります。おっぱいを吸うことで、オキシトシンが分泌され、子宮のスイッチに反応します。これは、ほんの限られた期間だけのことだということが、最近わかってきたことです。人間の身体ってすごいですよね。



ですが、稀に、その時期でなくても乳房への刺激でおなかが張るという感覚がある方もいらっしゃいます。また、妊娠中の影響で、授乳を苦痛に感じたり、吸われることを痛みとして感じる方もいらっしゃいます。赤ちゃんの方でも、母乳の味が変化することで、離れてしまう場合あります。



母児双方の感じ方によって、授乳の回数が減ったり、卒乳してしまうことも、ないわけではありません。それもまた、自然なことです。

納得のいく授乳ライフを

授乳・おっぱい・母乳、それらは、母にとっても赤ちゃんにとってもかけがえのないものです。大変なこともあるかもしれない、やめたいと思うこともあるかもしれない、でもやめてしまった場合に再開することはとても難しいものです。



人生60年あるうちの、母乳を飲んでいる時期は長くても4~5年、母乳を与えている時期はお子さんの数にもよりますが10年にも満たないでしょう。その時期にしか感じられないこと、大切な時間です。やめることを選択肢として提示されたり、ご自分で考えられたりしたときには、今一度本当にそれでいいのか考えて決断されてくださいね。

Share!