まず、ベビーマッサージについてご説明します。
ベビーマッサージは、大人が赤ちゃんに行うオイルマッサージのことです。
ベビーマッサージはもともとフランスの産科医が1970年代にインドから欧米に伝えたものです。
インドの出産方法や育児方法を調査する中で、子どもを健やかに育てる鍵として注目されました。
その後は欧米の学者により研究されて、様々なメソッドが生まれ広まってきました。
現在もベビーマッサージは良好な母子関係と家族関係を作る鍵と考えられています。
ベビーマッサージは赤ちゃんの体に直接触れながら優しくマッサージすることで親子の絆を深めることができる他、体調を整える効果もあり、赤ちゃんの心身の発達にも良い影響を与えると言われています。
また、赤ちゃんがリラックスするだけでなく、マッサージをする側の心と体を癒す効果もあるそうです。
「ベビーマッサージは本当に良いことばかりなの?」と心配になる方もいるかと思います。
ここでは、ベビーマッサージのメリットはもちろん、デメリットもしっかり解説していきます。
まずはメリットから。
ベビーマッサージをする最大のメリットはやはり、赤ちゃんとママがリラックスすることができること
です。
赤ちゃんの体に直接触れることで、言葉だけではないスキンシップでのコミュニケーションをとることができます。
スキンシップを通してお互いに安心感を得ることができ、愛し愛されていることを実感できるはずです。
ベビーマッサージによる適度な圧力は赤ちゃんの筋肉の発達を促します。
それにより、栄養を吸収しやすくなったり、ぐっすり眠れることで成長ホルモンが分泌されたりと、精神的な安らぎだけでなく身体的にも良い影響を与えると言われています。
ベビーマッサージをすることにより、より赤ちゃんの体に触れる機会が増え、赤ちゃんの体調の変化にも気づきやすくなると言われています。
中には赤ちゃんの心の変化も敏感に感じ取ることができるようになる人もいるそうです。
赤ちゃんと積極的にスキンシップをとることが赤ちゃんとの絆を深めるきっかけになり、結果として子育てへの自信にもつながるかもしれません。
メリットが多いとされるベビーマッサージですが、やはりデメリットもあります。
大人でも化粧水が合わないと肌トラブルを起こしてしまいますが、赤ちゃんの肌は大人の肌よりもずっと敏感です。
ベビーマッサージの刺激が肌荒れや怪我につながる可能性があるという点がデメリットとして考えられます。
また、ベビーマッサージで使うオイルに含まれる成分でアレルギー反応を起こさないとも限りません。
ベビーマッサージでは血行を良くして赤ちゃんの体を温めることができます。
しかし、ベビーマッサージを行う部屋の室温が低かったり、オイルを使わずにベビーマッサージをしたりした場合には、体温がすぐに逃げてしまいます。
その結果、赤ちゃんの体が冷えて風邪をひいてしまうこともあります。
ベビーマッサージは基本的に生後間もない赤ちゃんから可能です。
力は入れずにゆったりと撫でるようにマッサージをするようにしましょう。
もし裸にしてベビーマッサージするのを赤ちゃんが嫌がる場合は、慣れるまで服の上から撫でてあげるのも良いでしょう。
わらべうたなどを歌いながら、楽しい雰囲気で服の上からのベビーマッサージに慣れてきたら、オイルを使ってのマッサージに挑戦してみてください。
一般的には1ヶ月検診が終わった頃に始めることが多いようです。
また、赤ちゃんの方は生後3ヶ月頃から筋肉が発達してくるので、そのタイミングで程良い圧をかけながらベビーマッサージをしてあげると効果的と言われています。
ベビーマッサージをいつまで続けるかについては、明確な決まりはありません。
しかし、赤ちゃんの体が発達してきてハイハイや寝返りをできるようになると、マッサージの間に逃げ出してしまうことが増えてくるでしょう。
赤ちゃんを無理矢理じっとさせてまで行うものではないので、赤ちゃんが動いて逃げるようになったら終わりのサインかもしれません。
逆に赤ちゃんが嫌がらなければ、ベビーマッサージはいつまでも続けて構いません。
昼寝や夜の寝る前などに大切な親子の時間として続けていくのもオススメです。
それでは、ベビーマッサージのやり方を順番に解説していきます。
1.軽く足のストレッチをします
2.手にオイルをつけて太ももから足先まで、優しく外側へしぼるように回るように滑らせます
1.オイルを手につけた状態で肩から腕をゆっくりマッサージします
2.手のひらは包み込むようにマッサージをして優しく握ってあげましょう
1.オイルを手につけた状態で、両手で胸から肩にかけて外回りでハートを描くようにマッサージします
2.お腹は片手でおへその周りを時計回りにクルクルとマッサージしましょう
1.オイルを手につけた状態で、赤ちゃんを腹ばいにして仙骨(腰とお尻の間にある三角の骨)部分を中心に、片手でやさしく円を描くようにマッサージしましょう
2.おしり、足の裏側、太ももの裏、ふくらはぎをゆっくりマッサージして、最後に足を伸ばして撫で下ろします
1.オイルを手につけた状態で、肩から肩甲骨の周り、背中、腰を両手で撫で下ろすようにマッサージします
2.手を丸めて力を加えずにトントンと早いテンポで上から下に軽く叩いていきます
3.全部のマッサージが終わったら、頭から肩、腕、お腹、足までゆっくり上から下に撫でるようにマッサージしましょう
ベビーマッサージを行う際は、次のようなことに気をつけましょう。
ベビーマッサージは授乳後や食後すぐは控えるようにしましょう。
また、必ず赤ちゃんの機嫌が良い時に行い、途中で嫌がったら無理をさせずにすぐやめるようにしてください。
赤ちゃんの機嫌が悪い時だけでなく、体調が悪い時や予防接種後24時間は控えるようにしましょう。
ベビーマッサージをしている途中でも、赤ちゃんの様子がいつもと違うように感じた場合も中止してください。
いざベビーマッサージを始めたら、毎日の日課にしたいと考える方もいるかもしれませんが、ベビーマッサージは毎日行わなければならないものではありません。
本来の目的は、赤ちゃんとお世話する大人がリラックスしてスキンシップを楽しむことです。
そのことを忘れないようにしましょう。
もし、ベビーマッサージのやり方を本格的に学びたい場合は、産院や自治体が開催しているベビーマッサージ教室に行ってみるのもオススメです。
ベビーマッサージ教室をしている産院で出産したママであれば格安で受けられたり、ワンコイン(500円)程度でベビーマッサージ教室を開催している自治体もあるようです。
また、ベビーマッサージのイラスト付きの本もたくさん出版されているので、自分がわかりやすいと思う本を一冊買ってみるのも良いでしょう。
ベビーオイルなどの商品にもイラスト付きで説明がのっているものもあります。
さらに「もっとベビーマッサージを極めたい!」という場合は、ベビーマッサージのインストラクター講座などもあります。
自分の目標に合わせて選んでみてください。
ベビーマッサージを通してたくさんスキンシップを取ることで、赤ちゃんは安心して、大人も癒しの効果を得られるはずです。
マッサージをしながらうたを歌ったり、たくさん話しかけたりすると、より絆が深まるでしょう。
ぜひ、赤ちゃんと楽しみながらベビーマッサージに挑戦してみてください。