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公開 2020年02月15日  

普段はお地蔵さまそっくりなのに…なんだこのかわいい生き物は!<第三回投稿コンテスト NO.126>

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ある日、旦那さんに息子さんを預け、少しだけ仮眠をとったという、うめむーさん。2時間半の睡眠の後に再会した息子は、今まで感じたことがないほどに、かわいく思えたそうです。



2017年の秋に第一子の男の子を出産しました。

息子が生後3週間くらいの時のお話しです。

旦那ちゃんの実家は新幹線とフェリーの距離、私の方は比較的近いけれど、母が早くに亡くなり実家には弟がいるだけ、の状態だったので、里帰り出産という選択肢はありませんでした。

頼れる実母はいませんが、出産に向けては父や、近所に住む叔母も助けてくれましたし、義父母も遠方ながら色々気遣ってくれました。

産まれてきた息子はたくさんの人に祝福されて、そのことがとにかく嬉しくて。

さぁ、いよいよ3人(と犬1匹)の生活が始まったぞ‼

と新米ママの私も張り切っていました。


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そんなとある休日の朝、

「とりあえず次の授乳まで頑張るから、ちょっと寝といでよ」

と旦那ちゃんにありがたい提案をされて、ひとり寝室に向かいました。

出産してからというもの、場合によっては30分、1時間おきの授乳で24時間体制の育児。

泣き声を気にせずに眠る、という前まで当たり前だったことが既に懐かしく、でも息子のミルクの匂いがしないことがちょっと淋しいなぁ…

なんて考えたか考えないかのうちにスコンと眠りに落ち、旦那ちゃんの

「おっぱいちょうだいな~…」

というげっそりした声と、息子のふにゃふにゃした泣き声で目が覚めたのは2時間半後のこと。

「ごめん、3時間は頑張りたかったんだけど…」

そう言う旦那ちゃんから、半分寝ぼけながら受け取った息子を見た時に、今も忘れられないくらいの衝撃が走りました。


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なんだ、このちっちゃくて儚げな、かわいいかわいい生き物は…‼‼

自分でも戸惑うほどに、もうかわいい以外の感情が出てこない。

かわいさで震えた経験は、後にも先にもこの時だけです。

お地蔵さまにそっくりな息子、決して美形ではないのですが、控えめに言っても後光が差して見えました。

とんでもないものを産んでしまった、と本気で思うほどの破壊力のある、かつて経験したことのない「かわいい」がそこにあったのです。

ちゃんと愛情を持って日々息子と接していたはずですが、今思えば慣れない育児で寝不足で、赤ちゃんの命を守ることに必死で…

心身共に余裕を持って、我が子を見つめたことがなかったのかもしれません。

たった2時間半の睡眠で、当時の私には見ている世界ががらりと変わってしまったように思えました。


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その儚げだった息子も、今では2歳になりました。

身長がぐんぐん伸びて、泣き声も野太くなり、いつの間にか赤ちゃんではなくなりました。

イヤイヤ攻撃に辟易することも、イライラして叱ってしまうことももちろんあります。

それでも。

あれ以来、朝目が覚めて息子を見る度に、昨日よりかわいい、昨日より大好き!

と自信を持って言えるようになりました。

早いタイミングでその感情に気付けたことは、私の育児生活を大きく変えたと思います。

あの日、2時間半の睡眠の後の再会は、私と息子にとって第2のはじめましての時でした。


(ライター:うめむー)


※ この記事は2024年04月23日に再公開された記事です。

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