その日は突然でした。
初産だから予定日より遅れるだろうなー、と実家でのんきに過ごしていたのですが……。
予定日前日の朝、いつも通りお手洗いへ(妊娠後期は頻尿ぎみで、毎朝お手洗いに起きていました)。
これが6時くらいです。
もうひと眠り、と布団に入ったところで鈍い痛みに気が付きました。
前駆陣痛かな?
一応、時間間隔はかっておくかぁ。
と軽い気持ちでタイマーをつけたところ……。
規則的に、しかも5分間隔!?
夫にラインで実況中継していたのですが、慌てて電話が来て、
「お父さんとお母さん起こして!病院に連絡!うだうだ言ってないですぐ!」
と急かされました。
本当に陣痛なのかなぁ、と悩みながら両親の部屋に行き、声をかけました。
「お父さん、お母さん、朝早くにごめんねー。なんかお腹痛……ちょっと待って?何か出た?」
どうやら破水もしたみたいです。
焦りながら病院に連絡し、すぐさま向かうこととなりました。
痛みは次第に強くなっていて、病院に着いた頃はなんとか歩ける、といった状態でした。
確認してもらうと、子宮口も3cmくらい。
助産師さんから、「今日産まれると思います。まだ朝の8時半なので、個人差はありますが夕方以降ですかねぇ……」と説明がありました。
なぜか、夕方までかからないだろうなぁ、多分お昼くらいに産まれる、と思った私。
病室に案内され、両親と夫とでお産が進むのを待つことになりました。
すでにめちゃくちゃ痛くて、心が折れそうでした…。
少しして、医師の診察・内診を受けたのですが、
「子宮口7cmくらいだねー。もう分娩室行こうか」
とお声がかかりました。
やっぱり進み早い!もうすぐ産まれる!!と喜ぶ私。
とにかく痛くて痛くて、早く終わらせたかった…。
これが朝9時くらいでした。
分娩室では夫に立ち会ってもらいました。
いきみ逃しのふーっを一緒にやってくれ、体位変換でクッションを動かしてくれ、水を飲ませてくれ、腰をさすってくれ、とてもかいがいしくお世話をしてくれました。
その頃は痛みが来るたび、叫び、わめき、取り乱しまくりだった私。
一人じゃなくて良かった。
夫の手を潰さんばかりに握りしめていました。
やっと
「次からいきんでねー」
と言われたのがすごく嬉しくて。
やっと産める…やっと痛いの終わる…と、ほっとしたのもつかの間。
何回いきんでも出てこない!!
なぜか3回くらいいきめば産まれると思ってたんですよね……。
なかなか産まれず、もう心が折れる寸前でした。
声にもならない声で「あと何回で終わるかなぁ……」と呟いたのを覚えています。
(横で夫が苦笑いしていたような気がします)
それでも容赦なくやってくる痛み。
陣痛が来るのが怖くて、絶望を感じましたが……。
腹をくくるしかない!!産まれないと終わらない!!
ない力を振り絞って、渾身の力をこめて、いきみ続けました。
もう無我夢中。
「頭が見えてますよ。もう少し!」
と声がかかってからも長かった。
まだ?まだ?と思いながら、その時も突然でした。
「もう力入れなくていいですよ」と急に言われ、私はパニック。
力を入れない?この痛みと力はどうしたらいいの??
わけがわからず、ガタガタ震える体。
夫いわく「完全にヤバい人だった」そうです……。
すると、「産まれましたよ」と声がかかりました。
え?と足元を見ると、ぐしゃぐしゃで小さな赤ん坊が。
昼の12時9分。
きっと昼頃に産まれる、と私の予想通り、元気な女の子が産まれました。
夫と2人で「うわぁぁぁぁ!!」と叫んだあの瞬間、私は一生忘れません。