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「子どものため」に頑張りすぎていた私が、取り戻した"大切なもの"<後編>

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「当たり前のようにその変化を受け入れていたけど、自分のことを考えたり、自分のために時間を使うことが一切なくなっていたんだという事実に、ここでハッと気が付きました。」(文中より)

皆川 円(みなかわ まどか)さんは、昨年コノビーが開催した、「コノビーサロン」に参加してくださった一人。

前編では、会話のできない相手と向き合い続ける、終わりの見えない日々の中で、「息子を可愛いと思えなかった」と、産後の思いを、丁寧に語ってくださいました。

そんな彼女は今、「自分の子育てにちょっと自信が持てるようになった」と、すっと力の抜けた表情で言います。

何が円さんに、その変化を生んだのか。

さらに、お話を伺いました。


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産後3・4ヶ月を過ぎて、息子の首が座って、ようやく片手くらいは自分の思い通りに身体を動かせるようになって。

それで少しずつ気持ちも落ち着いてきたはずなんだけど、なんか「もやもや」しているものが、ずっとあったんです。


私の存在って、なんだ?


ちょうどその頃、たまたまFacebookでコノビーサロンの申し込み募集を見かけて。

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当時の「コノビーサロン募集」の投稿


記事を読んで、「これだ!」と。

もうそのまますぐ、申し込みました。



ー企画した側がいうものあれですけど…このテーマ、結構ハードル高いかなぁって。


全然。

むしろ、藁をも掴むくらいの気持ちで申し込みしました。


ーどういうことでしょう?


その頃、少しずつ外にも目を向けようと思って、地元のベビーマッサージにも通っていたんです。

でも、「お子さん何ヶ月ですか?」「最近、うちの子が…」って、子どもの話ばかりする周りのお母さんたちと全然馴染めなくて。

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みんなべビマが終わったらさっさと帰っちゃうし…

もちろん息子にとっても、良いと思ったから参加したんですけど、「私の存在って、なんだ?」と思ってしまいました。

自分はどうしたいのか、どうあっていいのか。

そんなことを考えていたこともあって、「わたしに、スポットをあてる」というサロンの言葉に、ピンときたんだと思います。


母になって、見失っていたもの

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コノビーサロンで話をする円さん


―サロンは実際、どうでした?


すごいインパクトだった。

スッキリ感というか、暗いところから引き出してくれた感じがありましたね。

特に、自分の好きなものとか好きなことを書きだす「自己紹介のプログラム」が、本当に大きな衝撃で。

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「自己紹介のプログラム」で実際に使用したシート



―自分のプロフィールを書く、ということがそんなに衝撃だった?


うん、だって子どもが生まれてから、こんなに自分のことや好きなことについて、考えることなかったですもん。

好きな仕事から離れて、自分のために雑誌や本も読まなくなって。

スマホで検索するのは、子育てのことばかり

イライラしちゃうから、テレビも見なくなったし、聞く音楽も自分の好きな音楽から童謡に変わった。

当たり前のようにその変化を受け入れていたけど、自分のことを考えたり、自分のために時間を使うことが一切なくなっていたんだという事実に、ここでハッと気が付きましたね。


―確かに、自分のために使う時間がなくなるって言いますもんね。


だから最初、なかなか好きなことが思いつかなくて…。

実際、シートを全部埋めることができませんでした。

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円さんの「自己紹介シート」。確かに、空欄が目立つ


でも、自分の好きなことについて考えるの、すっごく楽しくかったんです。

だからサロンが終わってからも、家で続けてみました。


―家でも続けてくれてたんですか!


やってました。

好きなこととか好きなものを思いついたら、その都度シートに書き足すようにして。

そうすると、自分の中から「好きなこと」がどんどん溢れるようになってきて、そのぶん自分の中を埋め尽くしていた「息子」や「子育て」のことが減っていったんです。


―自分の中の割合が、変わったんですね。


はい、そうすると、私の気持ちも楽になる。

その私の変化が息子にも伝わるみたいで、彼まで笑う回数が増えていったんです。

で、息子が笑うとまた、私の気持ちも楽になって、楽しい気持ちも増えていくんですよね。


「好き」が生み出した意外な変化

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ーその変化は、パートナーシップにも影響しましたか?


したと思います。

今までは、夫のことを「こうして欲しい、こうしてくれない、どうしたらやってくれるだろう」って、私の視点でしか考えられていなかったんです。

でも、好きなことを考える中で、自分が働いていた頃のことを思い出すようになってから、「あぁ、今会社って忙しい時期だから、夫も余裕なさそうなのかも」とか、彼の視点でも考えられるようになった


ーそういう風に考えられると、円さんの気持ちも楽になりそうですね。


夫は元々、あくまでも子育ては“手伝う”というスタンスで、おむつ替えも微妙、抱っこするのも怖いって感じの人で。

だから私の中で「ひとりで子育てしている」という気持ちが強くなっていったんだと思うんですけど。

でも唯一、息子をあやすのは本当に上手でした。

息子も私と遊んでいる時よりも、ニコニコ笑って。

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楽しそうに遊ぶ、パパと息子のきーちゃん


自分の都合で、息子といっぱい関わったり、関わらなかったり選択する夫を見て、前はイライラしていました。

でも私自身が、自分の好きなことを考えるようになってから、「この人(夫)はもしかしたら、自分が好きなこととか楽しいことを息子と一緒にやっていただけなんじゃないか。それって、ずるくないか」って、思うようになって(笑)。

私もちょっと真似してみようと、子どもの曲じゃなくて、自分の好きな曲をかけて、息子と一緒に踊ってみたんです。

そうしたら、息子がとても楽しそうだったんですよ。

「そっか、私自身が楽しいと、無理にあやさなくても息子も笑うのか」って、目から鱗でしたね。


正解を“検索”するのではなく、「実験」する

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それから、自分の好きなものや好きなことを真ん中に置いて、それに育児がくっついてきたみたいな感じでやり始めてみたんです。

そしたらすっと肩の力が抜けて、「あれ、この間まで私、頑張りすぎていたかも」って。

思いきって、スマホや育児本で検索することもやめてみることにしました。


ーおぉ、思いきりましたね。やめてみて…どうでした?


全然問題なかった。

逆に、検索して正解を求めることで、より行き詰っていたんだなということに気がつきました。

そこからは、調べるかわりに実験するようになりました。


―面白いですね。


例えば、最近息子がよく動くようになって、着替えが大変になってきたんですけど、それでも寝る時間には間に合わせなくちゃって、結構無理に着替えさせようとしていました。

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円さんときーちゃん。この時期のお着替えが、特に大変だったそう


でも、そうしながらも、「あ、私今無理して頑張っちゃってる」って、意識的に自分の気持ちに目を向けるようになってからは、一旦手を止めて息子が騒いでいるところをジッと見るようになりました。

それで、気付いたことなんですけど。

彼、そういう時ってだいたい遊んでいるんですよね。

それならまず、私も一緒に遊んで、その延長で袖に手を通してみようとか、他のやり方も試したらどうかなって、そんな風に色々実験しています。

そうすることで、検索していた時よりも、私たちにあった方法を少しずつだけど見つけることができたし、お互いストレスなく、穏やかに過ごせるようになりました。

私たちは辛いより楽しい方がいいし、大変より楽な方がいい。

息子が、私が、今どうしたいかなって考えて動くようになりました。

そうしているうちに、ちょっとずつだけど自分の育児に自信も持てるようになってきたかな。


「自分」に戻ってくればいい

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私は、人と違うことで、周りにまで迷惑をかけてしまっていると感じていました。

でも今では違って当たり前なんだって思えます。

一人ひとりがこんなに違うのに、家族になるとそこに夫がいて、子どもがいて、場合によっては親もいたりする…

この組み合わせが重なり合ってさらに違いを生むのは、もう本当どうしようもないことなんじゃないかなって。


ーどうしようもないこと、ですか。


うん、本当にどうしようもない。

自分ではコントロールしきれないことだと思う。

だから最初から「こうしなくちゃいけない」と考えることを、手放すことにしたんです。


周りにあるどうしようもないことをどうにかしようとすることは諦めて、迷ったら「自分」に戻ってくればいい。

また息子が成長する中で悩みは出てくるだろうし、今だって100%幸せってわけではないけど…

でも私はこれからも自分の「好き」という軸を大切に生きていきたいと、今は思うんです。



(取材/文:三輪 ひかり )



前編は、こちらから読めます。

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この記事を書いた人
三輪 ひかり / コノビー編集部の画像
三輪 ひかり / コノビー編集部

保育士/エディター/ライター

日本で保育士として働いた後、
カナダバンクーバーでも保育士免許を取得し、
現地の保育園で働く。

2014年に帰国し...

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