「子どもの遊びを止めない」には、実は2つの意味があります。
ひとつは、子どもの遊びを「くだらない」と思って止めないで!ということ。子どもに対してよくやりがちなのが、子どもの遊びを止め、大人が遊びをすり替えてしまう行為です。
意外にも、子どもに慣れた人に多いのですが、外出時に、子どもがお店に置いてあったおしぼりをいじって、せっかく自分なりにおもしろさを味わっているのに、「ほら、こっちにおもちゃがあるわよ!」と、既製品のおもちゃを出して、「はい、どうぞ!」とおしぼりを取り上げてしまう。あるいは子どもがおしぼりに集中しているのに、注意をひくために、話しかけてしまう。
自分が一生懸命何かをしているときに、他人が突然入ってきて、ちがうことをすすめてきたら……?
誰だって不快になりますよね。遊びのすり替えはそれと同じ。
子どもは特に、一見何をしているのか理解しがたい動きも多く、大人は、それが実は大切な行為の最中だと気づかない。
無意識のうちに、子どもの「遊び」をすり替えていませんか
書籍「いい親よりも大切なこと~子どものために“しなくていいこと"こんなにあった!~」(著:小竹めぐみ・小笠原舞)より、全7回にわたり、「親子がもっとハッピーになれるヒント」をご紹介します。第4回目は、「子どもの遊び」について。
子どもの遊びをすり替えないで
夢中になっている「遊び」は、大きな「学び」。
どうか、「遊びとはこうしたもの」という思い込みを取っ払ってみてください。大人の都合や感覚で、遊びをすり替えるのは、子どもにとっては本当に悲しいことなのです。
ただし、遊びに使ってほしくないもので遊びだしてしまったときは、話は別。
本当は、それを子どもの手の届かないところに置いておければ一番よいのですが、うっかり……ということって、ありますよね。危ないもの・大事なもの・汚いもの……(だって、ウンチで遊ばれたらいやですよね!)。
いくら子どもが関心を持っていても理由があってやめてほしいのなら、もちろんやめさせて構いません。ただ、「どうせまだ、理解できないし」と思わずに、必ず理由を伝えてあげてくださいね。
遊んでいたものを「ダメ!」と突然取り上げてしまうのは、子どもにしてみれば、いきなり宝物を奪われるようなもの。もちろん、危険なときは別ですが、「人としてやられていやなことは子どもにもやらない」ようにしたいものです。
子どもだってひとりの人間です。わからなくなったときは、常に、自分だったらどう感じるか考えてみましょう。
子どもは急に止まれない
「子どもの遊びを止めない」のもうひとつの意味は、「はい終わりーっ‼」と、子どもに急に遊びをやめさせないで、ということ。時間の感覚が大人とちがう子どもたちは、「やめられない」のです。
「もう遊ぶの終わり!寝るよ‼」と、電気を消してみても、子どもは気持ちがなかなか切り替えられず、泣き続けたりしますよね。こんなシチュエーションで大変な思いをしたママは多いと思います。
「遊びの止め際って難しい。いつまでも遊びを続けていられては生活ができないけど、いい方法がわかりません」そんな悩みをよく聞きます。
では、こういった場合には、どうすればいいのでしょうか。
まず、遊びをやめさせたいときには、「今からブロック?すぐご飯の時間だよ。ご飯ができたらやめられるかな?」と、前もってやりとりをしておきましょう。「うん、いいよ」となれば、時間になったとき「さっき決めたよね」と言うと、小さい子どもでも比較的納得してくれます。
また、特に3~5歳に向けては、遊びの始まり方と終わらせ方をちょっとイメージしてみてください。たとえば、うちの子はこの遊びは比較的サッとやめるけど、これをやり出すと長い、というのがあると思います。
「あの人は居酒屋で飲みだすと長い」とか、「メールは短いが電話は長い」のように、大人だっておんなじですよね。
子どもが「ブロックを始めたら時間がかかる」というのであれば、「ご飯が〇時だから、今からブロックをやっても〇時には終わらないといけないよ」と伝えてみる。
その上で、「今はブロックじゃなくて、こっちで遊んだら?」「ブロックは、ご飯を食べ終わってからゆっくりやろうよ」などと提案してみましょう。
こういった見通しを立てることができるのは、大人だからなのです。いつでも子どもに自由に選ばせてしまうのではなく、シチュエーションに合わせて、声をかけていきましょう。
-
かくれんぼをしてるのに、探しに来ない娘。この後母は…衝撃の光景を目にする!なんてことないけれど、ふと心に残る言葉や出来事がある……。ニシハラハコさん作の創作連載、たま...
