こんにちは!マドレボニータ・産後セルフケアインストラクターの吉田紫磨子です。
保育園への入園が決まってくる時期になりました。「保育園入れた」「保育園落ちた」と、SNSでも様々な声が飛び交っていますね。
保育園全入を可能にする仕組みが整うことを、四人の子の母としても、産後女性に関わる仕事をする身としても、切望しています。
さて、保育園に入園しようとする際に、こんな言葉を受けたことありませんか?
「え、赤ちゃんこんなにかわいいのに、ずっと一緒にいたいって思わないの〜?」
以前、保育園ワークショップを開いた時にも、周りからそう言われて傷ついてしまった、本当に預けていいのかな、って思ってしまった、という声がたくさん聞かれたのです。
実際、わたし自身も娘を保育園に入れる時に言われたことがあり、気持ちが揺らぐ…まではいかなかったけれど、かなりモヤモヤとした思いが残りました。
「赤ちゃんと一緒にいたいと思わないの?」そう問いかける側は、単純に自分が離れることを体験していないから驚いているだけで、たぶん悪気はないのでしょう。
しかし、そんな無邪気にも思える一言で、
「こんな小さい赤ちゃんを保育園に預けようとするなんて、わたしは親として愛情が足りてないのかな?」と、罪悪感をもつ人も多いのです。
このように、子どもが保育園に通うことで、「一緒にいられなくなる」という漠然とした感覚をお持ちの方も多いと思います。しかし、本当にそうでしょうか?
保育園から帰ってきたら、一緒にお風呂も入ったり夕ご飯を食べたりするでしょう。
子どもたちは、わたしたちにぴったりくっついて眠り、翌朝はわたしたちの声で目覚めるでしょう。
保育園への道を、始めの頃はバギーや抱っこで、そしてだんだん手をつなぐようになり、おしゃべりしながら一緒に歩いていくはずです。
春夏秋冬の移り変わりを感じながら保育園を行き来する道は、きっと、かけがえのない思い出として長く残っていくと思います。
日中ずっと一緒にいてくれるのは保育士さんですが、実際に子どもと共に過ごす時間は、やはり、親であるわたしたちのほうが、断然長いのです。
保育園に預けるからといって「一緒にいられなくなる」と思うのは、漠然としたイメージからくる誤解です。
もちろん、出産時から今日まで、24時間毎日一緒の生活を送ってきたのですから、「離れてしまう」と感じるのも当然かもしれません。
しかし、そのように互いが密着した生活から、別々に過ごす時間も一緒に過ごす時間もある、より豊かな生活へと、そろそろシフトしてもいい時期なのではないでしょうか。
10年以上産後セルフケアインストラクターをしてきて、その間に教室に来るたくさんの赤ちゃんを見てきました。赤ちゃんたちを見ていると、「赤ちゃんと言っても一人一人の個性があって、独立した人間なんだな」といつも感じます。
産後ケア教室でキルトマットにごろんとしている2〜6か月の赤ちゃんは、ただお人形さんのように寝ているわけではありません。
隣の赤ちゃんのことをじっと見つめたり、手を伸ばしてつなごうとしたり。また、普段とは違う景色がおもしろいのか、身体の向きを変えようとして、一生懸命、寝返りに挑戦したりもしています。
また、保育園でも、0歳児は0歳児なりの交流があります。しゃべれなくても、目や耳や身体の感覚でおしゃべりしているような様子を見せます。
たとえ1歳児でも、0歳児の頭をなでたり、お兄さんお姉さんらしく振る舞ったりもするのです。親と自分というひとつの関係性だけでなく、保育士や友達と、それぞれの関係性を築いていこうとしています。
こうした動きは、親がいない時間だからこそ生まれます。「家では甘えん坊だけど、保育園だと頼もしいお姉さん、お兄さん」というのは本当によく聞く話。豊かな関係性の中で、子どものさまざまな面が育っていくのです。