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公開 2015年04月27日  

日本人より「もっと日本人」地球の反対側にある「日本人の学校」レポートvol,4

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さてさて、今回からもしつこく「地球の反対側にある日本人の学校シリーズ」なのですが、これからはちょっと趣を変えます。これまで紹介してきた「日本人の学校」は、あくまで学校制度の中には組み込まれない立場の学校でしたが、そうではない学校もあるんですね。それはいわゆる「日本人学校」。いったいどんな学校なのでしょうか?


「日本人の学校」にはいくつかの種類があるの?

僕がこれまでに紹介してきたのは、いわゆる「日本語学校」です。

つまり現地在住の日本人の方々の有志によって設立された「日本語や日本文化を学ぶための学校」であって、そこを出たからといって、現地の学校あるいは日本の学校を卒業したということにはならないんですね。分かりやすく言えば、塾のような位置付けでしょうか。設置された条件によって様々なのですが、補習授業校(補習校)という言い方もよくされます。

しかし、今回から何度かに渡って紹介する「日本人の学校」は、いわゆる「日本人学校」というものです。これは、文科省の管轄下にある、言うなれば「ちゃんとした学校」で、先生方も日本全国の小中学校から派遣されてくるんですね。



ですから当然ここを出れば、日本の学校を卒業したことになるんです。そして授業の内容も日本の教育課程に沿ったものですので、場所が異なるだけでその中身は「日本の学校」そのものなんですね!

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どんな子どもたちが「日本人学校」には通っているの?

そもそもどうして日本人学校が世界中に存在しているのでしょうか?



日本人学校に通う子どもたちの親御さんは、日系企業の海外支社で働く方々のお子さんがほとんどです。仕事の都合で一時的に海外に来ているものの、彼らの多くはいずれは日本に帰る予定であり、こちらの国に永住する予定ではないんですね。ですから当然、日本の学校を卒業しておいた方がよいわけです。

日系企業の海外進出が高まると同時に、このような「日本人学校」の必要性もまた高まってきたということなんですね。

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世界にはどのくらい「日本人学校」があるの?

文科省によると、平成24年4月15日現在で、世界50カ国・地域に88校が設置されており、約2万人が学んでいるということです。けっこうな数ですよね!



具体的な生徒数としては、やはりアジア地域がダントツに多くなっています。1位は上海日本人学校で、生徒数は小中学生合わせてなんと2,300人を超えています。続いて2位がバンコク日本人学校、3位がシンガポール日本人学校、4位が香港日本人学校と続いています。

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これから日本人学校はどうなっていくの?

1955年頃から1970年代前半までの高度経済成長期には、日本企業の世界進出に伴って、アジアだけではなくヨーロッパや南北アメリカ、中東やアフリカなど、世界各地で日本人学校が設立されました。さらにはその後のバブル期においても、日本人学校は多くの生徒を抱え校舎を増設し、新たに上海、イスラマバード、イスタンブル、バルセロナ、チューリッヒ、メルボルンなどで学校が設立されたのです。



しかし、時代は大きく変わっています。



近年の不況で現地の駐在員が減少し、それに伴って日本人学校に通う生徒も減少していると言われています。さらに、日本人学校ではなく英語を主体としたインターナショナルスクールを選ぶ親や、あえて現地校を選ぶ親も増加しており、存続が危うくなっている日本人学校も少なくありません。

そんな日本人学校を僕は世界中で訪れてきました。

今回は日本人学校についての概略だけになってしまいましたが、次回からは実際に学校内の写真を載せながら書いていきたいと思います。

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