「子どもを叩く」「どなりつける」と聞くと、どのようなイメージが浮かぶでしょうか。
「自身も親に叩かれた経験がある」「しつけのためにはやむを得ない」と考える親御さんもいらっしゃると思います。「体罰」と「しつけ」の境界線もあいまいで、「どの程度」なら許容範囲なのかの考え方は個人差が大きいところです。
2013年の調査によると、「あなたはお子さんを叩くことがありますか?」の問いに対し、「叩いたことはあるが今まで1~2回程度」が39%と最も多く、「週に何度かは叩いている」「止められなくなるほど叩いたことがある」と答えたのは28%、「今まで一度も叩いたことがない」と答えたのは33%でした。
また、「叩かないでしつけることについてどう思いますか?」という問いに対しては、44%が「しつけるためには叩くことも必要」と答えています(webサイト「こそだて」から)。
育児は伝承することが多く、「どのように親にしつけられたか」が判断基準になることが多いようです。「叩いてどなりつけて厳しく育てる」方針の家庭で育った場合、「言うことを聞かなかったら叩いて当たり前」と考える親がいても不思議ではありません。
スウェーデンでは当たり前!「叩かない」「怒鳴らない」子育て
23,140 Viewどこまでがしつけ?叩くのは虐待?どのくらい厳しく叱ったらいいの?甘やかしていると思われたくない…。
そんな迷いを、スウェーデンの子育てを参考に考えてみましょう。
育児は伝承!?自分がされた方法で子育てをしてしまうことも
叩くと、言うことを聞いてくれるようになる?
では、叩いて怒鳴りつけた場合に「言うことを聞く子どもになるか」を調べると、「その時は一時的に言うことを聞くようになる」ということが分かりました。
しかし、それは一時的な効果で、長期的にみると「攻撃的になる」「反社会的になる」「精神疾患の発症リスクが上がる」ことも分かっています(2002年アメリカ・ガーショフの調査から)。
もちろん「全員がそうなる」ということではなく、「そうなる可能性が高い」ということです。
そして「叩いて怒鳴りつける育児」の副作用として「エスカレートする」ことがあげられます。「1回たたいても言うことを聞かないから、今度は2回叩く」「どなっても言うことを聞かないから、今度はもっと大きな声で怒鳴る」ことが起こりやすくなるのです。
スウェーデンでは当たり前!「叩かない」子育てとは
スウェーデンでは、30年以上前(1979年~)から「家庭でも学校でも一切の体罰を禁止する」ことが国会で決まったそうです。
以前にスウェーデンから来日した知人が育児の話をしているとき、「日本に来る前は、虐待について考えたこともなかった。なぜなら、叩かれた経験もどなられた経験もないから。まわりのお友達を見ても、叩かれたことがある子に会ったことがなかった。子どもを叩かないのはあたり前のこと」と言っていたのを聞いて驚き、のけぞりそうに感動したことがあります。
現在のスウェーデンでは、子どもを育てるために「叩かない」「どならない」ことは当たり前になっているそうです。
少しずつ日本国内でも「叩かない育児をしよう」という考え方が広まってきました。
30年くらい前までは学校内で教師が生徒に「叩く」「ける」という行為をしていても「教育のため」と黙認されていましたが、今では良く思わない考え方がほとんどです。家庭内で「叩く」「どなる」ことについても、本当にしつけのために必要なのかを見直す時期が来ているのかもしれません。
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