赤信号だけど、車が来ないとき。
つい道路を渡ってしまった、という経験はありませんか?
わたしは「あります」。
急いでいるときは特に、車が通らない道路でただ待っている、という時間がもったいなくて、ついタタタっと。
でも今から9年前、娘がまだ2歳だったころ。
その調子でつい、もうすぐ赤になりそうな信号をダッシュで渡り、ものすごく後悔したことがあります。
それはなぜかというと、
「ルールだから」という理由だけで信号を守る子には、育ってほしくないんです。
221 View「信号を守ること」をきっかけに、親としてわたしは子どもに何を伝えたいのか、考えてみました。
「はっ!見られた!」
自転車に娘を乗せていたから。
つい急いでしまったその後で、
じっとわたしを見つめる娘の視線に気付き、
「はっ!見られた!」と。
かなり焦ったのを、今でも鮮明に覚えています。
そう、親は子どもに見られている。
リセットボタンがあるなら、
押したかった。
「今のナシ!見なかったことにしてー!」と、
言いたかった。
でも当たり前ですが、
そんなことはできないんです。
だから、これからの態度で伝えていくしかない、そう思いました。
言葉だけではない、
態度で何を伝えていくか。
親としてどんな背中を見せられるか。
…わたしは親として、子どもに何を伝えたいのだろう?
そもそも「ルール」がある理由。
そんなことを考える中で、改めて考えました。
そもそもどうしてわたしたちは、信号を守らなくてはいけないのか。
答えは簡単。
「命を守るため」です。
みんなが好き勝手に道路を横断していたら、あっという間に大混乱。
事故が多発してしまいますもんね。
だからそうならないために信号があるし、わたしたちはそのルールを守る。
そして、わたしは娘にも「命を守ること」の大切さを知ってほしいから、あれ以来きちんと信号を守っています。
(当たり前のことですけれどね)
信号を守ることが、わたしの考える“親”としての態度。
それを娘に見せることで、ルールを守ることの大切さを伝えているつもりです。
でも、ルールについて考えるときにもう一つ、どうしても外せない思い出があるのです。
ルールを守るだけでは、生きていけない。
今から10数年前になりますが、南米のペルーという国に旅行に行ったときのこと。
とても驚いたのですが、ペルーでは片側何車線もある大きな道路でも、信号がなかなか無いんです。
人々はその信号のない道路で、車の流れを読みながら、ほんのわずかな隙間をススッと道を渡っていく。
「わ、危ない」と感じることもありましたが、車はビュンビュン途切れることなく走っていくため、「車の流れが切れたら渡ろう」なんて悠長なことを言っていたら、いつまでたっても渡れないんですよね。
つまりそこで必要とされているのは、守るべきルール(信号)が通用しなくても生きていける力だったのです。
自分の命は、“誰が守る”のだろう?
青か赤か。
進むか止まるか。
信号を守るか守らないか。
娘に伝えたいのは、そんな信号の色だけで簡単に決められることではないのです。
「信号を守ることで伝えたいのは、
ルールを守ること。
信号を守らないことで伝えたいのは、
自分の目で見ること。 」
どちらも大切で、どちらも今の社会で生きていく上で欠かせないことではないでしょうか。
子どもは成長していきます。
自転車の後ろに乗っていた娘も、
今では11歳。
行動範囲も広がり、わたし(親)と過ごす時間も少なくなってきた娘を見て、「一生、親が守れるわけじゃないんだ」と身を持って感じています。
だからこそ娘には、ルールを守る力も、自分で判断する力も両方身につけてほしい。
わたしにとって大切でかけがえのない娘の命を、
娘が自分で守れるように。
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