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急性脳症とは?原因と症状、治療法と予防法について

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子どもがけいれんを起こして意識がないという場合は、「急性脳症」という病気かもしれません。この病気は高い確率で後遺症が残る恐れのある非常に怖いものですが、日常生活の中でも予防法をある程度は意識することが可能です。この記事では、急性脳症の原因、症状、治療法、予防法などについて詳しく解説します。ぜひ大切なお子さんの健康管理に役立てていただければ幸いです。

目次 急性脳症とは?
急性脳症の原因
急性脳症の症状
急性脳症の診断方法
急性脳症の治療と後遺症のリハビリ
急性脳症の予防
まとめ

急性脳症とは?

「急性脳症」とは、脳の急激なむくみによって、おう吐・意識障害・けいれんなどの症状が出る病気のことをいいます。この病気は、脳組織に病原体や炎症を確認できないことが特徴で、様々な原因から発症しますが、はっきりとした原因が分からない症例もあるようです。

急性脳症にかかった子どもの年齢分布は幅広く、平均年齢は4歳です。0~3歳の乳幼児に最も多く、その中でも1歳が一番多いようです。

急性脳症は、脳にダメージが起きるため、後遺症が出ることもある非常に怖い病気です。脳の損傷を少しでも食い止めるためには、早期発見・早期治療が不可欠です。ママやパパがこの病気の存在を知り、早急に対処することが必要になってきます。

症状が似ている病気

急性脳症の主な症状として、けいれん・意識障害があります。この2つの症状は、他の深刻な病気でも見られることがあり、代表的なものでは急性脳炎、髄膜炎、熱中症、乳児突然死症候群などが挙げられます。

その中でも名前が似ている「急性脳症」と「急性脳炎」はどう違うの?と思われる方もいらっしゃるでしょう。急性脳炎は、脳内部に病原体が感染することによって直接的に脳の障害を起こす病気です。そのため、急性脳症と急性脳炎の違いは、「脳組織に炎症が起きているかいないか」ということですが、個人での判別は非常に困難です。

急性脳症の原因

1.ウイルス感染

急性脳症の原因のひとつは、ウイルス感染によるものです。脳以外の場所で起きているウイルス感染により、間接的に脳に障害を起こします。ウイルス感染の中で最も多いのが次の3つです。

・インフルエンザ脳症
・突発性発疹による脳症
・ロタウイルスによる脳症


病原体別の急性脳症の年齢分布は、インフルエンザ脳症は1~2歳、突発性発疹症に伴って起きるHHV-6脳症は0~1歳、ロタウイルス感染に伴って起こる脳症は乳幼児全般が主体です。

この中でも、インフルエンザ脳症は特に早急な対処が必要です。発症後、早い段階でけいれんや意識障害などの神経症状が現れるのが特徴です。頭部MRIで異常が見られる前に治療を施すことが大切だと言われています。

数字参照:青森労災病院 うみねこ通信176 小児における急性脳炎、急性脳症について

2.薬の副作用

解熱剤や風邪薬、ぜんそく・てんかん・免疫抑制のための一部の薬による副作用が原因になる場合もあります。

3.食中毒

サルモネラ菌による食中毒に伴って起こる場合もあります。食中毒は、6~48時間後に発熱やおう吐、下痢といった症状が出ます。

4.その他の病気や体質などによるもの

■低血糖症
膵臓(すいぞう)のインスリン分泌が過剰になった結果、血糖が急激に上昇下降します。それに伴い、さまざまな内分泌系や自律神経の不調が起こり、脳に影響することがあります。

■低酸素症
体内の酸素が不足している状態をいいます。体内中の酸素が不足すると、脳への酸素供給も不足するため脳症が発症することがあります。

■肝不全
肝臓が正常であれば血液中の毒物が除去されますが、肝機能が障害を起こしていると血液中の毒物が除去されません。この状態が続くと、脳にも影響を及ぼします。

■腎不全
腎不全を起こすと体内の老廃物を排出できなくなり、体内環境が保つことができないことから急性脳症が起きる可能性があります。

■先天性代謝異常
生きていくために必要な酵素が、生まれつき不足していることが原因で起こる病気です。不足している酵素によって種類がいくつかあります。脂質代謝異常、有機酸代謝異常、糖代謝異常などは、感染症や栄養状態の低下から急性脳症を引き起こす可能性があります。

■電解質異常
電界質を調べると体内のバランスの崩れを調べることができます。電解質異常が起きると意識障害・けいれん・吐き気・おう吐・脱力などが多く起こる可能性があります。

急性脳症の症状

急性脳症の症状は、以下のようなものがあります。この中でも、けいれん・意識障害は緊急な処置を要する大きな特徴と言えます。

・脳のむくみ
・けいれん
・意識障害
・血圧、脈拍、呼吸の変化
・おう吐
・乳頭のむくみ
・瞳や眼球運動の異常
・発熱
・頭痛

けいれん・意識障害を早期発見するポイント

子どもにこのような状態が見られたら急性脳症を疑い、すぐに救急車を呼びましょう。焦ってしまうかもしれませんが、なるべく冷静に子どもの様子を観察しながら対処しましょう。

けいれん
・5分間以上のけいれん
・短いけいれんの繰り返し
・短いけいれん後の意識喪失
・ふるふると震えるようなけいれん
・体と手足のつっぱり

意識障害
・黒目の上部への移動と意識喪失
・入眠と間違う意識喪失(起こしても目を覚まさない)
・異常行動(意味不明なことを言う、幻視、幻覚、急に笑う、急に怒る)

急性脳症の診断方法

急性脳症の疑いがある場合、入院して全身管理をする必要があります。診断のポイントと検査内容は次の通りです。

検査内容と診断のポイント

検査内容
・CT、MRI検査
・脳脊髄液検査
・血液検査
・尿検査
・脳波検査

診断のポイント
・意識障害の有無と継続期間
・脳のむくみの有無
・原因疾患の有無
・薬の副作用の有無

この他にも、心電図検査や胸部X線像検査などで急性脳症の原因疾患を調べ、その治療も同時に行われます。また、薬の副作用によって起こった急性脳症の場合も考えられるため、診断をスピーディーに進めるためにも、子どもの薬の服用履歴について医師に伝えるようにしましょう。

急性脳症の治療と後遺症のリハビリ

急性脳症は、高い確率で後遺症が残る可能性のある病気です。治療と合わせて、後遺症のリハビリも並行して行うことになります。

治療方法

基本的には、全身状態を良くするための治療が施されます。主な治療法は以下の通りです。ステロイド剤を大量に投与するパルス療法や、脳の損傷を最小限に抑えるために脳内温度を一定期間保持する脳低温療法が行われることもあります。

・脳圧降下薬の点滴
・抗けいれん薬の投与
・酸素吸入
・パルス療法
・脳低温療法

後遺症とリハビリの内容

急性脳症の患者の36%に、後遺症が残るという報告があります。後遺症の程度は軽度から重度まで様々ですが、具体的にはこのような症状が出ると言われています。

・知的障害
・運動障害
・慢性的なてんかん


これらの後遺症に対して、リハビリテーションを行い適切に対処していくことになります。リハビリには以下のようなことが行われます。

・運動、知能両面からアプローチする理学療法・言語療法
・食事介助、経管栄養(鼻や胃からチューブを通して栄養剤を入れる方法)


リハビリが長期にわたる場合もあるので、家族・周囲の方の病気に対する理解や協力が不可欠となり、家族への心身のケアも同時に進められます。

後遺症の確立|平成22年 急性脳症の全国実態調査

急性脳症の予防

急性脳症を完全に予防することは困難ですが、原因となり得る要素自体を予防することによって、その発症リスクを抑えることは可能です。家庭で気を付けられることもたくさんありますので、ぜひ覚えておいてください。

感染症の予防

急性脳症の原因のひとつであるウイルス感染を予防しましょう。流行性もあるインフルエンザやロタウイルスなどは、予防接種を受けましょう。ウイルスが好む乾燥状態を避けるために室内の湿度管理を行うことも大切です。また、子どもだけでなく家族も、手洗い・うがいを励行するなど、基本的な衛生・環境対策をしましょう。

薬による副作用の予防

急性脳症は、解熱剤や風邪薬などの副作用で起きる可能性があります。熱や風邪症状が見られる時には、親の自己判断で服薬させるのではなく、必ず受診して医師の指示を仰ぐようにしましょう。また、薬を飲んだ後に子どもの様子に変化がないか、特に気を付けるようにしましょう。

食中毒の予防

食中毒を予防するためには、手洗い、調理器具の衛生管理、食品の適切な保存、食品の加熱処理をしっかり行いましょう。調理する人の体調にもよるので、ママに下痢やおう吐といった症状がある場合は、家族に感染させないためにも調理はしないようにしましょう。

まとめ

急性脳症は、原因が判別しにくく進行も早い病気です。子どもに意識障害やけいれんが見られたら、ためらわずに救急に連絡してください。判断に迷っても、医療機関に連絡し、症状を説明して指示を仰いでみるのも良いでしょう。「いつもと違う」という親としての感覚も大切だと言われています。ママやパパは焦ってしまうと思いますが、なるべく落ち着いて冷静に対処しましょう。

厚生労働省 小児の急性脳症

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この記事を書いた人

虹色ママ

6歳と3歳の女の子のママ。
周りに自分と同様の高齢初産経験者多し、です。
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