NICU(新生児集中治療室)に入院している赤ちゃんたちの中には、きょうだいがいる子も、たくさんいます。
けれども、日本はNICUを含め、まだ病院での「きょうだいの面会」が充実しているとはいえない環境です。
(私はとても大切なことだと思っているのですが…)
そのため、両親から「妹(弟)ができたのよ」と聞いても、実際には窓越しに時折しか赤ちゃんに逢えない(あるいはそれもなかなか叶わないことが多い)お兄ちゃんやお姉ちゃんも、少なくありません。

ぼくの妹は、NICUにいた。【きょうの診察室】
家族になる、ってなんだろう。NICUに入院した赤ちゃんのきょうだいが教えてくれた、いろんな家族のかたち。
出典:http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10112000374きょうの診察室:兄になる
NICUで出逢った赤ちゃんのひとり、Kちゃん。
Kちゃんには、5歳くらい歳の離れたお兄ちゃんがいます。
そんなKちゃんは、低体重で生まれ、誕生後からしばらくNICUで過ごしましたが、いろいろなことを乗り越え、先日やっと退院が決まりました。
喜びと不安な気持ちが入り混じったご両親が、「退院のときには、お兄ちゃんも来てもいいですか」と尋ねます。
わたしは、「もちろん、ぜひそうしてください」とお伝えしました。
そして、待ちに待った退院の日。
ご両親と一緒に、
お兄ちゃんも迎えにきてくれました。
NICUから出てきたKちゃんに、
わっ、と駆けよるお兄ちゃん。
「Kちゃん、いっしょに、かえるんだよ!いいこだねー、いいこだねー」
そう言いながら、いっぱい赤ちゃんを撫でます。
かと思うと、先頭をきって廊下を歩いていき、
「きょうはおうちに、連れて帰るんだよ!」とみんなを先導。
そんなお兄ちゃんを見て、お父さんやお母さんはちょっとハラハラしながらも、嬉しそうな顔をしています。
毎日逢うことができなくても、
触れることがかなわなくても。
もうその子はしっかり
「お兄ちゃん」になっていたのです。
「家族になる」ということ
この赤ちゃんとお兄ちゃんのように、生直後からずっとは一緒にいられないご家族。
事情があって、離れて住むことで折り合いをつけるご家族。
おじいちゃんおばあちゃんが、主に育児をしているご家族。
あるいは親御さんが病気で入院していて、子どもが時々の面会を楽しみにしているご家族。
小児科医をしていると、
本当にいろんな家族のかたちに出逢います。
どのご家族もいろんな葛藤があって、
うまくいくこともいかないこともある。
自分を責めたり、家族の誰かを責めたり、
境遇を責めたりすることも、時々ある。
でもいっぱい迷いながら、それぞれ違った形の愛情が確かにそこにあるのを、感じずにはいられません。
今まで出逢った多くのご家族は、家族にはいろんな絆の築きかたがあることや、親子・きょうだいのつながりかたがあることを、わたしに教えてくれました。
家族のかたちに、正解はない。
多様な個々がどう共存し、
生かし合うかは、
現代のチャレンジの一つです。
個人にとどまらず、
多様な「家族」のかたちが、
それぞれ輝ける世の中でありますように。

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