帝王切開で出産するママは、妊婦さん全体の20~25%を占め、最近では4~5人に1人は帝王切開で出産しています。帝王切開でお産をすることは、最近ではもう特別なことではなくなってきました。
そんな帝王切開が日本で初めて行われたのは1852年で、その頃は母子ともに生存することすらできなかったとか…。
帝王切開によるお産は、この20年で3倍近くに急増しています。増加の背景としては、不妊治療による多胎の増加や高齢化出産の増加。また、帝王切開自体が安全になってきている、ということなどから選択されやすくなったという背景があります。逆子だから、という理由で帝王切開になるケースも増えています。
ちなみに戦前は、医師の立ち会いがない助産師介助で、逆子も自宅出産でした。昭和初期の助産師の国家試験には「逆子の分娩介助」の技術試験が含まれていたというから驚きです(現在は、国家試験に実技試験はありません)。
現在では、逆子だという理由で帝王切開になることも多く、特にアメリカでは99.9%が帝王切開で生まれています。
このように、帝王切開で出産となる理由も時代とともに変わってきているようです。
「産み方よりも○○方」…帝王切開で出産したことに悩んでいるママへ、今1番伝えたいメッセージ
27,826 View「帝王切開カウンセラー」を知っていますか?ご自身の帝王切開体験から、帝王切開で出産したママたちの心に寄り添う活動を20年間も続けている方がいます。細田恭子さんといって、国内でたった1人の帝王切開カウンセラーです。その方が1番伝えたいのは、「産み方よりも○○方」だということ。
すべての帝王切開ママへ伝えたい、心にしみるメッセージをご紹介します。
帝王切開で出産するママは、20年で3倍に増加
ママの気持ちだけが置いてきぼりになることもある
そんな帝王切開での出産について、当の本人であるママの受け止め方は様々です。
「帝王切開だったからラクチンに生まれた」という声もある一方で、「え?帝王切開だったの?」と周りに言われるのが辛くてたまらないという声も…。
特に緊急で帝王切開になった場合、「赤ちゃんが元気に生まれてきたからそれでよかった」と一旦は考えようとするものの、実際にはそれを受け入れることに時間がかかるママさんが多いようです。
中には急な帝王切開で産んだことにより、自分を責めてしまっているママもいます。
もちろん出産は、帝王切開でも経腟分娩でも素晴らしいものであることは間違いありません。
そして、どのママも「我が子に会える感動的な瞬間」を楽しみに迎えることでしょう。
待ちに待った我が子の誕生は、世界中が息をひそめるくらい丁寧に迎えてほしいと思う気持ちも、あって当然だと思います。
しかし、特に緊急帝王切開の場合は、ママの気持ちだけが置いてきぼりになりがち。
「もっと声をかけてほしかった」
「全裸で手術台に乗るのは屈辱的だった」
「医師と助産師の方針の違いで(助産師は帝王切開に反対していた)、チームワークがよくなかった」
「本当は生まれてすぐに赤ちゃんに触れたかった」
「手術と関係ない医療者が世間話をしていて、独りぼっちにされたようで寂しかった」など…。
そんな感情が置いてきぼりのまま、慣れない育児が始まってしまうことがあるのです。
そこには、「我が子が元気に生まれてきたからそれでOK!」と言い切れないママの本音があります。
「いのちを生み出す」心理はとってもデリケートなのですから。
帝王切開ママに寄り添う活動をしている方がいます
そんな帝王切開ママの気持ちに寄り添う活動をしている方がいます。その方の名前は、細田恭子さん。
女の子3人のママであり、ご自身の出産で帝王切開を経験してからというもの、この活動を始めていらっしゃいます。
帝王切開での出産を経験して感じたことや、もっと早く知りたかったこと。そしてご自身の育児で大切にしてきたこと…。帝王切開で出産したママたちの気持ちに寄り添い、心温まるメッセージを伝え続けて20年!
特に「帝王切開のママの会」という講座は、全国からお声がかかる人気講座だそうです。
細田さんが1番伝えたいメッセージとは…
細田さんは、帝王切開ママに向けて1番伝えたいこととして、このようにおっしゃっています。
一番大切なのは産み方よりも育て方
産み方は大切です。大切だからこだわるのです。
大切な命とこんなふうに出会いたい・最初にこんなふうに挨拶したい。
10か月間思い描いてきた出産が、手術室のまぶしい電気のしたで金属の音と麻酔と点滴と尿道カテーテルと全裸と・・・
心と身体がついていけなくなります。でも、育児はすぐに始まります。
何がいやだったのか、何が自分の心にずしん・・と残っているのか、考える時間が持てないのです。
「今」はあっという間に過ぎていってしまいます。
大切だけれどこだわりすぎて、今見ておかなきゃいけないお子さんの笑顔や、聞いておかなきゃいけない今だけの大きな泣き声をちゃんと楽しんでいますか?
どうぞ「産み方」にこだわり過ぎず、
ここから続いていく「育て方」を大切にしてみてください。
帝王切開で出産したことに悩み、自信を失くしているママに届けたい
私も、助産師として活動していると「自然分娩だったか帝王切開だったか」について真剣に悩み、自信を失くしているママたちに出会うことがあります。
どう出産したか、などと周りから聞かれたとしても、帝王切開で出産したことを言いたくなければ「大変なお産だったんだよ~」と伝えるだけで充分だと、私は思います。今はなかなか受け入れられなくても、いつか将来「あなたを無事に産んだ名誉の傷だよ」と、お子さんにお腹を見せられる日が来ることを信じて。
「産み方よりも育て方」。
細田さんが伝え続けているこのメッセージが、すべてのママに届いてほしいと願っています。
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