血の繋がらない二人の子どもを、愛情を注ぎながら育てられるのだろうかのタイトル画像
公開 2016年04月12日  

血の繋がらない二人の子どもを、愛情を注ぎながら育てられるのだろうか

223,019 View

二人の子どもは、愛する夫と先妻さんとの愛の結晶…という、自分の心を苦しめる切ない現実。


立ちはだかる大きな壁。乗り越えるか、割り切るか。

愛する夫の子どもは、前の奥さんとの愛の結晶という苦しい現実…。

相手の子供に罪はなくとも、私と同じ継母の立場の方なら、誰しもが感じる大きな壁とそれに伴う心の葛藤になると思います。
分かりやすく例えるなら、「夫の愛人の子どもを育てる」という例えが近いかもしれません。

この現実を乗り越える方法は……
凄く凄く難しく、人によっては一生かかっても乗り越えれることのできない壁かもしれません。

私の場合ですが、先妻さんに対して「妻」や「母親」の立場としての嫉妬心は強かったものの、子どもに対する葛藤は、幸いあまりありませんでした。

二人の子ども=先妻さんと夫の愛の結晶、というよりも一人の人間として見ることができ、接することができたのです。
暮らし始めた当初から私によく懐いてきてくれたから、というのも理由にあるかもしれません。

当初の私はまだ二十代半ばで、初婚で母親になるのも初めての経験で、若輩者ゆえ良い意味でスレておらず(?)、この子達の母親になる以上、本当の母親のように愛情を注ぎたいし本当の親子のようになりたい、という気持ちが強かったのです。

ただ、頑張ろうと思う気持ちが強い分、乗り越えなければならない葛藤や継母特有の苦しみが、より大きなものと化してしまいました。

「私はただの育ての親」

このように割り切っていたら、いろんな葛藤も苦しみもそこまで感じずに済んだかもしれません。
でも私は「この子達の本当の親になりたい」という気持ちが強かったため、割り切ることができませんでした。

血の繋がらない二人の子どもを、愛情を注ぎながら育てられるのだろうかの画像1

「葛藤を前向きに乗り越える」を選んだ継母は、無意識に頑張りすぎてしまう

最初の頃の私は、フルタイムの仕事・家事・子どもの迎え・子ども達の相手をする等、目の前のことに追われる日々でしたが、忙しくも充実感を感じていました。

それまでのん気な実家暮らしだった自分の生活が一変し、不慣れな私の料理を「おいしい」と食べてくれる家族がいる。
私に甘え、必要としてくれる家族がいる。

その気持ちの応え、子ども達をもっと喜ばせてあげたい。
私が妻・お母さんになって良かった、と思わせたい。

そんな思いから、いろんなことを頑張り過ぎてしまっていたようで、自分でも気づかない内にストレスが蓄積され、それが後に体調に表れるようになりました。
滅多に体を崩すことのなかった健康体の私が、ちょくちょく熱を出したり、膀胱炎になったり。
そんな体調不良が顕著に表れるようになって、初めて

「あぁ、私無理しているんだ…。ストレスが蓄積されていたんだな…。」

と気づきました。

充実した日々の中でも些細なことで傷つくことは沢山あったし、亡き先妻さんのことを思い出しては、つい自分と比べてしまい惨めな思いになったり、ネガティブのどん底に落ちてしまうことも、最初の頃はしょっちゅうありました。

そのたびに、パートナーである夫にそれらをぶつけて時にはケンカになることもありましたが、子ども達の前では暗い顔をしてはダメ、明るく振る舞わなければ…と、ここでも気を遣って頑張り過ぎていたため、蓄積されたストレスが発散される場がなかったのです。

血の繋がらない二人の子どもを、愛情を注ぎながら育てられるのだろうかの画像2

葛藤を乗り越えていく秘訣は、「頑張らない」ことを「頑張る」

ネット上で知り合った先輩の継母さんに励まされ、気づかされたのは、「頑張らない」ことを「頑張る」ということ。

なんだ簡単なことじゃん、と思われるかもしれませんが、私にはこれが難しかったのです。
なぜなら、自分には「頑張り過ぎている」という自覚がなかったからです。

例えば、夫・しげパパが私を気遣い、「たまにはご飯を手抜きしてもいいんだよ。仕事もしているんだし、惣菜を買えば済むんだから。」と言ってくれるときがありました。

でも私は、嫌々料理をしているわけではなく、「子ども達に手料理を喜んで食べてもらいたい。美味しいと言ってもらいたい」という思いで作っていたので、手抜きをしたいという気持ちや理由がありませんでした。

むしろ望んでもいないのに「何でそんなことを言うの?私に料理をするなって言いたいの?」と苛立ちさえ感じてしまうこともありました。

しかし体調を崩しがちになり、必然的に外食や惣菜に頼ることが増え、一つ手を抜くだけでもこんなに楽なんだ…!と実感しました。

・まずは自分が「頑張り過ぎている」ことに気づく。
・少しずつ手抜きを実行し、子どもたちの前でも「良いお母さん」を演じ過ぎない。
・自分の理想とする「良い母親像」を追い求め過ぎない。
・楽な自分、本当の自分をさらけ出していく。


自分が頑張り過ぎていることに気づいてからは、それらの努力をすることに意識を傾けていきました。

するとあら不思議!体調を崩すこともなくなり、前ほどネガティブにはならなくなったのです。
心と体は、こんなにも直結していることだということを、身をもって知りました。

その後、本当の自分をさらけ出すことによって、お互いが心を開くことができ、子ども達とより自然な親子関係を築いていけました。
今の私の口癖は、「あーーご飯作るのめんどくさー!外食したい~!」です。(笑)
(いやもちろん、ちゃんと作りますけどね)

最後に、私一人で頑張ってきたかのような内容になってしまっていますが、夫・しげパパの支えや見えないところでの努力、姑の励まし、子どもたちが持つ純粋な心による歩み寄りや頑張りがあってこその結果です。

血の繋がらない二人の子どもを、愛情を注ぎながら育てられるのだろうかの画像3

ネコおやじさんの書籍もおすすめ!

Share!