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公開 2016年05月08日  

うちだけは関係ないって思ってた?! 離婚の引き金にもなりうる「産後クライシス」をどう乗り切る?

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「産後クライシス(危機)」って、何のこと?
それは、子どもができる前は夫婦円満だったカップルが、出産をきっかけに、急激に夫婦仲が悪化すること。

「うちはラブラブだし、関係ないよねー」と思ったあなた、実は多かれ少なかれ、どんな夫婦も経験することなのですよ。
「こんなはずじゃなかった!」と後悔しないために、知っておいた方がいいことって、何だろう?

出典:http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=11015178043

産後クライシス(産後危機)は誰もが通る道?

数年前から、よく聞くようになったコトバ、「産後クライシス(危機)」。実は新しい概念でもなんでもなくて、夫婦円満だったカップルが、子どもが産まれたことがきっかけで、関係が悪化してしまう現象は、昔からあったことのようです。日本では、文化的におおっぴらに語られることがなかっただけみたい。

2人だけの生活を自由に謳歌していた時にはラブラブだった夫婦関係、出産という大きな節目で生活が180度変わり、夫婦ふたりの関係が少なからず変化するのは当たり前のこと。

でも、心の準備ができていないと、「こんな人だとは思わなかった」「こんなはずじゃなかった」「もう私(または俺)愛されていない?!」と誤解やすれ違いを大きくし、離婚の引き金になってしまうケースも。

最近、別居、離婚することになった友人達の話を聞いていたら、まさにこの「産後クライシス」が夫婦関係の悪化の引き金でした。ちょっとした心の準備や前知識さえあれば、ここまでの悪化は避けられたはずなのに・・・とやるせない気持ちになってしまいました。

私も経験した産後クライシス

我が家も実は深刻な「産後クライシス」を経験したカップルです。お互いの実家が遠く、両親や親せきのサポートなしに育児生活に突入した私たち、「私たちなら、きっと大丈夫!二人で産後も乗り切ろう」ととっても前向きなスタートを切ったのですが・・・!

産後すぐ体調を崩した私は、身体のあちこちが不調のまま、夜もまともに眠れない過酷な新生児育児に突入することに。たった一人で、やわやわで壊れそうな新生児の命を一人で守っているという重責でがちがちに肩に力が入り、精神的にも張り詰めた状況でした。

夫は毎晩のように、会社から飛ぶように帰ってきて、沐浴や食事の後片付け等を手伝ってくれました。今思えば、本当によく頑張ってくれていたと思います。

それなのに、それなのに、心身ともにボロボロでイライラしていた私は、手伝ってもらったことに対する感謝のコトバを口にするどころか、その仕事ぶりにケチをつけ、文句や小言ばかり言っていました。

「手を出すんだったらちゃんとやって!」「せっかく寝かしつけたのに、なんで起こすの(怒)!」
「何度も言ったのに、また出来てない!」
「今そういう話を聞く余裕はないから!」

あまりその頃の記憶がないのですが、日記を見返すと夫に対するイライラや愚痴がたくさん綴られていました。

夫は夫で、忙しい仕事をなんとか調整して、できるだけ子育てのサポートを、と頑張っているのにもかかわらず、妻には感謝されるどころか、ちょっとしたことでキレられ、攻撃される日々。

やるせない想いで一杯の極限状態だったようです。

もし実母や姉妹からのアドバイスがなかったら、離婚を考えていたに違いないと後から笑って言っていました。

出産・育児の大ベテランからのアドバイスが産後クライシスを救った

その母親や姉妹からのアドバイスとは・・・夫へのものでした。

「産後の女性は、とにかくホルモンのバランスが崩れて、不安定なもの。そして初めての育児の場合は、不安と緊張でぴりぴりしているものよ。

あなたたちの場合、とくに頼れる親兄弟、親戚が近くにいないんだから、なおさらあなたが支えになってあげなさい。ずっと続くものじゃなくて、数か月のこと。産後3か月はどんな理不尽なことを言われても、どんなに八つ当たりされても我慢しなさい。」

このアドバイスを受けて、産後激変した妻を見守る覚悟ができたからこそ、夫はあの過酷な日々を耐える事ができ、不安定な新米ママの私を支え続けることができた、と言います。

新米パパだって頑張ってるよ!認めて、感謝することが大事。

産後の疲れから立ち直っていないまま、慣れない赤ちゃんとの生活に突入し、とにかく疲れている新米ママ。

そんなママの少しでも力になろうと新米パパもがんばってます。

慣れない家事のサポート、おむつがえ、沐浴、できるだけ手伝いたいけど、何をどのくらいやっていいのかわからない、というのがパパの本音。いきなり妻のように手際よく家事をこなしたり、24時間赤ちゃんと一緒にいるママのように、赤ちゃんのお世話を上手にするのは無理というものです。

まずは手伝ってほしいことを具体的に頼むことが大事です。

そしてはじめはどんなに手際が悪くて見ていられなくても、小言を言うことなく最後までやってもらうこと。そしてサポートしてくれたことに対して、ちゃんと感謝の気持ちを伝える事。

私がやってしまったように、うまくできていないから、叱りつけたり、文句を言ったり、なんてことは絶対NGです。(そんなことされたらモチベーションが下がるのは、当たり前!ですよね)

産後カップルに起こりうること、オープンに話そう、シェアしよう

両親学級や出産準備クラスで、沐浴の仕方を教えるのもいいけれど、産後のホルモン激変でママに起こりうる変化、そんなときの夫側、妻側の心構え、等々。

精神面で準備が必要な講習を加えてもらえたら、たくさんの新米パパ&ママが「産後クライシス」をもっと上手に乗り切れるのでは、と思う今日この頃です。

夫の母や姉妹がしてくれたように、周りにこれから子どもが産まれるカップルがいたら、こんなこともあるよ、とオープンに体験をシェアすることも大事かも。

「子どもができたら、愛情がなくなった?」「夫にイライラしてキレてしまう」なんてことがホルモンの仕業で起こりうる、って事前にわかっていれば、対処の仕方もきっと違ってくるはず、ですよね。

これから夫婦がどんな家族になっていくのか、につながる、大事な産後時期。誰もが経験するクライシスなら、上手に乗り切って、夫婦の絆をより深めるきっかけにしちゃいましょう。

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