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公開 2016年02月25日  

「取扱説明書」から考える子育てとは?

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“電子レンジには食べ物以外の物を入れないでください”加湿器には汚水を入れないでください“と「ちょっとバカにしているの、そんな非常識なことする訳ないでしょ」と言いたくなるような取扱説明書の注意書きがあります。でも、子育てするとき取説のように子育て本のマニュアルに細かく書かれていないと不安になる人もいるようですね。

出典:http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=28144084998

目次
「取扱説明書」とは?
メーカー側の予防策あれこれ
マニュアルに書いてあったらあったでこうなる!?
子どものしつけ、どう考える?
マニュアルに囚われない変わった使い方にチャレンジ?!
まとめ

マニュアルに縛られた子育てについて、『1人でできる子が育つ テキトー母さんのすすめ』の著者の立石美津子がお話ししたいと思います。

「取扱説明書」とは?

取扱説明書の注意書きって、じっくり読んでみるとすごく面白いです。

●冷蔵庫
 まわり他の人がいないか確かめてから開け閉めしましょう。ぶつかって危険です。
 ドアを閉めるとき指を挟まないようにしてください 。

●加湿器
 汚水を入れないで下さい。

●電子レンジ
 食品以外の物を入れないで下さい。

●電気ホットカーペット
 くるまって寝ないで下さい。低温やけどします。
 海苔巻きみたいにくるまって寝ている人間の姿が描いてあります。
 けれども、実際、こんなことをする人がいるので、何か事故があったときメーカーは訴えらないように予防策として書いています。

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メーカー側の予防策あれこれ

なぜこんな不思議な注意書きが書かれているのでしょうか。
過去に起きた事件をいくつかご紹介します。

<マクドナルドコーヒー事件>
ニューメキシコ州のマクドナルドでの出来事。コーヒーを膝に挟んでの蓋を開け、砂糖とミルクを入れようとしたお客が誤ってカップを傾けてしまい大火傷をしました。裁判となり結果はマクドナルド社が警告の注意義務を怠ったということで敗訴しました。

この事件の後、コーヒーカップに「HOT(熱い)! HOT! HOT!)」と記載するようになったのです。他のコーヒー提供会社もカップに「内容物は極めて熱いので注意すること」と表示するようになりました。

<電子レンジチン事件>
都市伝説で、真相は定かではありませんがこんな話があるようです。

老婦人が、子どもたちから一台の電子レンジをプレゼントされました。
ある雨の日、老婦人はずぶ濡れになってしまった愛猫を、電子レンジで乾かすことを思いつき、電子レンジへ・・・。そして猫は身体の内側から爆発して死亡。

ショックを受けた婦人は、「猫が死んでしまったのは、電子レンジの取扱説明書に『ペットを入れないでください』という注意書きがなかったせいだ」とメーカーを相手に訴訟を起こし、裁判所は電子レンジのメーカーに多額の賠償金の支払いを命じたのだそうです。

でも!これはホットドックという肩こり防止用のグッズです。これを電子レンジで温めて首に巻いて使います。

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<おしゃぶり訴訟>
ある母親が子どもにおしゃぶりを与えていると騒がないからと、おしゃぶりを毎日何時間も、3歳になってもまだくわえさせていました。そのため、子どもは歯並びや顎の形が変形するという症状が出ました。母親は長期間、長期間使用の弊害についての注意書きを怠っていたコンビ社を訴え、矯正治療費と慰謝料まで勝ち取ったという事件です。

<ルンバ>
私は自動で掃除をしてくれるお掃除ロボットルンバを愛用していました。
ルンバを回したまま、うたた寝していたら、頭の上でシュルシュルと音がしてルンバが止まりました。取扱説明書に「ルンバを回したまま寝ないで下さい」なんて書いてありませんでした。

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でも、「高い場所では使わないでください」と注意書きとこんなイラストはありました。でも、 落下して怪我をしたりルンバの壊れてしまうのは明らかなので「書かなくてもよいのでは?」と思いました。それよりも「ルンバを動作させたまま寝ないでください」と書いてほしかったです。訴えることはしませんでしたけれど・・・

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マニュアルに書いてあったらあったでこうなる!?

<オムツ>
おむつのCMは、まさかリアルな尿を画面では見せられないので「こんなに吸収します」と水分を青くして見せています。自分の子どものおしっこが青くないのを心配になった親から問い合わせがあったという話を耳にしたことがあります。

<学習塾のマニュアル>
これは間違った工夫ですが・・・私はかつて幼児教室を経営していましたが、講師用の指導マニュアルも年々分厚くなっていきました。

「毎回、授業の最後に子どもが頑張ったご褒美としてシールをあげましょう」と記載しておきました。しかし、ある講師がシール→消しゴム→鉛筆と褒美を豪華にしていきました。すると子ども達は「菓子をくれ~」「ゲームくれ~」となり、やがて“ご褒美がないと学習しない”態度になっていきました。

そこでマニュアルに追加事項として「シール以外のものは与えないでください」と書かざるを得なくなりました。
こうしてどんどん分厚くなっていく指導マニュアルでした。

<ヘアアイロンで火傷>
「直接肌にあてて火傷をしないように注意してください」とは書いてありましたが、前髪に当てたらジュジュジュ・・・・おでこが焼け、治るのに相当期間を要しました。書いてあるのにやってしまいました。

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子どものしつけ、どう考える?

電子レンジ、冷蔵庫などの機械とは違い、子育ては生身の人間を相手にするものです。だから、育児本に書いてある通りにことは進まないわけです。

私の書籍に「子どもは夜は8時半に寝かせましょう」と書きました。すると読者から「うちの子どもが9時半に寝るんですけれど、大丈夫でしょうか」と問い合わせが入りました。

私は「まだ発育途中の子どもなので大人に合わせた生活スタイルは身体と精神に悪影響を及ぼします。ですから、深夜の量販店や焼き肉店に子どもを連れまわすことは控えましょう」の意味で書いたつもりなのですが、具体例を書いたことでそれにピッタリ当てはまらないと不安になるママもいて、却って不安にさせてしまいました。

「褒めて育てましょう」と言われると、何が何でも褒めなくてはならないと思い、必要な躾もしない人も出てきたりするのもその一例です。わかりやすく親切になればなるほど、人間の脳は退化していくような気がします。

マニュアルに囚われない変わった使い方にチャレンジ?!

マニュアルに囚われない変わった使い方をいくつかご紹介します。

●アイロン
フランパンで作る目玉焼き。
アイロンで作ったらちゃんと目玉焼きが出来ました。

●お風呂洗いに洗剤
肌が弱い私、お風呂マジックリンを使っていて手が酷く荒れてしまいました。そのため、風呂洗いには衣服にも使える洗剤を使っています。それ以降、手荒れはありません。

●お風呂洗いに洗剤
月の使者の血液をあれだけ吸い取る生理用品。怪我をしたときテッシュやガーゼより血を吸ってくれます。実際、自衛隊や消防署では緊急時に使っているそうです。


●紙オムツ
赤ちゃんの大量のおしっこを吸い込む紙オムツ。料理の油処理にはかなり便利です。
牛乳を一パック零した時も紙オムツで拭けばいいかもしれません。雑巾絞って何度も洗うより手間なしです。

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●水中眼鏡で料理
玉ねぎで目に染みた痛い体験があったのでそれ以降、水中眼鏡を使ってタマネギを切る息子でした。「意外にも生活力がある!」と思いました。

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まとめ

マニュアルがあるとあまり考えなくてもいいので便利です。でも、こればかりですと脳は退化してしまいますので柔軟性を持って失敗したり成功したりしてチャレンジしてみましょう。特に子育てにおいては大切なことだと思います。

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