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公開 2016年04月06日  

待機児童が多くて我が子を保育園に入れることができない…!私はある1つの大きな決断をしました

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昨今、社会問題となっている「待機児童」。保育園は空きがない、でも自分も働かないと家計が回らない…深刻な悩みを抱えているご家庭も少なくないのではないでしょうか。今回は、待機児童問題に対してこういう選択肢もあるのだという1つのケースとして、我が家の場合どうしたか?という体験談を恥ずかしながらお話しさせていただきたいと思います。


深刻な待機児童問題

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現在、社会全体で1つの大きな問題となっている「保育園の待機児童問題」。

働きたくても預ける所がない。産休育休明けに空きがなくて復帰できない。保育園入園審査の点数のため、先に就職先を見つけて認可外に預けて働き始めたが、保育料が高くてお給料が残らない。女性も働かないと食べていけない時代となり、子どもを産むこと自体を諦めてしまう…。このように、深刻な待機児童問題によって負の連鎖も起こっています。

夫婦共働きをしなければ家計が回らない今の世の中。
子どもを産んでいざママも働きに出よう!と思っても、現実には容易ではありません。これでは、今も深刻化している「子どもの貧困問題」にまで拍車がかかってしまいます。

また、我が子を保育園に入れたものの次の子を妊娠し、退職すると上の子が退園となるケースもあります。幸運なことに保育園に我が子を預けてフルタイムで働けたとしても、今度は小学校に入学した時に下校時間から預かってくれる「児童クラブ」などに空きがなく、退職を余儀なくされる、いわゆる「小1の壁」という問題もあります。

どちらにしても、各家庭にとってはとても大きな問題ですよね。それでも「待機児童問題」は一向に解決しそうにありません。

突然、家計のピンチに陥った我が家…

私は以前から、保育園の入園希望は妊娠中からしておかなければ、いざという時に入れない!と聞いてはいました。ですが、妊娠を期に前の職場は辞めているし、贅沢さえしなければ働かなくても細々と生きていけるだろうと思っていました。
また、我が子が幼稚園に入る年までの辛抱だとも思っていました。今は幼稚園でも夜の19時・20時まで預かってくれる所もあると聞いていたからです。

しかし2人目が産まれた頃、我が家の経済状況が大きく変わってしまいました。主人が勤める会社の業績不振で収入が不安定になり、私も一刻も早く働かなければいけない状況になったのです。
しかし、私は当時働いていなかったので、すぐに我が子を保育園に入れることなど到底不可能でした。

人生には予期せぬことも多く、絶対の「安定」などありません。子どもを育てるためにも、生活は「安定」していなければなりませんが、裕福でない家庭はいつもギリギリの所を歩いているといっていいでしょう。景気が劇的に上向きにならない限り、我が家のように「夫婦2人馬力」で家計を回したいのにそうもいかない事情がある、と嘆く家庭も少なくないのではないでしょうか?

私は厳しい現実を突きつけられ、初めてこのような家庭の事情を痛感することとなりました。

保育園に入れたいのはみんな一緒。我が家の出した結論は…

私は、我が子を保育園に入園させることは諦めていました。

保育園はどこもいっぱいで空きがなく、市役所に直談判してムリヤリ入れてもらったという人もいると聞きました。認可外すら常にぎゅうぎゅうの状態で、先生が足りず、子どもを迎えに行ったらオムツが替えられていなくてパンパン、子どものお尻がかぶれてしまったという話…。さらに、先生たちの目が届かないので、子どもが園から脱走して近所の方に保護されたという話まで聞いたことがあります。

「子どもを保育園に入れたいのは、みんな一緒」

私は悩みましたが、こうも考えました。
シングルマザーで働かなければいけないのに、園に入れない子がいたら?産休育休が明けて戻る職場があるのに、働けない人がいたら?自分が病気で子どもを預けなければならない人がいたら?このように、今すぐにでも保育園に入れなければならない状態のご家庭もあります。
そして何より、保育園が満員でギュウギュウなのに、また1人2人と押し込まれて園に入る子ども達。先生の目が届かず、万が一ということもあるかもしれない…。誰が悪いわけでもありません。保育園の先生方も手いっぱいの中、みなさん頑張ってくれています。

「最優先すべきは子ども達のこと」

我が家の最終的な結論は、保育園を諦めることでした。
貯金を削って、贅沢せずに生活すれば生きていける私達。その一方で、万が一命に関わる人もいるかもしれない。そしてそれは、子ども達かもしれないのです。
なので私たち家族は、保育園は本当に困っている方達に譲ろう!という考えに至りました。

保育園は諦めた!そこから私がとった行動とは

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このように、子どもを保育園に入れることは諦めた我が家。じゃあこれからどうしよう!?となった時、私が最初に実行したのは、「深夜帯の仕事を探す!」ことでした。そして週に3〜4日、夜の22時から3時までレストランのキッチンで働いたのです。


もちろん、みんなが寝静まっている頃に働くというのは体に堪えました。仕事を終え帰宅しても、生活リズムは今までと一緒です。朝は上の子を幼稚園に送って、昼は下の子の育児と家事を普段通りにこなさなければなりません。

しかし、こんなメリットもありました。

・深夜帯なので時給がいい。
・土日も勤務できるので、飲食店など採用されやすい。
・昼の子どもの行事や通院など、スケジュールを今まで通りに合わせられる。
・子どもの風邪など、急な発熱でも仕事を休む事なく、昼は看病できる。

しかしこの方法は、主人の帰宅時間がある程度決まっていて、しかも主人が協力なしにはできないことです。
私も主人が会社の飲み会などの時は、仕事のシフトを調整していました。夫婦がお互いになるべく支障のないようにすることが大事です。

何かを得るには、何かを我慢しなければならない時もある

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母親が深夜帯に働きに出ることについては、賛否両論あるかと思います。

我が家では、子どもの断乳後まもなく働きに出て、幼稚園に入るまでの我慢…と決めていたものの、寂しさは常にありました。それに、いくら寝ているからといっても母親が隣にいないのは、子ども心に寂しさを感じていたかもしれません。

しかし、全てを得ることはできません。
どこかで何かを我慢しなければいけない時もあります。
でも、我慢したら今度はそれを何かで補えばよいのです。

私は、日中や仕事が休みの時はいつもより我が子とたくさん接するようにしました。頑張って働いた分、子どもたちにご褒美も買ってあげられます。お金をいただけること、社会に出ていることで自信にも繋がりますし、仕事場の仲間たちと過ごすことはとても楽しく、ストレス発散にもなりました。キツかったけれど、私は働いてよかったなと思います。

保育園の待機児童問題は、さながらイス取りゲームのようです。イスは増えることはないまま、イスに座りたい人はどんどん増えていく…。けれど、嘆いていても始まりません。

「この社会をみんなで生きていく」

譲れる時は譲る立場になることも、こんな時代だからこそ必要なのかもしれません。

※ この記事は2024年03月28日に再公開された記事です。

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