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公開 2016年01月28日  

手づかみ食べ、いつまでさせる?手づかみ食べのメリット・デメリット

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手づかみ食べをさせた方がいいとは聞くもののどんなメリットがあるの?そもそもいつまで手づかみ食べさせていていいの?スプーン・フォークの練習は?1歳半の息子の食事の現状・おすすめグッズとともにご紹介します。

出典:http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10206001398

1歳半の息子の離乳食事情とは?

私は、現在1歳半の息子がいます。そろそろ手づかみ食べはやめさせてスプーン・フォークの練習を本格的にスタートさせた方がいいのか、どれくらいでスプーン・フォークを使えるようにすべきなのか、気になったので調べてみました。

まずは、息子の離乳食の経緯と悩みをご紹介します。

【息子の離乳食の流れ】
・生後6ヶ月半頃、離乳食開始
・離乳食開始から5週目(29日目)より2回食へ
・離乳食開始から13週目(85日目)より3回食へ
幸いアレルギーもなく、順調に食べる量を増やしていってくれたため、スムーズに3回食まで進むことができました。

・手づかみ食べ開始:3回食に移行するほぼ同時期
最初は野菜スティックを持たせて、その手を口に運ばせました。そこからは自分で食べ物をつかんでくれるようになりました。
手づかみ食べをさせるようになったら自分で食べるのが楽しいのか、スプーンで食べさせられるのを嫌がる時期もありました。

・スプーンを自分で持たせようと試み始めた時期:10ヶ月後半~
スプーンに食べ物を乗せてあればそのスプーンを口へ運ぼうとする様子は見られるけれど、手づかみ食べが主流でした。
このころよりパパママが食べさせる用のスプーンとは別に、息子が好きなタイミングで使えるように赤ちゃん用スプーンを準備して食事するようにしました。

【離乳食の悩み】
・手づかみ食べをさせると食べこぼし、衣服の汚れが気になる。
・スープ類などは手を器に入れてぴちゃぴちゃさせて遊ぶことがあるために汚れがひどくなりやすく、片づけるのが億劫で避け気味になってしまう。このまま避けていていいとは思わないけれど、どうやって練習させたらいいのかもよくわからない。
・スプーンは毎回準備するようにしていたものの、相変わらず手づかみ食べがメインになる。自分からスプーンを使おうとするまで様子を見ていていいのか、手づかみ食べをやめさせてスプーンの練習をさせた方がいいのかわからない。

1歳半を迎えた現在は、スプーンに食べ物を乗せてあるとそのスプーンを自ら持って食べたり、まだまだ上手にできませんが、自分ですくおうとする仕草が見られるようになりました。
とはいえ、スプーンは持っていても手づかみ食べがメインのようで、左手でスプーンを掴んだまま右手で手づかみ食べをすることも(逆の手の場合も)多い状態です。

手づかみ食べはどうして必要なの?メリットとデメリットは?

「手づかみ食べはさせた方がいい」ということは離乳食が始まったママたちはよく聞く言葉ではないでしょうか。手づかみ食べは、子どもの発達段階において重要だと聞きますが、そもそもなぜ重要なのでしょうか。

それは、手づかみ食べをさせることによって「自分で食べたい意欲が育ち、食べ方を学んでいくことができる」から。歯学博士の向井美恵さんは手づかみ食べを「目と手と口の協調運動」と言い、重要性を以下のように言われています。

 「自分で食べる」という、自立を促す意味があります。最初は口に詰め込み過ぎたり、食べこぼしをしますが、そうしながら赤ちゃんは自分のひと口量を覚えます。
 いまは食べることに意欲のない子や、食べ物に執着のない子の問題が指摘されますが、食べ物を自分の手で口に運ぶことは動物が生きるための基本です。目で食べ物の位置や大きさを確かめ、それを手でつかんで硬さや温度を知る。どのくらいの力を加えると潰れるのかということも体験できる。そして、食べ物を口に運ぶには指しゃぶりやおもちゃで遊んだ経験が生きる。だから、たくさん遊ばせてください。少し大きく切った野菜などを手に持たせてあげると、自分のひと口量を調節することを覚えます。それが窒息を防ぐことにつながります…

また、雑誌「育脳baby-mo 子どもを伸ばす!0~3歳で絶対しておきたいこと5(主婦の友社)」によると、手づかみ食べは脳の働きにも関係があるとしています。

・人間には「古い脳(必要最小限の機能をつかさどる原始的な脳)」と「新しい脳(より高度な機能を受け持つ新しい脳)」があり、「古い脳」がしっかり刺激されないと「新しい脳」もきちんと働かないため、赤ちゃん時代にしっかり刺激することが大切

・食事においては「空腹と満腹」をきちんとコントロールできるようになることが欠かせない

・手や指を動かす中枢は「新しい脳」にあり、手づかみ食べを繰り返しすることによって、手指の機能はますます発達し、その後セロトニン(※1)やミラーニューロン(※2)がととのってスプーンなどが使えるようになる

・手づかみ食べをじゅうぶんさせることによって赤ちゃんの脳は刺激され、鍛えられる

手づかみ食べはその後のスプーンや箸の移行がスムーズになる他、脳にとってもいいことがたくさんある行為だったのですね。

反対にデメリットとして挙げるとしたら、食べこぼし、衣服の汚れ、遊び食べ等によってママのストレスが多くなることでしょうか。
せっかく赤ちゃんに食事の楽しさを教えるために手づかみ食べをさせても、ママのイライラが赤ちゃんに伝わってしまったら勿体無いですよね。

※1:心のバランスを整える作用のある伝達物質。セロトニンが不足すると精神のバランスが崩れて、暴力的になったり、うつ病を発症すると言われている
※2:大人の動きを見ている時に、赤ちゃんの脳の同じ動きをつかさどる部分が刺激されるのがミラーニューロンという神経の働きによるもの

手づかみ食べを始める時期、やめる時期はいつ?

手づかみ食べを始める時期は、離乳食に慣れてくる9ヶ月頃からが多いようです。

赤ちゃんが自分から食べ物に手を伸ばしたら始め時かと思います。最初は食べ物をつかめても上手に口まで運ぶことも難しいですが、上手に食べられたときに「一人でできた達成感」がその後の食べる意欲につながっていきます。

手づかみ食べをやめる時期は特にこの時期という決まったものはなく、あえてやめさせる必要もないようです。
手づかみ食べは一般的には2歳代がピークとなります。そして2歳半頃まではスプーンを持っていても手づかみ食べをする子が多いです。

スプーン&フォークはいつから使うべき?練習方法は?

2歳代でも手づかみ食べをするとは聞いても、早くスプーンやフォークが使えるようにならないかと焦る気持ちもありますよね。
スプーン等の練習を始めるのは、赤ちゃんが自分で持ちたがるようになる1歳頃からが多いです。

その練習方法ですが、大まかな流れとしては次の3段階です。
1:パパママにスプーン・フォークで食べさせてもらう
スプーン・フォークの練習時においても、手づかみ食べは継続してさせた方が良いようです。

2:パパママがスプーン・フォークの使い方を示し、手づかみ食べと並行してスプーン・フォークを使用する
スプーン・フォークをいきなり赤ちゃんに渡しても、赤ちゃんは食べることはできません。まずはスプーンに食べ物を適量乗せてあげて、赤ちゃんに渡します。最初はそのまま大人の手を赤ちゃんの手に添えて、口に運ぶのを手伝います。

3:一人でスプーン・フォークを使えるようになる
赤ちゃんがスプーンを口に運ぶことに慣れてきたら、大人の手を添えるのをやめて、食べ物を乗せたスプーンを完全に赤ちゃんに渡します。それも上手になってきたら、食べ物を乗せる前から赤ちゃんにスプーンを持たせ、大人の手を添えて一緒にスプーンで食べ物をすくいます。
これを何度も何度も繰り返すことで上手にスプーン・フォークが使用できるようになります。

うまく食べられたら「上手に食べられたね」「おいしいね」「自分で食べることができてすごいね」等、声をかけてあげましょう。食事は楽しい、自分で食べられてうれしいという気持ちを持たせられるようにパパママが声掛けをしながら練習できると、赤ちゃんのスプーン・フォーク使用への意欲にもつながるかと思います。

ただ、発達段階から見て、スプーン・フォークを上手に使いこなして食べられるようになるのは3歳頃です。また、赤ちゃんは失敗を繰り返すことで学習していきます。スプーン・フォークは赤ちゃんが練習を始めたらすぐ扱えるようになるものではないということを踏まえ、気長に練習できるといいですね。

一人で食べられるようになるために!おすすめグッズ3つ

赤ちゃん用品売り場に行くとスプーン・フォーク、そして食器などいろいろなグッズがそれぞれたくさんの種類が並び、どれを購入したらいいのか迷いますよね。

我が家で使ってみた、赤ちゃんが自分で食べられるようになるためのおすすめのスプーン・フォーク・グッズをご紹介します。

★エジソンのフォーク&スプーン Baby

スプーン・フォークがカーブしているので、口に入れやすいようです。持ち手も滑りづらいラバー素材になっており、握りすいようで息子はしっかり持つことができました。このスプーンに食べ物を乗せてあげると積極的に口に運んでくれました。

このスプーン・フォークのおかげで我が子は自分でスプーン・フォークを持つ練習ができました。

ただしこのスプーン・フォークは右利き用に作られているため、右手で持てば食べやすいのですが、左手で持ってしまうと口と反対側に向いてしまうので自分でうまく食べることができません。
赤ちゃんの利き手の確定は3、4歳頃のようで、息子はまだまだ左右どちらの手でもスプーン・フォークを持ちます。息子のように左手でもスプーン・フォークを持ちたがる子には扱いづらいかもしれません。

★持ち手の太いステンレススプーン&フォーク

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こちらはベビー用品売り場ではなく、雑貨屋さんで購入したスプーン・フォークです。持ち手も太くて握りやすく、赤ちゃん用として売られているプラスチック製のフォークと違って食べ物にしっかり刺すことができます。
こちらのスプーン・フォークに変えてから手づかみ食べよりもスプーン・フォークで自分で食べようとする頻度が上がり、スプーン・フォークの扱いも少しうまくなりました。

ただフォークが食べ物にしっかり刺せる反面、危険もあるので、ある程度スプーン・フォークを持つことに慣れてからステンレス製のものを使うことをおすすめします。

★リッチェル TLI(トライ)シリーズ ND 離乳食ごちそうプレート

吸盤付きのワンプレートです。食器にも興味を示すようになり、食事中ひっくり返そうとするのでひっくり返し防止のために手づかみ食べを始めた頃に購入したのですが、スプーン・フォークですくいやすいお皿の形状に助けられています。
また、吸盤付きであることでお皿がテーブルに固定されるので、お皿を自分で上手に抑えられなくても食べ物をすくうことができます。

最近は息子の力が強くなったために意図的にお皿を動かそうとすれば吸盤で固定していても簡単にお皿をはずしてしまうので、ひっくり返し防止としては不十分になってしまったのですが、スプーン・フォークの練習には最適なお皿です。

手づかみ食べのデメリットは汚れ!ママのストレス軽減アイディアは?

スプーン・フォークの練習をしつつも2歳代はまだまだ手づかみ食べ現役!思う存分させてあげたいけれど、汚れるのが嫌、毎回片づけが大変というのもママの本音です。

少しでもそのストレスを軽減するアイディアをご紹介します。

①床汚れ対策:掃除しやすい床にする
我が家は離乳食開始前はカーペットを敷いていました。ですが先輩ママから「離乳食が始まったら床も汚れるからカーペットは辞めた方がいい」と教えてもらったため、離乳食開始前にはカーペットから汚れを拭きとれる素材の組み合わせマットに変えました。
これで食べこぼしがあってもさっと拭けます。

よく新聞紙やビニールシートを敷くという話も聞きますが、そのシート等の準備・片づけが手間になってしまいそうなので、我が家は組み合わせマット以外には何も敷いていません。

②椅子汚れ対策:カバーをつける
我が家は食事時にはハイローチェアに座らせています。ハイローチェアは布製のクッションシートが付いているので、このクッションシートが汚れないように、汚れが簡単に拭き取れて洗濯も手軽にできる素材のお食事シートカバーを付けました。
これで椅子への食べこぼしも気にならなくなりました。

③衣服汚れ対策:お食事エプロンを付ける
食べこぼし、特に汁物はこぼれると衣服の汚れが大きいので、お食事エプロンは必須です。我が家ではベビービョルン ソフトスタイを使用しています。汁物もしっかりした形状のポケットでキャッチしてくれるので安心です。また、食器と同様に洗えるので手入れもしやすいです。

ですが、これだけだと胸元しかカバーされません。袖口の汚れ対策にはならないので、長袖のスモッグタイプのお食事エプロンがあればより衣服の汚れが防げると思います。我が家は長袖タイプのお食事エプロンは準備していないため、冬場長袖を着せている時は袖をまくって袖口が汚れないようにしています。

自分で一生懸命食べている我が子の姿は可愛く、手づかみ食べも成長にいいいことがたくさんあるとわかったらどんどんさせてあげたいですね。しかし、毎日毎食のことになるとパパママの負担も増え、大変ですよね。

子どもがいつの日か自分一人できれいに食べることができる日まで、食事時のストレスの原因に対処しながら、少しでも気持ちに余裕をもって、子どもの食事に付き合っていけるようにお互い頑張っていきましょう。

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