私の息子は「重度の食物アレルギー」があります。その私の体験談を綴った第2回目のシリーズ。
『1人でできる子が育つ テキトー母さんのすすめ』の著者、立石美津子が「アレルギーの知識がない人たちとのお付き合いについて」お話ししたいと思います。
子どものアレルギーが増えていますが、その中でアレルギー知識のない人も、もちろんいます。
例えば、子どもの集まりに参加すればママ友が大皿にどさっとクッキーを出し、カルピスを配ります。
デパ地下を歩けば、息子の手に「ちくわ」がにぎられています!
試食品を配るパートのおばさんが「僕、これ美味しいから食べて~」と息子にちくわを手渡すのです。
「ああ、それ食べたら死んじゃう!」と思いそれを払いのけました。「なんで無礼な親なんだろう」と思われたに違いありません。「すみません。食物アレルギーがあるので食べられないんです!」と申し訳なさそうに頭を下げなくてはなりませんでした。
(※現在は、食物アレルギーについても認知されつつあるので、店側も親の許可なく子どもに試食品を与えることはしません。
しかし、パートスタッフまでそういった教育を徹底していない店もありますので注意しなくてはなりません。)
例えば、どんなケースがあるでしょうか?
パン屋に行きました。成分を確認したかったのでアルバイト店員にケースの中を指し「これ牛乳は使っていませんか?」と質問しました。すると「はい、使っていません」との返事。
よくよく目を凝らすと、チーズのかけらが入っていました。
それに気づいた私が「牛乳、使っているじゃあないですか!」と怒ると「え?チーズですけど」との答え。
「えっ???」
チーズ、バターが牛乳からつくられているということを知らない若者だったのです。
ある日、カレーライス弁当を買いました。それを食べた息子は、アナフィラキシーショックを起こしました。
弁当箱の裏を見たら“落花生”の表記。
店員に「ピーナッツは入っていませんよね」と聞いた時には「入っていません」の答えでした。
若い店員は“落花生=ピーナッツ”とは知らなかったみたいです。
その弁当屋にひとこと、言いたい!「若い人は落花生ではわからないので、ピーナッツと書いてよね!」
このように、どんなに私自身が気をつけていても、周りの人の「知識不足」からくる危険が潜んでいるのです。
しかし、この場合はパート、アルバイトの店員が悪いのではありません。
私は、スタッフへの教育という視点で、経営者の意識が低いのだと思います。この点はデニーズを見習ってほしいと思いました。(※デニーズについてはシリーズ1回目に記載しています)
「皆が美味しそうに食べているのに可哀想だ」と思う親心が私にもありました。
「腹ペコ青虫」の絵本を見て、挿絵のキャンデーやケーキをつまむふりをしたり、図鑑のクッキーやショートケーキの絵に見入って食べるふりをしている息子を見ると切なくなりました。