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公開 2015年12月30日  

私が思う、子どもの「自己肯定感」を育むのに必要なたった1つのこと

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どんな子どもに育ってほしいか。お子さんを出産されたとき、あなたはどんなことを思いましたか。私が長男を出産したときに思ったのは、ただひとつ。「自分のことを自分で好きな子に育ってほしい」ということでした。今回は、私が子どもの自己肯定感を育むのに必要だと思っている、たったひとつのことについてお伝えしたいと思います。


自己肯定感とはなにか?

まず、「自己肯定感」とはなんでしょう?

最近では「自己肯定感」という言葉を耳にする機会が増えたように感じます。自己肯定感の重要性についての認知が広まってきているということなのかもしれません。

冒頭で私は長男が生まれた時に「『自分のことを自分で好き』な子に育ってほしいと思っていた」と表現しましたが、実はこれ、私が考える「自己肯定感」とは、ちょっと違っています。

「自分のことが、自分で大好き!!」って、とっても素晴らしいです。でも、「好き」と言えなければ、自己肯定感が低いのかと言えば、そんなことはありません。「自己肯定感」は、ダメな自分も含めて、受け入れるということ。どんな自分も認め、許し、愛するということです。

例えば私の例で言うと、私はADD傾向で、忘れ物が非常に多いです。学生のころもしょちゅう忘れ物してました。そんなとき、「あ~。また忘れ物しちゃった!!」のあとに「ほんと私ってダメな人間だ。みんなにまた迷惑かけちゃう…私って、なんでいっつもこうなんだろ…もうイヤ!!」といって自分を責めるのは、自己肯定感が低い状態なのです。

同じ忘れ物をしてしまった時でも、「あ~、ダメだ~、失敗。でもまぁいいわ!そういうこともあるよ。次から気をつけよっと。ドンマイ、自分!!みんなにごめんって言える自分、えらい!」と言って、自分のことをダメだ、と思いつつも、そんな自分も愛してあげる。これが、私が思う自己肯定感の高い状態です。

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上記の例でもわかるように、同じ事柄が起きた場合でも、自己肯定感があるかどうかで、受け取り方がずいぶん変わります。そうすると、その後の行動も変わってきますよね。

どうせ自分なんかいつも失敗するから…って思ってると、びくびくして委縮してしまう。授業の内容も全然入って来ません。

かたや、「まぁいっか♪」って、起こったことによって、自分が損なわれることはないと思っていれば、忘れ物をしても誰かに借りたり、先生に相談したりして、授業に取り組めばいいわけです。そうすれば、きっとそこでまた、得るものがありますよね。

自分ができないからこそ、子どもに託した思い。

さて、長男が生まれたときに「自分で自分を好きな子に」と思った私。なんでそんなことを思ったか、それは、私自身が自己肯定感底辺の人間だったからなんです。

自己肯定感が低いと、もうあらゆるところで自分責めに入る。「こうするべき!」も強くなる。自分に自信がないから、他人の評価が気になるわけですね。

そうすると、なんてことないこと、普通にやってればうまく行くようなことも、まぁ軒並みうまくいかないとう事態に陥るわけです。だから私は「自分の子どもにはそんなふうになってほしくない」と思ったんですね。

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自己肯定感が低い人間が、子どもの自己肯定感を育めるかという問題。

そんな私でしたが、今は自分のことが大好きです。

ダメだなって思うところはそのままです。私自身の特性は、何も変わってません。落ち込むこともあります。ただ、自分と向き合い、自分を認めるように意識を変えたことで、自分で自分を受け入れることができるようになったのです。

そんなふうに、自分が変化してくると、こういう話を耳にする機会が増えました。「私もあめさんみたいに変わりたいけど、無理。自分は無理だけど、子どもには自己肯定感を育んであげたい。」というようなことですね。

それ、どう思います?私もね、そんなふうに思っていたんです。だから、そうおっしゃる方のお気持ちは、痛いほどよくわかります。でもね、やっぱりそれはちょっと視点が違うんじゃないかなぁと思うんです。

育児は育自。まずは、自分。

私が思う、子どもの自己肯定感を育むのに必要な、たったひとつのこと。それは、「自分の自己肯定感を育む」これにつきます。自分とは、お母さん、お父さんのこと、これを読んでくださっている、あなた自身のことです。

「今日は子どもと遊んであげられなかった」「離乳食を食べてもらえなかったのは、私のやり方がいけないんだ」「また子どもに怒鳴ってしまった」

こんな自分はダメだ。母親失格だ。そんなふうに、自分にダメ出しばかりしていませんか?自分を否定してませんか?

がんばってます。あなたは、がんばってます!!!!

だから、自分に言ってあげてください。

「私はがんばっています。」
「私は子どもと遊んであげたいと思っていた。」
「私はがんばって、離乳食を作っている。」
「私は怒鳴ってしまった自分を責めています。」

「そんな自分を許します!!!」

だれがほめてくれなくたって、自分でほめればいいんです。だって、あなたががんばって生きてきたのは、あなた自身が一番よく分かっていることなのだから。

あなたがあなたを一番にほめてあげなくて、一体だれがほめるんでしょう。

「ダメだ。」と思ったら、「大丈夫。」「ダメだと思ってる自分も受け入れます!」と、本当には思えなくても、とりあえず唱えてみてください。心の中だけでもね。

そうすれば、きっと少しずつでも、自分で自分のがんばりを、認められるようになると私は思います。

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ママが笑顔なら、子どもも笑顔!!

先日、地域の自閉症児親の会の会長さんが(私の長男は自閉症です)、懇親会で子育てについてのご経験談を話してくださったあと、こうおっしゃいました。

「いろいろ話しましたけど、私がみなさんにお伝えしたいことはひとつなんです。『ママが笑顔なら、子どもも笑顔!!』これにつきます!」って。

私、これは本当に真理だなぁと思いました。いろいろ療育がんばったり、子育て本読んだり、習い事通わせるより、子どもがのびのびと育つ方法。それは、ママが好きなことをやって生きる!!ママが笑顔で、自分自身を認めていること!

もう、これ以上の教育ってないです。そういうママの輝きを、子どもはちゃんと見ています。受け取っています。

みなさんに贈りたい絵本からのメッセージ

最後に、ある一冊の絵本をみなさんにご紹介したいと思います。

自己肯定感って、生きる上ですべての面において大切になってくることなんだなぁと感じていた最近。私は、一冊の絵本と出逢いました。それは、「いいこって どんなこ?」という絵本です。

この絵本を初めて読んだとき、私は全身に鳥肌が立つ思いでした。自己肯定感を育むというのがどういうことか、私が最近考えていたことが、この一冊の絵本のなかに、優しく、まあるい形となって、わかりやすく表現されていたのです。

この絵本の主人公は、うさぎの子どもですが、ぜひ、お子さんにだけにでなく、みなさん自身にも自分自身に語り掛けるつもりで、この絵本を手にとっていただけたらと思います。

今ある自分を、そのままの形で受け入れること。それは全然、無理なことなんかじゃないんですよ。だって、あなたの輝きを、かんばりを一番よく知っているのは、本当はあなた自身なのだから。

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