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公開 2016年02月06日  

子どもにとってゲームは毒なの?幼少期にTVを禁止された子どもの今

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私達が子どもの頃にはなかったデジタル機器。最近は新しい物がどんどん出てきています。あなたのお家では、ゲームやタブレット端末などのデジタルツールをどう使っていますか?子どもはゲームが大好き!「ゲームばかりして…」とついイライラしてしまうママも多いのでは?今回は、子育てをする上で悩みの種になりがちな、デジタルツールとの賢いつきあい方について考えてみましょう。


「頑張って自然に触れさせているのに、子どもは帰宅するとiPadです(泣)」

とあるお母さんから、こんなご相談を頂きました。「頑張って自然に触れさせようとしているのに、子どもは帰宅するとiPadです…。」このお母さん、我が子に自然に触れてもらいたい!と、お子さんたちに本当によくそのような機会を作っているんです。お庭で野菜を作ったり、お散歩に行ったり…。

お子さんはお2人で、小学校の低学年。もちろん2人で人形で遊んだり、家事の手伝いをしたり、という様子もみられます。

私は、そんな2人の様子をよくお写真で拝見していたので、「すごくバランスが取れていて、よい子育て時間だなー」と思っていたのです。でも、お母さんからのこのご相談に、へ~!と思ってしまいました。

自然に触れていても、遊び相手がいても、やっぱり子どもはゲームが好き(笑)

私がへ~!と思ったのは、そんなふうに自然に触れて様々な経験をしているお子さんでも、やはりゲームの斬新さや色・音には魅力を感じるのだな、ということです。自然に触れていても、遊び相手がいても、やっぱり子どもはゲームに惹かれるのですね。

ゲームにのめりこむ我が子にお母さんがいくら注意しても、世の中にはそういうものが存在するのだと1度知ってしまったら、子どもたちの場合はなかなか自分自身で制御することはできません。

特に、周りのお子さんがゲームに夢中になる姿を見たら、自分だってやりたくなってしまうのが世の常です。

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幼い頃に民放番組を禁止されて育った子どもはどうなったか?

ちょっと話がそれますが…30数年前、とある子どもがテレビを見ることを禁止されて育ちました。仮に、その子をエーコさんとしましょう。

エーコさんは、コントはもちろん、アニメやテレビドラマなど、基本的に民放で放映される番組の視聴を禁止されていました。正確に言うと、見る番組に親の検閲(笑)が入り、いわゆる子どもに人気のあるテレビ(例えば当時だとドリフターズとか)を一切見せてもらえなかったのです。

ちなみにエーコさんのお家にはファミリーコンピュータがありましたが、それはスーパーマリオをやるためではなく、株式市場の閲覧と取引に使われていました…。

エーコさんは大学1年生になって、今まで禁止されていた反動で24時間、テレビを見まくるようになりました。テレビドラマは月曜から金曜まですべて録画。深夜のお笑い番組が終わって、テレビが砂嵐になっても、エーコさんはテレビを消すことができませんでした。エーコさんにとっては、観る番組すべてが新鮮でした。国営放送とは違った空気や色使い、そして「間」がそこにあったのです。

もうおわかりと思いますが、このエーコさんとは、私のことです。結局私は、26歳くらいまでテレビにハマり続け、その後はまた逆反動で、テレビを見ない生活に戻っています(笑)

テレビやゲームには弊害もあるが、メリットもあるはず

私のこの経験談は極端な例かも知れませんが、それまでこのように両極端な生活を送っていた私は、テレビやゲームも意図を持って生活に取り入れれば、メリットもあると個人的には思っています。

あくまで一例ですが、本当に面白い脚本のドラマを見ると、セリフ回しや音楽の使い方などが何年、何十年たっても記憶に残ることがあります。また、ゲームで「失敗しても主人公の命が復活する」というのは、悪い見方をすれば命の軽視につながります。しかし良い見方をすれば、失敗しても大丈夫というチャレンジ精神を養うことができます。

テレビやゲームには、本や絵にはない、「音や動き」といった魅力があるのではないでしょうか。

もちろん、その魅力は他のものでも味わうことができます。例えば、良い音楽を聴く、舞台を観る、スポーツをする。本だって、自分で会話の声や「間」、色や情景を文章から想像すればいい。

それも一理あると思います。でも、「ゲームをしないから」「テレビを見ないから」それらの感性が育たない、ということもないと思うのです。

何のためにテレビを見たり、ゲームをするのか?そのメリット・デメリットを親子で考えてみる

結局のところ、テレビやゲームなどのデジタル機器は、向こうから情報が飛んでくる「媒体」です。

もちろん、自分の意思で意欲的に取り組むこともできますが、ともするとこちらが受け身にもなりやすい存在。また、止めたいと思っていても止められない…という依存性が強い媒体でもあると思います。

我が子に、何のためにゲームやテレビに触れさせるのか?iPadやゲームアプリなどを使わせるのか?これら「デジタルツールのメリットとデメリット」を、まずは自分や夫婦単位でよく考えてみることが大切だと思います。もちろん、お子さんがある程度考えることができる年齢になっているのであれば、親子や家族一緒に考えてみることもオススメします。

「あなたはなぜ○○をやりたいのか?それにはどんな良さがあるのか?」。ただ楽しいから、というわけではない、お子さんの意外な思いが聞けるかもしれません。

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どんなルールでも、注意すべきはこの2つ!

デジタルツールの使い方について、家族の軸を決めたら、あとは実践あるのみ。これはその家族のルールですから、周囲の意見に惑わされる必要はありません。

ただ、お子さんだけでなく大人の方にも注意していただきたいのが、次の2つのことです。

1.寝る時間の2時間前、できれば3時間前にはデジタルツールの使用を止めること
デジタル機器のバックライト(つまり後ろから光があたるテレビやゲーム機、PC、スマホなど)は、「交感神経」というワクワクドキドキする時に働く神経を刺激します。人間の体は、「副交感神経」というゆったりほわほわーな神経が優っていないと、眠りに入れないのです。つまり、寝る直前までデジタル機器に触れていると、眠れなくなるということです。

2.首の角度
テレビはともかく、タブレットやスマホはどうしても首を下に向けて操作しがち。ずっと下を向いている体勢は、「スマホ首」なんていう症状も出てきたくらい、肩こりや頭痛の原因になります。なるべく目線をまっすぐ前に向けるような姿勢で操作をすると疲れません。

まとめ

いかがでしたか?タブレット端末やゲーム、テレビなどのデジタルツールに振り回されるのではなく、それらをうまく使って現代人らしい充実した生活を送れたらいいですよね。家族で使い方を話し合い、注意すべきことは守って、デジタルツールと賢くつきあっていきましょう!

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