下の子の世話をしていると、もっと自分にかまってと駄々をこねる上の子にイライラしてしまう…。
そんな自分を「母親失格」と責めてしまってはいませんか?
「上の子かわいく思えない症候群」として話題になったこの感情は、実は下の子を出産したママの多くが経験する、ある意味母親の本能的な感情として、ごく自然なことと言われています。
生まれたての赤ちゃんは、自分では何もできません。放っておかれたら命をなくしてしまう、誰かが世話をしてあげないと生きてはいけない存在。出産を終えた母親は、この時期その大切な生命を守るため、下の子を優先する感情が生まれるのです。
これは一時期だけ下の子を優先するために湧きおこっている感情なのですから、上の子に気付かれてはいけません。
子どもの心は繊細です。
ママの自分への感情の変化を、上の子が漠然と気付いてしまうと、子どもの中の不安が増していきます。そうして、「赤ちゃん返り」や「下の子へのいじわる」といった行動につながり、時には上の子自身の心に悲しい記憶として残ってしまうこともあるのです。
そんな場合に、今すぐできる対処法について考えてみましょう。
どんなに上の子を愛しているのかを伝えるためには、今だけ、多少演技が入っていてもいいと思います。
1日1度でもいいから、ぎゅっと抱きしめて、「今は赤ちゃんの世話で忙しいけれど、あなたを愛しているよ」と伝えましょう。
また、下の子の世話をしながら、「あなたが赤ちゃんの時もこうして世話をしていたんだよ」と語りかけるのもいいですね。上の子は、自分も同じように世話され愛されていたことを知り、下の子がママを奪うライバルではなく自分と同じ成長をたどっている“後輩=弟妹”なのだと意識できるかもしれません。
パパがお休みの日に下の子をパパに預けられるのなら、上の子とあなたとふたりっきりの時間を持ちましょう。
ふたりで近くの公園に遊びに出かけてもいいですし、ふたりっきりの部屋で上の子にだけ向き合う時間を作ってもいいですね。半日でも2時間でもいいのです。ママが自分だけを見てくれママを独り占めできる時間を持つことで、上の子の愛情の欲求は満たされ自分は愛されているのだと感じることができ、心が落ち着いてくるでしょう。