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公開 2015年11月16日  

「こころって、どこにあるの?」思いやりを伝えたい時、読みたい絵本「ねずみくんのきもち」

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子どもに思いやりを伝える時、どんな風に伝えていますか?ある本を読んで、そして子どもと会話をするのが、とってもオススメなんです…!


思いやりや、こころってどんなもの?

子どもに思いやりを伝える時、どんな風に伝えていますか?

誰かと喧嘩した時…
子どもが何かわがままを言っている時…
誰かをないがしろにするような言葉を発した時…

もしかしたら、そんなシーンを見つけて、
子どもと向き合って、「思いやり」について話すことがあるかもしれません。

私はつくづく、「思いやり」を伝えるのは難しい…と思っていました。
そんな時に、前評判を聞いて、ある本を見つけました。

人気の「ねずみくん」シリーズから「ねずみくんのきもち」

ねずみくんシリーズ、ご存知でしょうか?

1974年の出版以来、読みつがれているロングセラー。
やさしさあふれるねずみくんの世界は、こどもたちから大人まで愛されています。
動物たちの個性をいかして描かれたユーモアのある展開には、ちいさくても大切なものがあるんだよとメッセージが込められています。

古くから読まれている本ですので、
子どもの時に読んでもらった!今度は我が子に…という方も多いのではないでしょうか。

その「ねずみくんシリーズ」に、特別編があるのです。

これは、いつものねずみくんシリーズとはちょっと違う物語なんです。

公園で意地悪ねこくんにいじめられたねずみくんは、自己嫌悪になるのですね。
そこへフクロウさんがやってきて、大切なこと=思いやりを教えてくれるという趣向。
フクロウさんは、ねずみくんに考えさせ、対話からそのことをさとしてくれます。
ねずみくんはその中から、助け合って生きていることに気づき、個性の違いの素晴らしさを実感するのです。

大人がよんでも、「ふーむ!」と思う、なかなかいい内容。

でも、ほんとに読むだけで子どもに伝わるのかな?と思い、
よく読み聞かせをしているという、本好きなパパ友に相談してみたのです。

自分じゃない誰かのことを思う時に、読んでみたい本

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そのパパ友に聞いた時に言っていたのは、

「自分じゃない誰かのことを思う、ということを子どもに学んでほしい、
 僕はそれをどうやったらできるんだろうなと考えた時に、この本を見つけたんだよね。」


ということ。
なるほど!それって、どういう風にしたらいいの?
具体的に話を聞いていくと、

「お母さんのことを考える」とリンクさせて、この話を読み聞かせしていたとのこと。
理由は、子どもは誰だってお母さんが大好きだから、だそう。

例えば、この本を読んだ後に、

パパ友 「お母さん好き?」
子ども 「大好き!」


パパ友 「お母さんが痛がっていたらどう思う?」
子ども 「うーん、悲しい…」

パパ友 「じゃあ、お母さんが楽しそうだったらどう思う?」
子ども 「うれしい!」

パパ友 「それが、思いやりなんだよ。」


という風な会話をしているらしいんです。

そして、ねずみくんの話に戻して、

“自分じゃない、違う人のことを思いやるって、大事なことかもね。
 思いやりって、お互いに気持ち良いことなんだね”


そんなことを、話すそうです。

このストーリーを起点にして、「相手のことを考える」ということについて、
子どもに考えるきっかけをつくっていた
そうです。

ちなみに、2歳くらいから読んでも、なんとなく子どもは分かるらしい!
この本+会話のやりとりを聞いて、なるほど!と思いました。

大人が読んでも良書

最後に、作者のなかえよしをさんは、あとがきの「絵本のきもち」より、こんなことをおっしゃっています。

自分以外のことを想像することが
自分自身のことを考え知ることだとも思います。
それなのに、大人は知識をふりかざし、
あたかも知識が大切であるかのほうにふるまい、
こどもたちに知識という情報をつめこんでいます。

その分こどもたちの心から想像力が
失われているのではないでしょうか?

この温かさを見つけるのが難しい現実の世界で
大切なことはやはり想像力だと思いますし、
一番大切なことは何かとなりますと、
それは「思いやり」だと思います。

いかがでしょうか?

改めて、子どもに「思いやりやこころってどんなもの?」そんな風に問われたとき、自分なりに伝えられるよう、大人も一緒に読みたい絵本ですね。

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