子どもが嬉しい、楽しい感情を表すのは微笑んで聞いてあげられるのに、子どもが「あー、疲れた」「あの子大嫌い!!」「怖いよー」という言葉には、そんな事ないよ!そんな事言っちゃダメ。そんなの気のせいだよなどと、ついつい言ってしまいませんか?
感情によいも、悪いもありません。大切なのは、自分がどう感じているか、子ども自身が「自分の感情に気づく」こと。不快な感情を感じる事に蓋をしてしまうと、快い感情を感じる事も、いつのまにか鈍感になってしまいます。
そのために、親ができることは子どものあるがままの感情を、判断したり、同意したりするのではなくまず「子どもの感情」を受け入れてあげるということです。
では「子どもの感情を受け入れる」ために、具体的にどうしたらいいのでしょうか?
まず1つ目のポイントは"簡潔に聴く"ということです。
これは、子どもが不安に思う問題を、自分で解決するために、子ども自身が考え出す時間を与え、サポートする方法です。学童期以降のお子さんに有効です。
親は、子どもが話しかけてきたら、今している事をやめ、ちゃんと聞いている事を、自分の判断をさしはさまない相槌で伝えます。会話の主導権を子どもに残しておく事がポイントです。「まあ」「なるほど」「ふーん」「そうなんだ」「もっと聞かせて」など、子どもの感情の強さに応えるように、相槌を打ちましょう。
2つ目のポイントは、"積極的に聴く"ことです。
この聴き方は、子どもにイライラしている感情とその状況の両方を振り返る機会をつくることが出来ます。親は、判断も、質問も、解決もせず、子どもに感情を表す言葉を与え、感情と行動を区別するのを手助けします。
状況)あなたは、今、家の中に入らないといけないから
感情)怒ってるのね。
状況)ママを独り占め出来ないから
感情)がっかりしているのね。
〇〇の状況だから、〇〇の感情なのね。そんな風にです。
親の感情をさしはさまずに、状況と感情を結び付けて聴きましょう。普段の会話から、快い感情の言葉や、不快な感情の言葉を親自身が積極的に使う事も、親が聴いた時に、子どもが「自分の感情に気づく」のに役に立ちます。
3つ目のポイントは、"空想で応じる"です。
現実では与える事が出来ないものを与えるふりをします。
例えば「アイスクリームが食べたい~」と子どもがイライラしてどうしていいか分からない時。「今乗っている、うちの車がアイスクリームメーカーだったらいいのにね。それだったら、どんな色の車にしたい?何味のアイスが食べたい?」等と空想を使った遊びをし、空想で「欲しいモノ」を与えたりすると、子どもは自分の事を聴いてもらっていると感じます。
親が子どもの感情を共有する事で、子どもは自分の気持ちを受け入れられたと感じるのです。