朝から何もする気が起きない。
そんな経験をお持ちのママさん、少なくないのではないでしょうか。まさに、子育てに疲弊してしまっている状態です。
その状況に至るまでには、いったい何があるのでしょう。その日になっていきなり疲弊した、という訳ではないと思います。
なぜ、そうなる前に周りにヘルプを出せないのでしょうか。今回は、そこを掘り下げてみたいと思います。
そして今日も、親が周りにヘルプを出せない理由。
9,132 View自分自身でもなかなか正確には把握しにくい親の心理。なんでイライラするんだろう。なんでモヤモヤするんだろう。そんな親の心の奥にスポットライトをあてていくこちらの連載「オヤノサイコロジー」。
そして今日も、親が周りにヘルプを出せない理由とは?
子育てに疲弊してしまう親
子育ての最初の試練は夜泣き
おそらく、ママさんが最初に迎える子育ての試練は、夜泣きだと思います。
慢性的な睡眠不足は、あらゆる気力を奪っていきます。そこに、命を預かるプレッシャーや思い通りにならないストレスが否応なしにやってきます。
十分な休養が必要とされる産後に、いきなりこの試練に立ち向かわなければならないのは、正直、過酷です。
この時期に疲弊してしまうのは、ある意味、避けようがないのではないかと思います。この試練は、パートナーや周りの力を借りながら、なんとか乗り超えたいものです。
過酷には見えないという落とし穴
こどもが成長するに連れ、そういった過酷な状況からは徐々に解放されていくことになります。
そうすると、一見、ラクになったように見えます。ママさん自身も、そう思っているのではないでしょうか。
ただ、そんな中でも、冒頭のように疲弊した状態に陥ってしまうことは珍しくありません。
なぜでしょう。
一見、過酷には見えない、そこに落とし穴があるのです。
こどもは可愛くてもストレスは感じる
泣き止まない、寝てくれない、授乳がうまくいかない、目を離せない、お風呂に入れない、トイレにもいけない…。
夜泣きはなくなったとしても、ひたすら、こどものペースに合わせて動かなければならないのが、乳幼児の子育てです。
自由に動ける時間は限られており、やっている作業はことごとく中断させられる毎日。
もちろん、こどもは可愛いですし、親としての責任感もあるのですが、ストレスを感じることには変わりありません。
こうして、じわじわと精神的な疲労が溜まっていきます。溜まった疲労を取り除くには、心の休息が必要です。
精神的な疲労は把握しにくい
人は、肉体的な疲労があれば、「休まなきゃ」と考えるでしょう。
ただ、精神的な疲労は、自分自身でもなかなか把握しにくいため、対応が遅れがちです。また、周りからも把握しづらいので、サポートや気遣いも不足しがちになります。
つまり、子育ては、弱音を吐いたり周りの力を借りたりするタイミングが、非常につかみにくいのです。
「まだ大丈夫」と思っているうちに、いつのまにか許容量ギリギリになっていて、ある日、ついにその線を超えてしまう。
それが、子育てに疲弊してしまって、何もしたくなくなる状態だと言えます。
小さなストレスが長時間続くほうが危険
ちょっとした我慢、ちょっとしたストレス。
それらが精神的疲労となって少しずつ蓄積されていくという構造が、周りにヘルプを出しにくい要因だと考えられます。
自分の内面をかなり冷静に見つめられるような人でない限り、どうしても、精神的疲労は溜まっていってしまうのです。
小さなストレスが長期間続くほうが、実は対応が難しいということ。
過酷な夜泣き期間を乗り越えられたのに、その後、子育てに疲弊してしまう背景には、こういった理由があるのです。
こどもが大きくなっても小さなストレスは続く
小さなストレスが続くという構造は、乳幼児の頃に限ったことではありません。
こどもが大きくなれば、自我が芽生え、なかなか言うことを聞いてくれなくなりますし、どこまで言うことを聞かせるべきなのかという新たな悩みも生まれます。
さらにこどもが大きくなれば、確かにストレスは減るかもしれませんが、「もう手が離れてきたんだから」と思って、周りにヘルプを出すハードルはかえって上がってしまうという面もあります。
そう考えると、子育てにおける精神的な疲労は、乳幼児期だけでなく、ずっと付き合っていかなければならない厄介な相手なのかもしれませんね。
この手強い相手との付き合い方は、また別の機会に。
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