子育てにPDCAは危険!代わりに使うべきDDDDとは?ビジネス思考を子育てに応用してみたのタイトル画像
公開 2015年10月20日  

子育てにPDCAは危険!代わりに使うべきDDDDとは?ビジネス思考を子育てに応用してみた

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社会人になって学ぶビジネス思考である「PDCA」。計画を立てて、実践して、振り返ってから次のアクションを決めて行く。非常に有効な思考方法で、実はこのプロセスを子育てや育児に応用できるのではと思い、まず計画を立てようと多くの人がするのですが、このPDCAサイクルは捉え方次第でよくない結果を生む場合もあります。


そもそもPDCAとは・・・?

社会人になってから学ぶことの中に、より短期で成果を出す考え方や思考法がいっぱいあります。

中でも非常に有名なものが「PDCAサイクル」です。


P(Plan:計画を立てる)

D(Do:計画を実践してみる)

C(Check:実践の結果を振り返る)

A(Act:振り返りから次のアクションを決める)


というもので、時間が限られた中で大きな成果を出すために必要なビジネス思考だ!
と、新人時代はよく「超短期でPDCAを回せ!」と教えられたものでした。

子育てにもPDCAサイクルを応用してみるとどうなるか?

子育てに関しても、実は仕事と条件が似ているように思えます。


「英語力は幼児期で決まるというから、今のうちにディズニーの英語学習を・・・」


「3歳までにいかにクリエイティブなことを経験させるかで、その後の伸びが全然違う・・・」


「絶対音感を身につけさせるためには、小さい頃からバイオリンを習わせて・・・」


子どもの年齢、成長は待ってはくれません。
子どもの創造性豊かな未来を考えると、とにかく自分の子どもに全部経験させたい。

世の中で言う「創造的なこと」をすべて経験させたいと思う親が多いのではないでしょうか。


しかし、時間も有限でお金も有限。
無計画に何でも押しこんでいるとあっという間に時間切れ、ということにもなりかねません。


そこでぜひ取り入れていただきたいのが、先述のPDCAの概念です。
英語学習を例にとってみてみましょう。

PDCAの「P(Plan:計画を立てる)」

まずはしっかりと計画を練って、経験すべきものの取捨選択を、子どもより経験豊かな親がやります。

「将来、英語が話せるようになるときっと役に立つであろう。
そのためには、耳が柔軟なうちに英語をたくさん聞かせよう」

そう考えて計画を練り、あとは実行です。

PDCAの「D(Do:計画を実践してみる)」

まず、子どもが興味を示しやすいように、キャラクターものの英語のDVDを聞かせてみます。

はじめは、英語よりキャラクターに興味を覚えるでしょう。
そのうち、英語を口ずさむようになり、普段から音楽、BGMとして家の中で英語を流してみて効果を見てみます。

PDCAの「C(Check:実践の結果を振り返る)」

効果の見方は至極シンプルで、子どもの反応が良ければ継続します。
話せないうちは、子どもの表情や行動を読み取りながら。
話せるような年齢でしたら、子どもに「楽しい?」「好き?」と聞いてみてもいいかもしれません。

もし興味を示さなければ
「PDCAのA(Act:振り返りから次のアクションを決める)」
を再考します。

その繰り返しがまさにPDCAサイクルの実践となります。

PDCAの「P」の危険性

しかし、思うのです。

この方法は効率のいい賢いやり方で、おそらく子どもの英語力は一定伸びるでしょう。

一方で、例えば英語ではなく、キャラクターに興味を持ち、キャラクターの絵を子どもが書き始め、英語に全く興味を示さなかったら、親はどうするべきなのでしょうか?
ペンと紙をとりあげて、英語をひたすら聞かせるべきなのでしょうか。


ここで一旦、思い返してみましょう。
PDCAサイクルというものは、目的達成のための思考プロセスと習いました。

重要なポイントは、「目的達成」というところです。

子育ての目的達成とは何でしょうか。

私は、「子どもの心に火をつけること」だと思っています。

たまたま英語に興味を持てば、英語に投資をしてあげましょう。
絵に興味を持てば、おっきなスケッチブックを買ってあげましょう。

PDCAという言葉を子育てに適応する場合、
実は親にとって都合のよい「P(Plan:計画を立てる)」を前提としてしまうため、
子どもの創造性を壊してしまう、という危険性がある
のだと思います。

「P(Plan:計画を立てる)」からははじまらないのです。
とにかく子どものこころに火をつくかもしれない何かを、多く提供するところからはじめるのが重要ではないでしょうか。

素敵な言葉、「DDDDサイクル」

「子育てPDCA」でGoogle検索してみました。

そうすると、こんな素敵な言葉を書いているページを発見しました。

 子育てをPDCAでやるからおかしくなる。
 何歳からこのおけいこを始めて、
何歳から塾に入れて、
どこの高校に進学させ、
どこの大学に行かせて、なんて。
 計画(P)から始めるから子育てを失敗する。
それでやらせてみて(Do)、
それをチェック(C)していくなんて。
子どもは製品じゃないんだ。
子育ては4Dサイクル。
 Discovery:まず子を発見する。好みや性向を発見し、思いや気持ちを受けとる。そこから
 Dream:夢が生まれる。そしたら
 Design:環境を工夫し、計画を考える。あとは
 Destiny:生きていくとそこに次のDiscoveryが見つかる。
子育ては4Dサイクル。
教育も同じ。
授業も同じ。



Discovery:まず子を発見する。好みや性向を発見し、思いや気持ちを受けとる。そこから

Dream:夢が生まれる。そしたら

Design:環境を工夫し、計画を考える。あとは

Destiny:生きていくとそこに次のDiscoveryが見つかる。



非常に素敵な考え方だと思いました。

子どもがどこの高校に行くとか、どこの受験がどうこうということより、
自分の子どもと向き合って、その子の好みや気持ちを汲み取るところからスタートするという、大事なことを気づかせてくれました。

みなさんは、自分の「子」をしっかりと発見できていますか?

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