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プロゴルファー石川遼を支えたカウンセラーが語る、石川家の「近づき過ぎない」子育て

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プロゴルファー石川遼選手。史上最年少の15歳でプロの大会で優勝した後もトップゴルファーとしての地位は揺らぐことはない。中学生から高校生にかけて、プロになるために必要な経験が積めるようサポートをしていたのは、元・杉並学院ゴルフ部監督の吉岡徹治さんだ。その奥様であるよしおかゆうみさんも、石川遼とそのご両親を最も近くで支えた一人。今回はよしおかさんにお話を伺った。

目次 初めて会ったのは、遼くんが中学2年生の時
「石川遼が一番いい」
自分の行く道に不安のない、まっすぐな瞳
子どもの夢を真剣に受け止めて、自分の趣味をすべてやめた父
サポートをしても恩は着せない
「試合」と言わず、ピクニック気分を家族で楽しんだ小学生時代
徹底的に考えさせ、自分で答えを出させる
母親は子どもの成長を見守るというスタンス
魅力的な人間性は、磨いてきたもの

初めて会ったのは、遼くんが中学2年生の時

遼くんは、小学生の時大会で優勝し、中学生になってからもぐいぐいと頭角を現してきた存在でした。

当時夫は、杉並学院高等学校の教師兼ゴルフ部の監督をしながら、ジュニア(小・中学生)の面倒もみていましたが、その中に遼くんもいました。杉並学院のゴルフ部は学年で一人の推薦枠があったので、その頃はよくジュニアの試合を見て回っていたのです。

推薦枠は年に一人。遼くんと同じ年生まれは実力者が多く、一人に絞るのはなかなか難しそうでした。

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「石川遼が一番いい」

ある時、夫に「石川遼が一番いいと思う。君の目から見てどう思うか、いっしょに見に来て欲しい」と言われて、遼くんが出る試合を見に行ったのです。

当時私は、幼稚園教師として、また思春期カウンセラーとして長年仕事をしており、ジュニアたちの生活面精神面のサポートをしていました。
ですから、夫から技術面ではなく、違う側面から見て欲しいと言われることは、それまでにもよくありました。

自分の行く道に不安のない、まっすぐな瞳

遼くんは、夫を見つけると向こうからサーっと走ってきて、「監督こんにちは」と挨拶をしました。

そしてこちらを向き「いつもお世話になっています。石川遼です」と大変さわやかに挨拶をしてきたのですが、目が合った瞬間に、もうこの子はずっと遥か遠くを見据えているという印象を持ちました。

その時の遼くんはまだ中学生でしたが、いろいろと話してみても迷いがなかった。
あのくらいの子って、ぶれていたり迷いがあるのは当然のことですが。それがまったくなかったのです。

この子の行く道に伴走して、我々はいっしょに道を付けてあげる運命だと感じ、夫にそう伝えました。

空気感、オーラといってもいいかもしれません。確かに彼は、ほかの子どもと違うものを持っていたのです。
こうして、遼くん、そして石川家と私たちの、濃いお付き合いが始まりました。

なぜ、彼はそれまで迷いなくやってこれたのでしょうか。

もちろん、彼自身ゴルフが大好きということもありますが、それだけではありません。ご家族が遼くんの夢をまともに受け止めて、一緒にその夢を実現するために支えていた。

その一言につきるのです。

子どもの夢を真剣に受け止めて、自分の趣味をすべてやめた父

遼くんは、4歳からゴルフをはじめ、小学校4年の時にマスターズで優勝したいという夢をお父さんに伝えました。

するとお父さんは、それまでやっていた自分の趣味をすべてやめて、その夢に真剣に向き合うことを決めたのです。

経済的サポートだけではありません。ゴルフ練習場への送り迎え、またゴルフ場で大人の組にはいらせてもらってラウンドを回っている間は、お父さんは終わるまで車の中でずっと待っている。

送り迎えの車の中で試合の振り返りをしたり、毎日、練習ノートのやりとりをするなど、多岐にわたるサポートをされていました。

サポートをしても恩は着せない

そういった全面的サポートをしながら、恩着せがましいことは決して言わないのが石川家。

これはなかなか難しいことなんです。

親が熱くなりすぎて、子どもと距離を保てないと子どもは伸びません。

試合に行っても、きちんと距離を置いている親子というのは、他の子のプレーが終わるのを最後まで見ています。「ホー、あの子はすごいね」なんて言いながら。

余裕のない親というのは、自分の子の番が終わればさっさと帰ってしまいますね。

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「試合」と言わず、ピクニック気分を家族で楽しんだ小学生時代

ゴルフの練習は単調なので、どんなに好きな子でも飽きてしまうんです。では、夢を諦めず、努力が持続するためにはどうサポートをしたらいいのでしょうか。

遼くんが小学生のころの話をお母さんに聞いたことがあります。

遼くんの試合の時は、なるべくピクニック気分で家族全員が楽しめるよう工夫していたそうです。

本人が楽しめることはもちろんですが、石川家には遼くんの下に二人、お子さんがいるんですね。「お兄ちゃんの試合なんだから我慢しなさい」では、不満が溜まってしまうでしょう。

遼くんのお母さんは、試合に行く時も必ずおにぎりを自分でつくり、お茶を水筒に入れ、シートを敷いて、お昼は外で食べるようにしていたそうです。

ほかの出場者がクラブハウスでご飯を食べていても、石川家だけは、外でピクニック気分。

多くの親は、子どもが少しでも上達すると、「楽しさ」をすっとばして「試合で1位をとれ!」となる。けれども石川家は、ゴルフもレクリエーションと位置づけ、試合のあとにも家族で釣りに行ったりしたそうです。

子どもは「休日にゴルフもやった。釣りに行ったりお弁当を食べたり、楽しい時間を過ごした」となりますね。試合が楽しめれば、また練習にも一生懸命になりますね。

下の子にとっても、「お兄ちゃんの試合につき合わされた」ではなく、「家族みんなで楽しい時間を過ごした」という思い出が残ったはずです。

徹底的に考えさせ、自分で答えを出させる

さらに、石川家の教育方針は、子どもの主体性を重んじることでした。

遼くんは我が家に泊まる日が多く、リビングでスケジュールを組んだり、話し合ったりすることもあり、私はお父さんの遼くんへの接し方をよく目にしてきました。

お父さんは、ゴルフに関しては頭ごなしに言うことはありません。常に考えさせるのです。

「どうして、そう思うの?」

問いかけて、遼くんに自ら答えを出させるのです。

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例えば、こんなことがありました。

遼くんは、高校1年生の時にプロの試合でいきなり優勝してしまったんです。
その後はプロの試合にもジュニアの試合にも出て、とても忙しい状況になりました。

プロの試合はギャラリーもいて華々しいし、スタッフも充実しているし、本人としても出場したい。
一方ジュニアの試合はキャディさんもつかないので、真夏の暑さの中、自分でゴルフバッグを担ぎながらの参加です。

プロの試合、ジュニアの試合とスケジュールもびっしりと組まれてしまい、遼くんは「プロの試合に備えてこっちの(ジュニアの)試合は休みにしたい」と言ったのです。

するとお父さんは、
「今自分で言ったこと、もう一回思い返してみろ」と。

あくまでも淡々とした口調です。
「今のお前はどういう身分なんだ?」
「……」
「プロなのか?」
「いや、ジュニアです」
「この試合は小さいから出たくないとか、そういうことを言える身分なのかな?」

はっと気づきます。

淡々とお父さんは言う。
考えさせる。

遼くんの答えを導き出す。答えが出るまで根気よく待つんです。

母親は子どもの成長を見守るというスタンス

遼くんのお母さんは、明るくおおらかで、礼儀には厳しい人です。お父さんへの口の利き方などが悪いとさっと叱って、でもあとはニコニコしている。

石川家にお邪魔したことがありますが、子どもの書き初めやら絵やらがたくさん飾ってあり、とても温かい空気が流れていました。

礼儀はきちんと教え、あとは子どもの人生を支援し、成長を見守るというスタンスです。

スターの母親ではなく、普通に3人兄弟のお母さんという感じでした。遼くんがどんどん活躍していく中でも、普通を貫けたところがお母さんのすごいところだと思います。

魅力的な人間性は、磨いてきたもの

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遼くんの魅力は、技術だけではなくその素晴らしい人間性にあります。

インタビューもいつもそつなくこなし、彼とラウンドを回る人は、だれでも彼のファンになってしまう。

それは天性のものもありますが、それだけではない。

小さい時からお父さんと一つひとつ問答を積み重ねたり、知らない大人といっしょにラウンドを周ってコミュニケーション能力を高めたりといった努力を重ねた結果でもあるのです。

「マスターズに優勝し、世界中の人に愛されるゴルファーになりたい」という夢に向かって歩み続ける遼くん。

それを支えているのは、遼くんの中にある「純粋力」。

どんなに不調でもゴルフへの純粋な情熱が尽きることなく、曇りのない純粋な感性で学び続け、独自の純粋な世界を守り貫いています。まさに「変人」ともいえるほどの徹底さ加減が「天才」である所以かもしれません。

そんな遼くんの、なんのてらいもない、まっすぐな生き方を通して、すべてのジュニアたちに、いやすべての人たちにいつまでも勇気や夢を与え続けて欲しいなと願っています。

(文:宗像陽子 / 画像提供:よしおかゆうみ / 写真撮影:Conobie編集部)

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この記事を書いた人

[Conobie編集部]

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