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公開 2015年10月10日  

「一緒にいられなくてごめんね」は言わない。アメブロ1位の有名ファッションブロガーのりこさんの子育て

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アメブロ総合ランキングにて1位の座を占めている有名ファッションブロガーのりこさんをご存知でしょうか?毎日センスが良くて可愛いプチプラコーデをアップしているのりこさんは、そのブログが書籍化するほどの人気ぶり。そんなのりこさんに、子育てについて伺いました。


幼稚園教諭だった独身時代から一転、出産後は一躍ファッションブロガーに

編集部:のりこさんはファッションブロガーとして、パーソナルスタイリストとしてご活躍されています。今のお仕事に就かれたきっかけは何だったのでしょうか?

のりこさん:実はわたし、結婚するまでは幼稚園の先生だったんです。

編集部:え、そうだったんですか!?全く存じ上げませんでした。てっきりアパレル関係のお仕事でもされていたのかと・・・

のりこさん:違うんです(笑)ファッションは昔から大好きで、服飾関係の道も考えたこともありましたが、何より子どもが大好きで先生になることが夢だったので、それなら「おしゃれな」先生になろう!と思い、幼稚園教諭免許を取って幼稚園の先生になりました。

幼稚園の先生はとても楽しくやりがいがあり、夫の仕事の関係で引っ越し退職するまで約6年ほど勤めました。退職後に子どもができて、そこからは専業主婦をしていました。

編集部:妊娠・出産を機に専業主婦になってから、ファッションブログを始めたということでしょうか?

のりこさん:そうですね。子どもが生まれて専業主婦になってからは、子育てと家事をして、時々お友だちとランチをするという生活。子どもはかわいいし、同世代のお友だちも近くにたくさんいたため、とても充実した日々を送っていました。

娘が1歳くらいになった時でしょうか。
授乳も終わり、子どもがまとまって寝てくれるようになったため、夜に時間ができたんですね。

そこで、子どもが寝た後の夜の時間を使って自分の好きなことをできたらと思い、それからは毎日まいにち、趣味として自分のコーディネートをブログにアップし続けました。

この時は、このブログがきっかけとなりファッション関係のお仕事が出来るようになるなんて夢にも思わず。ただの趣味として始めたのでした。

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編集部:ブログの人気に火がついて、今ではアメブロで総合ランキング1位。そこからパーソナルスタイリストとしての活動も広げられていますね。

のりこさん:今でこそ、ありがたいことにたくさんの方にアクセスしていただけるようになりましたが、もちろん最初からそうだったわけではなく、淡々と更新していたらいつの間にかランキングが上がっていたんです・・・

なんてカッコつけたいところですが、実は地道な努力をしていました(笑)

アクセス数が上がっていくと純粋に嬉しかったので、もっと伸ばしたい!と欲をかき、1日に何度も更新してみたり、どの時間にどんな記事を投稿したら皆さんに興味を持っていただけるのかを考えてみたりしながら、子どもを寝かしつけた後の深夜帯に記事を書き貯めて予約投稿する日々。今思えば、ブログ中毒でしたね(笑)
もちろん今は良い意味で肩の力が抜けて、一日一度の更新をマイペースに楽しめるようになっています。

そこから少しずつ読者の方が増えていき、それと同時に読者さんから「ファッションの相談に乗ってほしいです!」と言われる機会が増えたんです。この私がファッションのお仕事をさせていただくなんておこがましいと思っていたのですが、この辺りから、「パーソナルスタイリスト」という憧れのお仕事に向かって、勇気を出して一歩踏み出してみようかなと意識し始めました。

子どもが小さいうちは専業主婦でいようと考えていたので、仕事をすること自体に葛藤もありましたが、同世代の友だちが復帰し始めたこともあり、それも後押しにもなって2014年の9月に起業。おかげさまで仕事は順調で、ブログの書籍化や講演など、お仕事の幅も広がってきています。

「娘にしわ寄せがいっているかもしれない」働いてから感じる、仕事と子育てのジレンマ

編集部:どこからも引っ張りだこののりこさん。とってもお忙しいと思うのですが、お子さまとの時間はどのように捻出されていますか?

のりこさん:実はいま、子育てについて全然納得できていなくって・・・娘にしわ寄せがいっているなって感じているんです。

編集部:そうなんですか?

のりこさん:はい。むしろ、自分が思い描いていた「ていねいな子育て」が全然できていないなって思っています。

私は子どもを保育園に入れずに、仕事がある時は実家に預けています。ありがたいことに、自分が思っていた以上にお仕事を頂けるようになり、おのずと仕事の日数が増えていきました。

仕事が軌道に乗り嬉しいという気持ちと、娘を預ける日が増えていくことによる罪悪感。一緒にいられる時間が減り、これでいいのかな…という葛藤が生まれていきました。

一人の女性としての成功は嬉しいけれど、一児の母としても立派に子育てしたい。でも今の自分はもしかしたら、仕事ばかりで片手間に子育てしているんじゃないかと、考えるたびに苦しくなりました。

でも、今いただいているお仕事は、過去の私から見たら夢みたいなお仕事ばかり。このチャンスが巡ってきた“いま”全力で掴まないと、きっと後からでは掴みたくても掴めなくなってしまう大チャンスだと思うんです。

だから考え方を少し変えて、一緒に居られる時間の長さではなくて「質を高めよう」と心がけることにしました。

もしかしたら親の都合のいい解釈かもしれませんが、きっと、好きなことを仕事にして一生懸命働く姿を、子どもも「いいな!」と感じて背中を見ていてくれているはず。思い込みでも良いんです。そう思うことで、私がすっきりして、子育てと仕事のバランスをとって、娘との時間に100パーセントの笑顔で向き合えるのなら。

一緒にいる時間よりも「質」を大切にした、ていねいな子育てを

編集部:ていねいな子育てができていない、とありましたが、のりこさんが考えるていねいな子育てとはどんなものでしょうか。

のりこさん:幼稚園教諭をしていた時からわたしが考えていた『ていねいな子育て』というのは、子どもの気持ちに寄り添いながら、子どものペースにゆったりとした気持ちで向き合える 「時間をかける子育て」のこと。例えば一緒にお散歩をして、5メートル歩くのに数十分でも付き合うとか、子どもの話しをたっぷり聞くとか。

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今でも、この気持ちは変わらず大切にしていきたいと思っています。一緒に居られる日は娘のペースにとことん付き合い、ゆったりとした気持ちで過ごすようにしています。

子どもは本当に純粋で、大人は気にも止めないようなことに気が付き、豊かな発想で可愛いことを ぽそっとつぶやいたりするんです。その子どもならではのつぶやきを忘れないように記録するようにしています。あとは、どんなに忙しくても寝る前の絵本は欠かさず読むようにしています。

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今いただいているお仕事は、3年後5年後にあるかというと分かりません。今巡ってきたタイミングで掴まないといけないとも思っているので、ジレンマは常に抱えながら、私なりの「ていねいな子育て」をしていきたいと思っています。

「一緒にいられなくてごめんね」とは言わない。娘が幸せを感じてくれたら、それでいい。

編集部:ていねいな子育てをする上で、気をつけている声かけなどはありますか?

のりこさん:働いているママにありがちだと思うのですが、一緒にいられないことに罪悪感を感じること、ありますよね?でも、その「一緒にいられなくてごめんね」というメッセージを子どもには絶対に伝えません。

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だって、そんなことを言ったら、子どもが「自分は可哀想なことをされてるのかな?」って、思ってしまいそうじゃありませんか?だから、祖父母のところに預けた日などは必ず「ばあばのところはどうだった?」と、その日の楽しかったことを聞くようにしています。それで娘が、これが楽しかった!と言いながら幸せを感じているようなら、それでいいのかなと思っています。

また、意識的にかけるようにしているのは、自己肯定感があがるような声かけ。とにかくたくさん褒めるようにしています。
「これ素敵だね、すごいね」とか、ちょっとでもできるようになった時には褒めるようにしています。
あとは愛情表現。惜しみもなく、ママはあなたが大好き、宝物だよ!ということはしょっちゅう口に出して伝えるようにしています。

日々葛藤はある。でも、「お母さんのこと」をやっている自分も、仕事をしている自分も好きだから、頑張れる

編集部:これだけの仕事をやりつつ、葛藤しているとはいえ、子育てもしっかりこなしているのりこさん。そのバイタリティはどこから生まれてくるのでしょうか?

のりこさん:わたし、「お母さんのこと」をやっている自分も好きなんですよね。家に帰ってご飯をつくると、安心するんです。

外で働いている自分に慣れてしまうと、母である自分を忘れてしまうようで怖いんですね。でも、ご飯を作って、栄養あるものを食べさせてあげると、「あ、わたし、ちゃんとお母さんをやっているな」って思うことができて、安心するんです(笑)

仕事と子育て、どちらもちゃんとやるのは大変だけれど、ちょっと無理してでも両立できている方が、気持ちは楽なんだと思います。

のりこさんの今後は?

編集部:のりこさんの今後について教えてください!

のりこさん:これからも、ファッションという軸で活動を続けていけたら嬉しいと思っています。いただいたお仕事一つ一つを、これからも全力で丁寧に取り組んでいきたいです。

でも、あくまで私は「お母さん」なので。無理のない範囲で、続けていければと思っています。

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