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  4. 「不登校児」がいるのではなく、本人に合った環境がないだけ。不登校の本当の原因はどこにある?

「不登校児」がいるのではなく、本人に合った環境がないだけ。不登校の本当の原因はどこにある?

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不登校って、つまるところ何が問題なのでしょうか。なぜ学校に行かなければならないのか。不登校をきっかけに考えさせられる本質的な問いの数々。インクルーシブ教育研究者の野口あきな先生が、不登校問題について語ります。

目次 「不登校の定義」知っていますか?
不登校の原因は何なのか?
生まれつき「無気力」な子どもはいない
登校しぶりは、コップの中の水が表面張力でどうにか耐えている状態
学校に「行く」か「行かない」かは、究極の二択ではない

「不登校の定義」知っていますか?

文部科学省では、下記のように定義しています。

「不登校児童生徒」とは、「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、投稿しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席したもののうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」

また、不登校の数は現在小学生で276名に一人、中学生で37名に一人と報告されています。(下記グラフ参照)

「不登校児」がいるのではなく、本人に合った環境がないだけ。不登校の本当の原因はどこにある?の画像1

不登校の原因は何なのか?

不登校の原因に関する調査は文部科学省によって毎年行われています。

平成25年度の報告「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」では
不登校になったと思われるきっかけを、以下の通りに分類しています。


・学校に関わること
・家庭に関わること
・本人に関わること
・その他・不明


その中でも、「本人に関わること」の分類に入る原因が約80%も占めており、その中身としては「無気力」25%、「不安など情緒的混乱」28%といった結果になっています。

不登校の本当の原因を探っていくためには、何が原因となってその子どもが「無気力」になったのか、「不安など情緒的混乱」な状態になったのかを明らかにする必要があります。

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生まれつき「無気力」な子どもはいない

生まれつき「無気力」な子どもはいません。

その子を「無気力」にさせたのは、おそらく周りの大人がつくり上げた環境でしょう。

不登校になった原因を「本人」にあるとするうちは、根本的な解決にはならないと私は考えています。

つまり、本質的にその子の困り感を解消していくためには、不登校の問題を「本人の問題」という風に捉えずに、環境や関わり方を変えていくことが大切なのではないのでしょうか。

そもそも「無気力」「情緒的混乱」に陥らないような学校づくりや学級づくり、授業づくりをしていくことが大切です。

もしかしたら子どもが「無気力」になる原因は、学校で叱られているばかりだからかもしれません。

どんなに頑張っても勉強ができるようにならないかもしれません。
友だちとの関わりがうまくいかないからかもしれません。
どうしてもみんなと一緒に行事に参加することが難しいからかもしれません。

そもそも多様な子どもが過ごしやすい学校づくりを前提とし、少しでもしんどそうな子どもがいたらなるべく早くに気付いて個別にケアをすることが大切です。

登校しぶりは、コップの中の水が表面張力でどうにか耐えている状態

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子どもが学校に行くことを嫌がっている時、どうしたらよいのでしょうか。

登校しぶりは、コップの中の水が表面張力でどうにか耐えている状態です。
そして子どもがそういう状態の時はたいてい親御さんも同じように、いっぱいいっぱいになっていることが多いです。

様々な親御さんや子どもたちから話を聞いていると、「やらなきゃいけない!」という気持ちの強い人こそ、小さなきっかけによって不登校になってしまうケースが多いと感じています。

学校に行くか行かないか、行くなら週5日朝から夕方までフルで登校しなければならない。すべての活動に参加しなければならない、という0か100かの考え方をしているケースが多いです。

学校に「行く」か「行かない」かは、究極の二択ではない

例えば、私が知っているある男の子の場合は、学校に行くことがとてもつらい...でも行かなかったら罪悪感で余計につらい...と感じていました。

そこで、一緒に学校で何がいちばんつらいのか、そしてそれがつらくならないためにはどうしてほしいか、などを一緒に言語化した上で、1時間目だけ行く、2時間目から行く、給食だけ行くなど、0と100の合間にもたくさんの選択肢があっていいことをお伝えしました。

また、親御さんの中には「一度休ませるとずっと休んじゃうから無理してでも連れていく」という方もいらっしゃいます。

そのような対応をしていても、なかなか持続的ではないですし、お互いに疲れてしまうでしょう。

それよりも、「なぜ休みたいのか」を共に明らかにしていきましょう。
親子でそれをすることが難しい場合は、第3者に相談することも大切です。

学校のスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、もしくは自治体の教育相談や民間の相談機関に相談してみましょう。

「学校に絶対行って、絶対すべてに参加しなければならない」という発想で向き合うのではなく、子どもが嫌だと感じている原因を知った上で、親御さんと学校とで協力して、学校がその子が過ごしやすい環境になるよう整える、

それでもしんどい場合は学校以外の選択肢を用意する、など多くの選択肢を与えてあげられるとよいですね。

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子育ての悩み 子育て・育児 教育 遊び・教育 不登校

この記事を書いた人

野口あきな

インクルーシブ教育・特別支援教育研究者。筑波大学大学院博士課程在学中。株式会社LITALICOの幼児教室・学習塾Leafにて、指導員育成や学校コンサルティング、...

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