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  4. 「このクラスでいじめは許しません」アメリカの学校の”いじめをなくす10の決まり”に考えさせられる

「このクラスでいじめは許しません」アメリカの学校の”いじめをなくす10の決まり”に考えさせられる

「このクラスでいじめは許しません」アメリカの学校の”いじめをなくす10の決まり”に考えさせられるのタイトル画像

あるアメリカの小学校で使われている「いじめをなくすための10の決まり」を示した画像がツイートされ話題を呼んでいます。日本では、「いじめはよくないもの」という暗黙のルールはあるものの、このように明文化されたルールがないのが現状。ルールを詳しく見ていくことで日本にも生かせる点を考えます。

アメリカで話題の、いじめを防ぐ取り組みとは

先日、アメリカのある学校のクラスに貼られたポスターがツイートされ、大きな話題を呼びました。

それが「明るいクラスをつくるために(creating a Positive Classroom)」と題されたこちらのポスターです。

私たちのクラスでは「いじめ」は許しません

こんな文章で始まる10つの決まりは、実際にツイートをした方のお子さんが通っている現地校で使われているものだということです。

その全文がこちらです。

1.私たちのクラスでは「いじめ」は許しません
2.友達をからかったり、悪口を言ったりしません
3.友達を叩いたり、蹴ったり、殴ったりしません
4.もし、友達がいじめられているところを見たら、(できるならば)止めに入るか、助けを呼びにいきます
5.グループになって何かを行うときは、誰かが取り残されることのないようにグループを作ります
6.新しい友達がクラスに来たときはあたたかく迎えます
7.友達の意見をしっかり聞きます
8.友達に対して思いやりと尊敬を持って接します
9.友達の物や学校の物を大切に扱います
10.友達の良いところを見つけ、違いを大切にします

(日本語として意味が伝わりやすいように訳しています)

原文引用:
1.bullying is not allowed in our classroom.
2.We don't tease,call names, or put people down.
3.We don't hit,shove,kick, or punch.
4.If we see someone being bullied, we speak up and stop it(if we can) or go for help right away.
5.When we do things as a group, we make sure that everyone is included and no one is left out.
6.we make new students feel welcome.
7.We listen to each other's opinions.
8.We treat each other with kindness and respect.
9.We respect each other's property.(school property,too.)
10.We look for the good in others and value differences.

このポスターの良いところは?

こちらのポスターがツイートされると、「日本でもやったほうがいいのでは」「素晴らしいですね」といった声があがりましたが、このポスターのよい点はどんなところにあるのでしょうか。

1.「暗黙のルール」から「明文化されたルールへ」

まず、一つ目に今まで「暗黙のルール」であった「いじめはいけない」という決まりを明文化し、はっきりと子どもたちに分かるように示してある点です。

人は単に頭の中で意識しているだけよりも、「こうありたい」というイメージを文字にして貼り出しておくと、より実現に向けた努力をしやすいことが知られています。これをアファメーション効果と言います。

「僕たちはいじめを許しません」
「友だちが一人でいたらグループに迎え入れます」
「友だちの意見を尊重します」

このように宣言文としてクラスに貼られていることによって、子どもたちは自然とルールを行動に移すことができるようになっていきます。

「運動会で優勝しよう!」「一致団結しよう」といった標語がクラスに掲示してある光景は日本の小学校でもよく見ることができますが、いじめを防止するための細かいルールを貼り出してある学校は少ないのではないでしょうか。

2.傍観者が行動しやすくなるルールづくり

いじめの防止においてその存在が重要視されているのが、「傍観者」と呼ばれる生徒の存在です。

いじめは「加害者」と「被害者」のほかに、ただ見ているだけの「傍観者」となる生徒がいます。

傍観者の中には「止めたいけど止める勇気がない」というように、いじめを認識しながら、行動に移すことをためらってしまう子どもたちもいます。全国都道府県教育長協議会の調査では、日本では海外に比べ、こうした傍観者となる子どもの割合が多いことが報告されています。

今までの「暗黙のルール」では、「いじめを止めに入るかどうか」は傍観者である生徒個人の意思に任されていました。しかし、このようにルールとして教室に貼ってあることで、

「自分の意思として止めに入る」のではなく、「クラスの決まりに基づいて止めに入る」ことができることができるようになります。

小さな変化にも思えますが、いじめが深刻化する前に止めるためには傍観者であった生徒が少しでも行動が起こしやすいような環境をつくることが重要となります。

このように、子どもたちが「自己解決」しやすい環境を整える仕組みのひとつとして、「決まりの明文化」が行われていると考えられます。

「このクラスでいじめは許しません」アメリカの学校の”いじめをなくす10の決まり”に考えさせられるの画像3

他の海外のいじめ防止策にはどんなものがある?

海外では、こうしたポスターの他にも日本では取り入れられていない様々な取り組みが行われ、いじめの防止が推進されています。

日本では被害者の救済に焦点が当たることが多いですが、海外では加害者の更生プログラムが用意されているなど、加害者側からのアプローチも盛んにおこなわれています。

例えば、いじめは加害生徒の自己肯定感の低さや非暴力的な方法で気持ちを伝えるスキルの不足などから起こることも多いため、自己肯定感の向上や気持ちを伝えるスキルを高めるプログラムがこれにあたります。

またオーストラリアのセカンダリーカレッジ・バルメイン校では、いじめの背景に家庭関係や生徒の不安定な状態があることに注目し、「DASSシステム」というものを導入しています。

「DASS」とは、鬱病(Depression)のD、不安症(Anxiety)のA、ストレス(Stress)のS、スケール(Scales)のSであり、生徒が抱える不安感やストレス、家庭問題などを洗い出すことを目的に調査を行うというもので、リスクの高い生徒を早期に発見し、いじめの防止につなげる取り組みとして注目をあつめています。

また最近話題になっているのが、こちらの「バディベンチ」。バディベンチとは、遊ぶ友達がいないときにそこに座ると、それを見た子どもたちが遊びの輪に入れてくれる、というベンチで、いじめ防止の効果も期待されています。元々はドイツで取り入れられていたものですが、最近ではアメリカやイギリスでも広がりを見せています。

このように海外では、「いじめはよくないもの」というルールが明確に示され、それを防止するプログラムやツールがとても充実していることが分かります。

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この記事を書いた人

岡田純

子どもを育てながら色々と考えるのが好き。幸せで楽しい子育てのカタチが増えますように!...

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