私は本を読むのが大好きです。絵本も大好きで、子どもが生まれる前からいろんな本を買いあさっていました。さて、子どもが生まれ、もちろん張り切って絵本の読み聞かせをしたのですが…あれ??全然きいてくれない…。かと思えば、一冊の本をずっとず~っと読んでいる。新しい本には見向きもしない。
「なんか、私の思い描いてた読み聞かせと違うなぁ…。」
私の中の読み聞かせイメージは、こうでした。
お膝にだっこする。
お母さんが声に出して読む。
ときどき感想を言い合ったりする。
ところが、我が家の自閉症スペクトラムの長男。言葉がなかなか出ないと思ったら、3歳ごろ、会話が成立するようになるまえに、絵本を丸暗記してしまうようになりました。(自閉症のお子さんには、耳から聞いた音をそのまま暗記するのが得意な子もいるようです。)
ちょっとでも読み間違えると、違う!というジェスチャー。そして、毎回同じ本を持ってくる。しつこくしつこく、持ってくる。自閉じゃない私も、あっという間に丸暗記できるほどに。さすがの絵本好きの私も、「もう飽きた!!違うの読みたい!!」と心の中で叫びました(笑)
そして、暗記しているからといって、内容を理解しているわけではなくて。耳から聞いた音を記憶しているだけなので、感想を言い合うとかいうところからは、ほど遠いわけです。
なんか…思い描いてたのと、ますます違う…。
そんな現状から脱却すべく、私と旦那がとった作戦をご紹介しましょう。
まずは、「シリーズものから広げる!!」です。
我が家では、月に一回、本屋の日と称して、家族全員で本屋さんへ行きます。自分で選んだ本を、一冊ずつ買うことにしているんです。長男は、自分で選ばせると家にある、なじみのある本を選んでしまいます。新しいものには、見向きもしません。でも、シリーズものだと、設定やキャラクターが同じなので、入りやすいようです。本屋の日になるとこつこつ買いためている、長男のお気に入りシリーズは、こちらの「14ひきのシリーズ」。
絵もとっても素敵で、何回読んでも(読まされても…)新しい発見があるところも気に入っています。
お話を読むだけでは、単に丸暗記して終わってしまう長男。そこで、私と旦那が次にとった作戦。それは、お話を読むのはそこそこにして、長男とのやりとりを大切にするようにすること。
例えば、ご紹介した「14ひきシリーズ」は、かなり丁寧に背景が描き込まれているので「ありさん、どーこだ?」「テントウムシはどこかな?」などと言って、虫探しをしてよく遊びました。これは、言葉に遅れがある長男には、楽しむだけでなく、発達を促す効果もあったように感じます。
今では、「のいちご落っことしちゃってるネズミはどこかな?」といった、ちょっと難しい質問や、「どうしてろっくん(登場人物)は泣いているのかな?」「どんぐりがぶつかったから!」といった、ちょっと難しい会話の練習にも、楽しみながらチャレンジしています♪
長男の好きな絵本に、「3びきのやぎの がらがらどん」というのがあります。これはシリーズものではないのですが、お話の展開が繰り返しのあるパターンになっていて、自閉っ子にとっては親しみやすいようです。(自閉のないお子さんでも、繰り返しがすきなお子さんは多いようです♪)
お話の中で、トロルが「だれだ~!!おれのはしを、がたぴしさせるやつは!!」とどなるシーンがあるのですが、そこにくると旦那はいつも、床を「バシン!!」とたたいていました。それが長男にとっては面白かったようで、そのシーンがくると大爆笑。最終的には、自分も真似をして「バシン!!」とやるようになりました。
自閉っ子は模倣が苦手と言われることがあります。今振り返ると、この楽しいやりとりの中には、模倣の練習としての効果もあったのかな?と思います。