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公開 2015年10月20日  

2歳で突然"どもり"出した息子・・・気になる吃音(どもり)の原因は、愛情不足?

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子どもがある日突然どもりだしたら…?!育児本やネットには家庭環境に問題があるという情報が多く流れていますが、果たして本当にそうなのでしょうか?我が子がどもり始めて焦っているママの気持ちを整理しましょう。

出典:http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10370004196

突然どもり始めた我が子

子どもがある日突然どもり始めたら、どのような気持ちがするでしょうか。我が家の息子は、2歳7ヶ月、私が2人目の子を出産し退院した2日後に、突然どもり始めました。それまで、まだ2歳でつたないとはいえ、スムーズにお話ししていた息子でしたが、突然自分の名前を言えない程どもり始めました。日に日に状態は悪くなって行き、しまいには「ママ」さえも言えなくなってしまいました。

私は突然のことに驚いてしまい、一生懸命ママと言おうとする子どもを前に涙を流す事もありました。数ヶ月それが続くと、どもりが気になってしまい、「ママ」というまで「マ」を何回言うか数えたりもしました。「マーマーマ、、マ、、、」と、どもりが長くなると、息子自身は話すことを諦めて、「ふー、わかんなくなっちゃった」となる事もありました。

“どもり”は親のせい?

息子のどもりが始まって、なぜどもり始めたのだろうと自問する日々が続きました。ネットには様々な原因が書かれていました。「親が厳しすぎるから」「ストレス」「愛情不足」「利き腕を直したから」など。特に、親がしつけを厳しすぎるとどもるという事が一番多く書かれていたような気がします。

自分を振り返ってみると、確かに第2子を妊娠してから、疲れたりストレスが溜まると息子に怒りやすくなっていました。とっても活動的な子だったので、止める意味でも叱る事が多かったように思います。私の子どもとの接し方がいけなかったせいで、この子はどもり始めてしまったのだと、自責の念にかられました。

人前で息子がどもりながら話していると、まねされることもありました。なにより、子どもをどもらせてしまった親、という風にみられてしまうのではと、怖くなってしまう事もありました。

“どもり”も成長の表れととらえる

私が息子のどもりに落ち込んでいたとき、姉が知人の元気な男の子を持つ先輩ママに、そのことを相談してくれました。先輩ママは「子どもは笑顔でも繊細で色々な事を考えているから、どもるのもよくあること。小学校などの転機にどもり始めることもある。そのうちよくなるし、ママのせいではないから、だいじょうぶだよ。」という、暖かいメッセージを送ってくださいました。

年齢とともに様々な社会環境に身を置いて、つたない言葉を使い、一生懸命小さな心を動かして、毎日ドキドキしている子ども達。そのどきどきが、たまたま我が子には「どもり」という形で、現れたのです。この先輩ママが、息子だけでなく私にも大丈夫だよと暖かいメッセージを伝えてくださったことが、ほんとうにありがたかったです。

それからは、どもりを「成長のひとつ」として見られるようになりました。さらに、我が子は、どもってしまうほど伝えたい事で頭の中がいっぱいになり、心が豊かになってきているんだ!と実感する事もできるようになりました。

また、どもりには資質があるとも言われています。子どもにストレスがかかった時に、どもってしまう子もいれば、かんしゃくを起こす子、黙り込んでしまう子、たたいたりしてしまう子もいます。その子どもごとに、心が様々な形で反応しているのです。

子どものどもりに、どんな風に接したらよいのか?

我が子のどもりを経験して、親としてどう接したらよいかをまとめてみました。

1)耳をじっくり傾けること
2)どもりを指摘しない
3)できれば、よく接する周囲の人達に、どもりを指摘しないようにお願いする
 (悪意は全くなく、かわいいからと、大人にまねされることがありました)
4)一生懸命お話ししてくれたら、伝えてくれてありがとうと、感謝を伝える
5)どもり始めは我が子の成長の一部、ママ自身を責めない

ただ、どもりにも色々な原因があるとされています。イギリス映画の「英国王のスピーチ」は、吃音を持つ国王が言語療法士とともに、避けられないスピーチに立ち向かって行く実話に基づく内容でした。映画の中で言語療法士は、利き腕を強制された事、X脚の矯正をさせられたこと、厳しい父親からの王家ならではのプレッシャーなどが原因と考えていました。

もし、親に限らず、とっても厳しい大人と接している環境にあるお子さんが吃音を持つ場合には、原因の究明を検討してみてもいいかもしれません。

感性豊かな息子の個性

我が子は、2歳半でどもり始め、半年をピークにだんだんなくなっていきました。そして、もうすぐ5歳を迎える今、楽しい話や、大好きな電車の話になると、またどもり始めるようになりました。

私はもう、悩みません。ああ、この子はまた世界が広がった事に心を揺り動かして反応しているんだなと、それを実感しています。息子は感性が豊かな子に育っています。大好きな絵をお絵描き帳いっぱいに描き、足りなくなって、パパが職場から裏紙を持ち帰る程です。自由に色を重ねて、自分の頭の中にあるものを一生懸命表現しようと描いています。

今思うと、表現が決して器用な方ではないのかもしれません。でもそれも、息子の個性。大切にしたい、誇らしい長所です。

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