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  5. 虐待で逮捕されるのは母親。でも本当の問題はどこにある?痛ましい「生後1か月の乳児虐待事件」に思うこと

虐待で逮捕されるのは母親。でも本当の問題はどこにある?痛ましい「生後1か月の乳児虐待事件」に思うこと

虐待で逮捕されるのは母親。でも本当の問題はどこにある?痛ましい「生後1か月の乳児虐待事件」に思うことのタイトル画像

衝撃的でとても苦しくなる「生後一か月の乳児虐待事件で母親逮捕」のニュース。赤ちゃんがかわいそうでたまらない…。そして…。産後のママにかかわる助産師として、このような悲しい事件を繰り返さないことを願いこの記事を書きました。

苦しすぎる、乳児虐待報道・・・生後1ヶ月の赤ちゃんに、何が起きたのか?

先日、とあるニュースが報道されました。



「乳児虐待で母親逮捕(yahoo news)」



「34歳の母親が、1カ月の長女を殺害しようと暴行を加え、現在も意識不明。頭を激しく揺さぶられた可能性があるという。長女が搬送された時は父親が不在で、2歳の長男がいたことから『息子がやった』と容疑を否認している…」という、そんなニュース。



苦しい気持ちでいっぱいになりながら、ニュースを見ていました。

乳児虐待で母親逮捕「2歳の息子がやった」

もちろん、許されることではない。赤ちゃんはまだ意識不明のままで、今後障害が残る可能性もある。2歳のお兄ちゃんだって、自分のせいにされてかわいそう。とんでもない。本当に子どもたちがかわいそう。この子たちの人生はどうなるんだろうか…。



そんな気持ちとともに、このニュースを見て思っていたこと…。

それは…。

湧き上がるギモン・・・「お父さんは、何していたの?」

産後1カ月って、まだまだ体もつらい時期。腰が痛かったり、頭が痛かったり、ボ~ッとしたり、目がしょぼしょぼしたり。おっぱいも張るだろうし、まだうまく飲めるようになっていなかったかもしれないし、ホルモンの関係で泣きたくなったりイライラしたりする時期。



対して2歳児は、ご飯だって一人で食べられないし、トイレだって一人で行けないから、100%ママのサポートが必要です。

赤ちゃんに授乳をしていたら背中からドンッとぶつかってきたり、疲れて横になっていたらおなかに飛び込んできたり、ご飯をぐちゃぐちゃにこぼしたり…一瞬も気が抜けないのが2歳児の生活。



ようやく2歳児を寝かせてホッと気持ちを緩めたら、「びえ~っ」と赤ちゃんが泣きだす。まだ1か月なら授乳もうまく飲めないかもしれない。



おむつ交換だって頻回にある。ひとつひとつに時間がかかるかもしれない。



ママの気持ちが不安定だと赤ちゃんにも伝わるから、もしかしたらのけぞって激しく泣いていたのかもしれない。



そして、ようやく赤ちゃんが泣き止んだら、今度は2歳児が「ママ、うんち」「ママ、おなかすいた」「ママ、だっこ」…。





こんな生活を24時間何日も「たった一人きりで、サポートなしでやっていたら」精神的に追い詰められることがあるかもしれない。



そんな状況の中、



「お父さんは何をしていたの?」



産後、母親は大切にされていたのでしょうか?周囲から十分なサポートが得られていたのでしょうか?

お父さんは、仕事から帰って2歳児と遊んでいたのだろうか。仕事から帰って2歳児が散らかしたお部屋を片付けていたのだろうか。仕事から帰って2歳児を寝かしつけていたのだろうか。



そして、産後の妻をねぎらい、妻の話に耳を傾けていたのだろうか。妻のことをしっかりケアして、大事にして、抱きしめてあげていたのだろうか…。



書きながら、涙が出る。



妻が追いつめられて、冷静じゃなくなって、赤ちゃんをぶんぶん揺さぶるくらいになっているのに。妻は出産して、まだ1カ月しかたっていない体なのに。産後1か月で赤ちゃんのお世話だけでも大変なのに、そこに2歳児もいる生活。妻はろくに眠れなくて冷静な判断力も欠けているのに、パパはどんなサポートをしていたの?



そして、逮捕されるのはママだけ。パパは「仕事が忙しかった」で通用するの?母親なら育児して当たり前なら、父親だって同じでしょ?父親は何していたの? (何かの理由で、パパは、そういうママの状況に気づける状態じゃなかったのかもしれないけれど・・・。)



この母親には、冷静さを保てなくなったときに「部屋から出る」という選択肢もあったはず。でも、この母親はそれをしなかった。「子どものそばにいなくてはいけない」と思っていたのかもしれない。冷静さを欠いて、パニックになって、赤ちゃんをぶんぶん揺さぶるようになっても、この部屋の中にいた。そして通報したのも、この母親自身。



この事件と紙一重の育児をしている人は他にもいる。子どもを守るために必要なことはなんだろう

もちろん、この母親のしたことは許されることではないでしょう。赤ちゃんは意識不明のままで、今後障害が残る可能性もある。2歳のお兄ちゃんだって、自分のせいにされてかわいそう。とんでもない。



でも、この事件を「鬼のような母親がおこした特別な事件」「個人的な問題」としてとらえていたら、似たような事件はまだまだ起きてしまう。だって、赤ちゃんが1カ月なら、ママだって産後1カ月だよ?命がけで出産してから、まだたったの1カ月しかたっていない。



「殺してやろう」と思って出産する人は一人もいない。「守ってあげたい」「幸せになりたい」「大切にしたい」と思って出産してから、たったの1か月。たったの1か月でここまで追いつめられるほど、いったいどんな産後の生活をしていたのだろうと思う。



夫からも、地域からも、親戚からもサポートを受けていない人や、この事件と紙一重のような人は他にもいる。

産後のママをどう丁寧にサポートするのかを考えていかないと、似たような事件は起きてしまう。



このニュースを見て「ひどいよな~」だけではなくて、「俺がしっかり守らなきゃ」と考えるパパが増えてほしい。そして「地域で気になる子がいたら声をかけよう」と関心を持つ人にも増えてほしい…。苦しくてたまらない今回のニュース。



社会全体で「産後」「育児」を考える機会になってほしいと願います。

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児童虐待・ネグレクト 子育ての悩み 子育て・育児

この記事を書いた人

momotaro

埼玉県内の助産院院長。

助産師・看護師として、幸せな母乳育児をアドバイス。
母乳育児支援では「ママにとってのラクチン授乳」と「赤ちゃんの気持ち通訳」を...

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