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「我慢できてえらいね!」…でもその我慢は本当に必要?〜子どもの可能性を引き出すために親ができること〜

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インクルーシブ教育研究者として、数多くの子どもの指導と、指導員の育成に携わってきた野口あきな先生が、子どもがのびのびと育つ関わり方を伝授!前々回は「普通を疑うこと」について、前回は「子どもの個性と親の個性の違い」についてお伝えしました。今回は大人たちが良く使う「我慢」について少し考えていきたいと思います。

我慢しなさい!我慢して偉いね、という言葉

「我慢しなさい!みんな見てるよ!恥ずかしいよ!」



スーパーやコンビニで菓子が欲しいと駄々をこねる子に、一緒にいるお母さんが怒っている姿を見かけた子のある方、結構多いのでは?



また、公園などで弟におもちゃを奪われて泣いているお兄ちゃんには



「我慢して偉かったね、譲ってあげたんだよね」



と、ご家族が褒めている光景を見かけることもあると思います。

そろそろ我慢を覚えなきゃ…。その我慢は『誰』のため?

教育に関わっていると、



「そろそろ我慢ができるようになると良いですね」

「我慢を覚えた方がこの子のためになる」



といった言葉を聞くことが多くあります。



そして、自分の思い通りにならない時に泣き叫んで主張する子や、ゲームで負けた時に怒って物を投げたり、人にあたったりする子に「我慢しなさい!」と叱っている姿を見かけることも多くあります。



かくいう私自身、幼いころからそのような傾向がありました。



感情のコントロールが難しく、すぐに怒ったり泣いたりしていたものです。

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「我慢できる」、それは何につながるのだろう

理不尽なことを言われても、耐えることが大切という話を聞いたことがあります。



確かに社会人になった時、上司に叱られて逆上してしまったり、嫌な仕事はやらずに逃げてしまったりするのでは、その子は将来的に生きづらさを感じるかもしれません。でも、だからといって、その子に本当に必要なのは「我慢できるようになること」なのでしょうか。



本当は怒っているのに、我慢して怒りを押しこめる?

本当は嫌なのに、我慢して仕事をする?



もちろん、その我慢が将来的にその子にとって得をするものだとその子自身が感じられることならば、それでも良いでしょう。しかし、我慢すること自体が目的になってしまったなら意味がありません。

我慢は他者に強制されるものではなくて、自分で選ぶもの

例えば、おもちゃを取られた子が我慢する時に「我慢して偉いね」と大人は言ってしまいがちですよね。

けど、それで良いのでしょうか。

「我慢すること」そのものが良いことになってしまっていませんか?



嫌な仕事を任されても、「この仕事を成功させれば、自分のやりたい仕事ができる。だから今は我慢しよう」と考えたのであれば、それは自分自身が必要だと感じた我慢。



でも、もし「この仕事は嫌だけど、みんなも我慢しているから。我慢するのが大人だから」という考え方になってしまったら。



「我慢することは良いこと」と学んで、感情を殺すことに慣れていったとしたら。



この先にも起こりえる、困った時、つらい時、理不尽な目にあった時にも、単に「我慢したら良い」と思ってしまうのではないでしょうか。そして問題が起こった時に、解決策を探るのではなく「我慢する」しか選択肢がなくなってしまったとしたら・・・。



その子の人生は、本当に幸せでしょうか。

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「我慢」ではなく、「表現方法を変える」という提案

とは言え、『怒りを感じた時に毎回泣き叫んでいては将来が不安』というお母さんの気持ちも分かります。

そこでお伝えしたいのは、我慢を強いることではなく、表現方法を変えると言うこと。



例えば、自分の思い通りにならなかった時に「暴れる」という子。



おもちゃが欲しいと暴れていたら買ってもらえたという経験から、「思い通りにしたいことがある時には暴れたら良い」という学習をしてしまっているのかもしれません。しかし暴れてばかりいては周りのお友だちは離れていく可能性が高く、いずれその子は損をするかもしれない。



ならば、暴れる以外のレパートリーを増やしてみてはいかがでしょうか。



お友だちのおもちゃが欲しい時に奪ってしまう子であれば「貸して」と言うことで、スムーズに借りられる経験をすると良いと思います。どうしても貸してもらえない時には「交換しよう」とか、「10分たったら交代ね」と、提案するなど。自分の感情や希望などを相手に伝える手段は様々です。ぜひ、その子にあった感情の表現方法を見つけてあげてください。



ところで、また私の話になりますが、私は学生時代にどうしても髪の毛を真赤に染めたくなり、両親に「なぜ髪を赤く染める必要があるのか」というプレゼンしたことがあります。



子どものころには衝動的に動いてしまうことの多かった私ですが、そのころには「相手を説得する」という手段を手に入れていたんですね。ありがたいことに両親は私の話を聞き、髪を染めることを認めてくれました。おかげで私は「やりたいことがある時には、相手を説得する」という手段が自分に合っていることを強く認識したのです。

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この記事を書いた人

野口あきな

インクルーシブ教育・特別支援教育研究者。筑波大学大学院博士課程在学中。株式会社LITALICOの幼児教室・学習塾Leafにて、指導員育成や学校コンサルティング、...

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